真・闇の会夢幻格闘化計画{Dream Duel Project}大番長After.Age表紙
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第二章その二「悪霊無用」

第二章その二・新規登場人物

アルビルダ
大帝国に出場。
当作においては無所属の海賊傭兵部隊のキャプテンである。

シュウ皇帝
大帝国に出場。
当作においては過去の中帝国の皇帝の亡霊という設定で
プラムとつるんでいる。
5秒CM
アルビルダ
「この後は、アルビルダの海賊伝説なのだ!!」






(大帝国BGM:遠き世界)
 今回の舞台は死魔根より
 十数キロ離れた尼子島という離島に移る。
 そこでは九州同盟の財政難を救うべく、
 「尼子島には落ち武者・義孝が隠した
  尼子家の埋蔵金である膨大なBストーンが
  埋蔵されている鉱山が眠っている」
 という阿寒湖まりもの残した不確かなメモを元に、
 そのB鉱山を入手すべく、
 九州同盟の特体生が少数派遣される
 「尼子八犬伝が斬る」作戦が
 今正に遂行されようとしていた。

 その作戦を遂行すべく任務に就く特体生は
 スカルサーペントのシャイラ=スイタンジュール
 スカルサーペントの河野美潮
 無印ホーリーフレイムのアイレーン
 五十嵐組の五十嵐紅美
 オルレアンに助力する海賊、
 アルビルダ海賊団の長・アルビルダ
 最近オルレアンに加入した凰火朱鷺
 オルレアンの嶌美亜子
 今回の作戦の総指揮者であり責任者である
 オルレアン総長エクレール
 である。

 流石に八人全員に
 見せ場を作るとなると些か大変だが、
 体力が続く限りは頑張っていきたいと思う。

「まあ、せいぜい頑張ってくれたまえ。」

 あ、ありがとさん。

<鉱山 B1F>
(大帝国BGM:列強の道をゆく)
 場所は鉱山の地下一階に移る。
 そこにはまだ地下一階だというのに
 一面中ダンジョンに相応しい
 暗闇に覆われており、
 もし貴重な松明がなくなった場合、
 いかなる魔物魔王から
 世界を救うであろう
 自称「しんのゆうしゃ」でも
 足を滑らせて頭を強打してしまい、
 その勇者の冒険は
 そこで終わってしまうであろう
 ざんねん!
 な結果になるのは目に見えている。

「その点に関しては
 心配ナッサブルなのだ。ほれ見れ。
 私のヒートホークとヒートシールドが
 松明の役割をするからモウマンタイ、
 どこぞのしんのゆうしゃの様にざんねん!
 な結果に終わる事はないぞ。」

「でもアルさん。」

「美亜子、アルちゃんでいいのだ。
 アルさんだと眉の太い暗殺者によって
 ひょんげ〜!ぶとテーレッテーで
 地獄に召されてしまいそうだからな。」

「じゃあアルちゃん、
 私達が団体行動を取っている時はともかく、
 もし何らかのトラブルで
 バラバラになってしまった場合は
 どうするのブイリ?」

「そうだねぇ……
 そうなった場合に備えて
 やっぱり松明やライターや
 文明の利器である懐中電灯を
 持っていくしかないだろうね。」

「成程、流石アイレーン、
 ナイスバデーな事だけはあるな。」

「……ナイスバディと今のとどういう関係が有るんだい?」

 取りあえずは照明関係の問題は
 一応の解決を見、
 アルビルダがヒートホークとヒートシールドに
 ボンボリみたいに灯りをつけると
 アルビルダの周りからまるで
 電灯をつけた様に周りが明るくなっていく。
(SE ボワン)

 ところがどっこい、
 一つの問題を解決したところで、
 また一つの問題が浮上してくる。
 今度はここからどうやって鉱山の奥に
 クエストしていくかという問題だ。

 確かに少し前にまりも達が
 掘り進んだ後の鉱路はあるものの、
 それは途中までしか掘り進められておらず、
 そこから先は鶴嘴や
 男のロマン・ドリル等の手作業で進むしか
 道を作る手段は存在しないのである。

 しかも途中まで在る鉱路は
 木材による補強は部分腐敗しており、
 しかも所々落盤しており、
 そして運が悪く大雨にでもたたられた場合は、
 坑内で全員ドザイ・モーンになってしまうのである。

「ちゅー事は何や…ウチら八名に
 わっせわっせと鶴嘴やドリルで
 掘り進んでいけっちゅーんか?」

「いや、我々のすべき事はそれだけではない。
 死魔根は黄泉の国に最も近い場所。
 坑内にも野良魔族だけではなく
 凶暴化した危険な動物や死霊等が
 うようよエンカウントする場所でもあるから、
 私達がまずそれらの脅威を全て払拭した後に
 大勢の鉱夫の人達に来て貰って道を切り開いたり
 Bストーンの採掘に従事して貰うんだよ。」

 紅美の疑問に対し、
 朱鷺が簡潔にその疑問に対する答えを出す。
 解りやすく言うなら八名で
 周りの脅威を全て払拭した後に
 坑内の開拓やBストーンの
 採掘に従事する鉱夫を
 大勢送り込むという手筈である。

 という訳で八人の探検隊は作戦を遂行すべく
 坑内の奥へと歩を進めていく事となる。

(SE デロデロデロン!!)
(大帝国BGM:一斉射撃−伊)
「きゃっ!!?」

 いきなり美亜子の頭の上を
 触手の様なものが
 襲いかかって来た……
 かと思ったらよく見ると
 古びて萎{しな}びたロープが
 重力に負けて落ちてきただけだった。

「気をつけて下さい美亜子。
 次はおそらくモノホンの敵が出て来ますよ。」

「ちょ……ちょっと美潮さん、脅かさないでよ。」

「美潮の言う通りよ、美亜子。」

「シャ……シャイラさんまで……」

「こういうシチュエーションは得てして
 トラブるが起こるフラグが
 ビンビングと立ち易いのよ。
 ほら…目の前に体に
 蛇を巻き付けたグールが数匹……、
 って現れるのが早杉!!」

 シャイラが目の前に指を指すと
 そこには複数の蛇を体に巻き付けた
 マッチョメーンな屍生人{グール}が四名
 獲物をハケーンした事に
 歓喜びを隠せない表情で
 近づいてくるではないか。

「にぃ……にんげんだあ〜」

「しかもナオンがやく2/3ダースもいる〜」

「こいつぁ〜おそっちまうしかね〜よなぁ〜あ」

「おそってウハウハヒャヒャ〜」

「なぁアルビルダ、こいつらどないするよ?」
「どないするもしないもこいつらは
 私の除幕式を狙っているに違いないのだ。
 だったら先手必勝、
 こいつらをいてこましてやるのだー!
 きっとこんな感じで
 波瀾万丈奇想天外落書き無用の
 ダンジョンクエストが
 私を待っているに違いない!」

「なにいってやんだおこいつら?」

「いいからさっさとやっちまおーぜ!」

<VS屍生人>
 まずは屍生人二人が美潮の前に立つ。
 2on1というのは少々卑怯な感じもするが、
 相手はルール無用の悪役なので
 美潮からOKの同意を得られている。

「蛇の扱い方に関しては
 我々スカルサーペントの
 右に出る者はいません。
 我々に蛇を操る技で
 挑んだ事に対する愚、
 たっぷりと思い知るがいいでしょう。」

「てーかほんぺんのそんなせっていあったか?」

「いや、たぶんない。」

「まあいいや、とりあえずこいつをたたんじめー!!

 レッドスネークカモーン!!」
 そういうと屍生人Aは
 手刀を繰り出してきた。
 当然この程度の攻撃を
 見抜けぬ美潮ではなく、
 難なくその手刀をかわすが、
 何とその手刀の手首の付け根から
 蛇が出てきたではないか!!
(SE シュッシュッ)

亟泓殺{きょくおうさつ}
手首の付け根から蛇を出す地獄突き。
4(貯め)6+K


 間一髪美潮はそれをかわすが、
 その蛇は一見しただけでも
 猛毒を持った蛇である事が判る。

「なかなかかんがするどいだ。だがこれでどうだ!!」

 そう言うと屍生人A&Bは
 両手首から複数の毒蛇を
 ありったけ出して来た。
(SE デロデロンッ)

「しょうけじゃごうけんのおそろしさ、
 とくとあじあわせちゃるわー!!」

 そして屍生人A&Bは
 手首の蛇群を駆使して
 美潮に猛攻を加えてくる。

 毒蛇に一噛みでもされたら
 大変な事になるので、
 美潮は巧みに背中の
 仕込み刃付きの舵を駆使して
 蛇の猛攻をいなしているが、
 腕のいいボクサーが徐々に
 相手をコーナーに追いつめていくかの如く、
 美潮を追い詰めていくかに見えたが……

「タマいただき〜〜、げっ!!?」
(SE ドドドドド)

 その時いきなり紅美のマシンガンが火を噴き、
 屍生人Aの体を蜂の巣にしてしまう。

「き……きたねえお!
 これはオレとこいつのゲームのはず……」

「何が汚いやねん。
 そもそも誰がアンタらと
 美潮のゲームや決めてん?
 そもそも2on1の時点で
 そっちの方が遙かに卑怯や。」

「おどれぁ〜!!」

Bang!
(SE BLAM!!)

 尚も蜂の巣になりながらも
 襲いかかる屍生人Aに対して
 紅美はケジメのハジキを
 その脳天に鉛弾として食らわす。

「こーなればさんにんまとめて
 ナオンどもにとつげきだ!!」

 屍生人Bの指示を聞き、
 屍生人C&Dは他の七人に
 一斉に襲いかかったが、
 屍生人Cは毒蛇の一撃を
 アイレーンの盾に阻まれて
 大剣に一刀両断にされ、
(SE ずんばらりん)

「見れ!これが私の有頂天!!

 屍生人Dはこれまた毒蛇の一撃を
 アルビルダのヒートシールドに阻まれ、
 敢えなく脳天をヒートトマホーク
 で鰺の開きにされチマー。
(SE ずんばらりん)

 そして屍生人Bも自分の飼っている蛇全てに
 美潮の放つBパワーの波紋を流され、
 トチ狂わされた蛇軍団は飼い主である
 屍生人Dに向かって牙を剥く。

うわぁ〜お!!
 なにをするおへびどもぉ〜!?
 くくくくわれりゅうううう〜!!
 そんぬあああああ!!!!」
(SE グルグルグル……)

黒力波紋疾走
Bパワーの波紋を流して爬虫類を従わせる技。
41236+P

 哀れ屍生人B自分の飼っていた
 蛇軍団に喰われるという
 敵の猛獣使いキャラの
 定番のやられ方をしてしまったのである。
 全く不被報{むくわれな}いヘビーな最期だぜ。

「取りあえずは何とかなりましたわ。」

「まあそうやな。
 けど……地下一階のしかも初っぱなから
 こんなんがエンカウントしてくるやなんて
 幸先不安なクエストになりそうやな。」

(大帝国BGM:陰謀の気配)
 目の前のエンカウントした敵を退け、
 一行のクエストは続く事になる。
 その前に生前は探検家であったであろう
 一体の完全に白骨化した
 遺体が横たわっているのが見えた。

 服装はいかにも探検家らしく、
 インディアナ=ジョーンズが
 着ている様な探検服に
 これまた多くの探検の為の
 道具が入っているリュックサック、
 そして側に電池が消えているであろう
 懐中電灯が転がっていた。

「わー、こりゃまたえらい前の仏さんやな。
 つーか誰かこの仏が誰なんかわかるんいる?」

「任せて下さい紅美。
 おそらくはどこかに身分を証明する様な
 何かを所持している筈です」

 そう言うと美潮は手慣れた手つきで
 探検家の遺体を物色し始める。
 そして約数分すると美潮は
 身分証明書をハケーンする。

「成程程成…この人物の名前は
 マンチェスター=コパーポット卿、
 エイリス中にその名を知られた
 高名な探検家ですね。
 数年前に来日して以来、
 消息を絶っていたと伺いましたが。」

「ていうか何でそんな偉い人が
 なんでもってこんなところで
 ホネホネロックになってる訳?」

「おそらくはこの鉱山の噂を
 どこかしかで聞きつけ、
 探検に入ったという口でしょう。
 それで某かの理由でここで逝き絶えた、と。
 コパーポット卿の足下には
 大量の血糊が付着している事や、
 食料品等が全て消費されている事からも、
 何からの理由で行動不能となる重傷を負い、
 助けが来るのを待っているうちに餓死した、
 というところでしょうか。
 ここに遺書らしきものもありますし。」

 遺書
 「学聖歴X年X月X日
  私ことマンチェスター=コパーポットは
  この暗い洞窟で生涯を終える事となる。
  この遺書を見つけた者に忠告しておくが、
  これ以上先には進んではいけない。
  この中 に は  恐ろし  い悪 霊 が 
  い ゆ
  う ま

 ここで力尽きたのか遺書は
 「ま」の部分で終わっている。

「それじゃあここは高名な探検家でさえ
 1ラウンド持たずにFATALITY・KOで
 のたれ死にする
 マンモスモストデンジャラスなところじゃない!!
 そんな危険なところであたし達だけで
 ホントにクエスト出来るの!?」

「落ち着きなさい美亜子。
 今更どうこう言ってもどうにもなりませんし、
 ここは我々八人の力を信じて
 進むしかありませんよ。」

(大帝国BGM::よりどりみどり)
「そうなのだ。くよくよ考えてても腹が減るだけなのだ。
 と思ったらこの先は行き止まりだぞ、どうする?」

「そういう事もあろうかと
 秘密道具のナクトリウムを持ってきたわよ。」

 そう言うとシャイラは腰のポシェットから
 緑色の弁当箱の様なものを取り出した。

「この箱はナクトリウム、
 つまりR-7910という鉱物から出来ていて、
 どの壁を掘れば目的地に行けるかが判る
 優れ物のダンジョン探索には必需品よ。」
 そしてそのナクトリウムの箱をポチッとなと押すと、
 箱の上についてある針が矢印の形をなし、
 そして壁の方向に矢印を向けると、

「ここ掘れラグナード、ここ掘れラグナード」

 と中からナクト君人形が出て来て
 掘るべき場所を指し示すのである。

「そしてこれがアルビルダ海賊団の自慢の逸品、
 パワー・ピカクスなのだ。」

「ていうかその鶴嘴でどうするのさアルビルダ?」

「何を分かりきった事を聞いているかアイレーン。
 ここ掘れワンワンするに決まっているではないか。
 ほれ、極聖コンビのミーミル&ナグルファリ、カムヒアー。」
(SEパチン)

(大帝国BGM:海軍長官の日常)

 アルビルダが指を鳴らすと
 十数秒してからけむくじゃらの塊が二匹
 ドドドドドという地響きと共に洞窟の中にやってきた。

「見れ。これが私の頼れる片腕の極聖コンビ、
 ミーミルとナグルファリなのだ。
 ん?どうしたのだ美亜子にエクレール?
 アホの子みたいに口をアングリさせて
 笑える顔芸だな。」

「あの……アルちゃん、この方々は?」

「私の故郷のバイキング族の男だ。」

「e〜〜!!?てことはこれで
 人類ホモサピエンスのカテゴリーなの!?」

「失礼な事を言うな。これでも立派な人類の一員だぞ。」

「はぁ……さいでっか。」

「ところでお頭、アッシらに何のようですかい?」

「なんなりとご命令を。」

 まあそういう事で美女&美少女+α×2の
 土方作業と相成るのであった。

「わっせ、わっせ。」

「よいしょ、よいしょ。」

「でっせ、でっせ。」
(SE ガチン、ガチン)

 さすがに選りすぐられた特体生だけあって
 女性の細腕であっても
 並の特体生の男を遙かに凌ぐ速度で
 どんどんディグダグ掘り進んでいき、
 一時間後にはほぼ次のステージに
 行く為の通路が完成していた。

「ふむ、少し待ってくれないか。
 ちょいとばかし耳と鼻を澄ませてみたい。」

 ここで朱鷺がいきなり何の脈絡も無い発言をする。

「私の耳や鼻に温かい湯が沸いている音や
 温泉特有の香ばしい臭いを感じたんだ。
 アルビルダさん、
 ちょっとばかり寄り道になるけど、
 私の横の壁を壊してくれないか?」

「成程程成、分かったのだ朱鷺。
 このアルビルダにどーんとお任せなのだー。」

 朱鷺の要請を快く受けたアルビルダは
 壁をどーんと力一杯パワー・ピカクスで壊す。
 何とそこには温泉マニアでなくても垂線の
 良質の温泉があった。

「やはり私の鼻と耳は正しかった様だ。
 どうやらこの鉱山には誰にも知られていない
 ○秘湯が存在しているらしい。」
「ひゃっほーい、温泉なのだー!!
 今こそ入るぞみなのしゅー!!」

(大帝国BGM:一斉射撃−伊)
 早速アルビルダがたった今
 ハケーンした温泉に入ろうとするが…

「ちょっとまってよ。
 ここはいわゆるあたし達に
 とっては敵地な訳でしょ。
 敵地で入浴するなんて
 無防備地域宣言をしたら
 いつ敵に襲われて
 自主規制されるかも知れないし、
 そうでなくてもエロい覗き魔の
 目の保養に成っちゃうじゃない。」

 と美亜子の制止が入る。

「美亜子は心配性なのだ。
 そんなものをビビデバビデブーしていたら
 アルビルダ伝説は到底築けっこないぞ。」

「そりゃあアンタはいいかも知れないけどさ、
 つき合う私達の立場にもなってほしいもんだ。」

 美亜子に続いて
 アイレーンからも物言いが入る。
 その物言いの信憑性を物語るかの如く、
 周りは異様で禍々しい
 雰囲気に満ちあふれていた。

「じゃあその無粋な連中を
 追っ払えばいいんじゃないの?」

「おー、流石はシャイラ、ナイスアイデア。
 そうと決まれば善は急げ、いくぞ皆の衆。」

 という訳で温泉入浴の間の安全確保の為、
 周りのエネミーを一掃する事となった。

<VS巨大コウモリ軍団>
 まず八人に立ちはだかるのは
 核戦争後の放射能の影響、
 もといBストーンの影響で
 普通の蝙蝠の3〜5倍の巨躯を擁する
 巨大蝙蝠の軍団である。
 蝙蝠は体が小さく非力な分、
 分小回りが利き、
 病原菌や吸血などの
 厄介な特殊攻撃をしかけてくる
 何気に対処が難しい敵であり、
 ましてやそれらが巨大化して
 大軍団で襲ってくるのであるから
 いくらこの精鋭八人と
 言えども油断は出来な…

「ところがどっこいそんな事は全然無いわ。」

 とシャイラが
 謎の放火能力で蝙蝠軍団に対して
 汚物を消毒させる攻撃をかまし、
 獣の本能でそれらの危険を
 察知した蝙蝠軍団は
 一斉にしっぽを巻いてトンコしてしまう。
 以外にヘタレであるが、
 蝙蝠なんぞで放送時間をとれない
 大人の事情も有るのであろう。

「楽屋オチ自重。」
(SE オブツハアツクテシヌゼェー)

ブラッディウルフ
謎の力で相手に火炎放射攻撃を加える技。
236+PP

<VS淫獣軍団>
 お次は淫獣軍団が
 八人の前に立ち塞がる。
 淫獣軍団は久々に人間のナオンを
 八人もハケーンしたので、
 まるで数日間何も
 口にしていない猛獣の如く
 欲望丸出しの表情で
 八人の隙をうかがっていた。

「……仕方がない、
 ここはこの凰火朱鷺に任せて貰おうか。」

「じゃああたしもいくとするか。」

「すまないね、アイレーンさん。」
 という訳で朱鷺とアイレーンの
 タッグが急遽結成され、
 淫獣軍団と対決する事となった。

「Grrrrr」

 まずは三匹の淫獣が
 二人の周りを隙を伺うかのごとく
 ゆっくりと舐める様に周り始め、
 そして隙を見つけたかと思いきや、
 一斉に朱鷺めがけて
 鋭い爪牙で襲いかかってくる。
(SE シャウッ)

「だがそう来る事は読めていた。
 凰火流を嘗めて貰っては困る。」
 しかし朱鷺はそれを既に察知しており、
 三匹の連係攻撃は
 朱鷺の掌底による俊足の当て身技で
 即座にたたき落とされて
 返り討ちにあってしまう。

破琉掌
殆どの当て身技を返り討ちにする当て身投げ系技。
214+P

「Gwwwww!?」

 ここで暫く相手がただ者ではないと
 察知した淫獣軍団は遠吠えをして
 周りにいる仲間を呼び集める。

 そして淫獣一匹の上に
 約10匹前後の淫十が乗って
 まるで淫獣の柱の様になった
 淫獣の塔が二柱出来上がった。
 これぞ邪狼羅斬陣。
(SE ドンドンッ)

邪狼羅斬陣
狼の群れが馬乗りに重なって
空にそびえる二本の淫獣の塔となり、
頭上二方から一斉に急降下攻撃を仕掛ける。
2222+PPP

 そして淫獣の塔Aは早速
 朱鷺の頭部をめがけて急襲してきた。
(SE ギュウウウウッ)

 というよりもまるで塔全体が
 一本の柱として朱鷺に襲ってくるのである。
 とりあえずはその鋭い攻撃をかわして
 攻撃する朱鷺であったが、
 その時には既に淫獣の塔Aは
 既に一本の柱に戻っており、
 攻撃が届かない領域に
 逃避してしまっている。
 だが朱鷺が淫獣の塔Aを攻撃しようすると、
 淫獣の塔Bが淫中の
 塔Aと同じ様に頭上を攻撃してくる。
(SE グルルルルッ)

 この絶妙なコンビネーション技によって
 朱鷺は完全に防戦一方に陥ってしまっており、
 勿論アイレーンも完全に
 防戦一方に陥っているのは言うまでも無いが。

「仕方があれへんな。
 ここはウチらも加勢させて貰うで!!」

 ここで紅美が美亜子の
 飛び道具コンビが参戦する事となる。

「じゃああたしは朱鷺さんの方を援護にいくわ!」

「せやったらうちはアイレーンの方になるわ。
 オラオラオラァ!!」
(SE ドドドドドドドドドドドッド)

地獄の砲弾
マシンガンを矢鱈滅多ら撃ちまくる技。最早技ですらない。
214214+PP(ゲージ消費1)

 いきなり何の前触れも無く
 紅美がマシンガンをぶっ放す。
 淫獣の塔Bを形作っていた淫獣の群は
 マシンガンの先例を受けて
 敢え無く撃沈…する訳無く、
 マシンガンの縦断の嵐に対し、
 一旦バラバラにする事で回避し、
 そしてまた塔の形に復帰するのである。

 幾ら多数を攻撃する事においては
 右に出る物無しのマシンガンでも
 こいつぁどうにもならねいぜい。
 マシンガンを装備した紅美でさえこの有様なので、
 弓矢装備しただけの美亜子は推して知るべしで、
 一旦バラバラに四散する事すらせず、
 美亜子の弓矢を綺麗にかわしていく。
(SE ヒラリッヒラリッ)

「何か何度打っても当たらないわ……」

「みっちゃん、よく狙って下さい!!」

「そりゃあ分かってるわよエクちゃん!
 でもこうちょこまか動かれたら……
 と思ったけど今までの射撃は無駄じゃなかったわ。
 アソコを狙えば状況は一変するわ!」

「え?……ええ、確かに一転致しますわ!」

 どうやら美亜子とエクレールは
 戦況を一変させる
 何かをハケーンしたらしい。
 善は急げとばかりに美亜子は
 天井のある一点を狂った様に射撃し始めた。
(SE ヒュンヒュンヒュンッ)

 そして二十本が過ぎるとベトナム帰りの
 ドクツ人とスペディオの
 ハーフの乱暴な傭兵がする様に
 矢の先に爆弾仕掛けの鏃を装備させ、
 とどめとばかりに一発放つ。
(SE ギュウウウウッヒュンッ)
(SE KABOOOOOOOOOM)


乱坊
矢を矢鱈滅多ら撃ちまくる技。
最後に矢の先に爆弾仕掛けの鏃を装備させ
とどめの一発を放つ。
214214+K(ゲージ消費1)

 するとどうであろうか。
 爆弾矢が爆発したポイントの点から
 徐々にひびが入り始め、
 淫獣の塔の上の天井の岩盤が
 そっくり落ちてきたではないか。
 淫獣の塔Aはびっくりして慌てふためくが、
 時既に遅し。
 後悔役に立たずで全匹
 巨大岩盤の下敷きになってしまいま。
(SE ギリッギリッ……ヒュードッスン)

 そしてその余波は淫獣の塔Bにも波及し、
 淫獣の塔Aの様に
 全滅とまではいかなかったものの、
 最早塔としての体型を維持する事はできず、
 朱鷺とアイレーンの波状攻撃の前に
 呆気なく破れ去る事となる。

 という訳で温泉でゆっくりと
 湯治をするのに邪魔な
 お邪魔軍団はすべて片づき、
 八人だけでなく視聴者もお待ちかねの
 温泉ターイムに突入する事と相成った。

(大帝国BGM:愉快な出来事)
「ヒャッホーイ!!温泉温泉大温泉なのだー!」

「こらアルビルダ、
 入浴前には体を洗ってから入りーや。」

「分かったのだー!」

「ん?どうしたんだい美亜子?」

「い…いえ、何でもナッサブル。」
 美亜子がアイレーンの胸をみて
 とっさに自分の胸を隠す。

「おー、アイレーンの胸はまるで牛のよぶっ」

 それをみてアルビルダが
 空気を読めない発言をし、
 美潮に後ろから口をふさがれている。

「なぁエクレール。」

「何でしょうか、紅美さん?」

「同じ欧米人でもアイレーンみたいに
 ボインもいれば
 アンタやアルビルダみたいに
 豊満とは程遠いのもいるんやな。
 まあウチの今までの
 欧米人の脳内スタンダードは
 イタリンの女優政治家
 ムッチリーニ=ヴェネツィアやったからな。」

「はぁ……そうでしょうか…」

「それにしてもシャイラさんは
 中々形の整ったバストだね。
 まるで褐色の宝石とも言えるよ。」

「いきなり何を言い出すのかと思えば
 いきなり何なのよ朱鷺。
 でもアンタの乳も張りがあって
 中々いい形をしているわ。」


 う〜む、いきなり何の脈絡も無く、
 オパーイ品評会になってしまいま。

「一応エロゲだから仕方がないのだ。ごしごしごし。」

「しかしアルビルダは毛深いねえ。」

「何だシャイラ、私の毛がそんなに珍いか?」

「珍しいも何も、
 そんなにびっしり生えている
 毛なんて男でもいないわ。」

「そうなのか?つーかバイキング族はみんなこうだぞ。
 特に男は全員毛むくじゃらの毛玉状態なのだ。」

「あ〜、そういやそうね。
 さっき出てた二人組も毛むくじゃらだったわね。」

 そうこうしているうちに
 全員が体や髪をトリートメントし、
 スーパー温泉タイムとなる。

「あ〜、いい湯だねえ。」

「日頃の疲れが一気に取れてキマシタワー。」

「あ〜体の奥底からポカポカしてくる〜。」

 とそれぞれ温泉の入浴を満喫しており、
 日頃の疲れや戦闘での負傷を癒している。
 私がもっと×100絵心があれば
 入浴中の様子を描きたいところであるが、
 画力も甲斐性も無いので
 残念ながら断念せざるを得ない。

「全くだらしの無い管理人だな。
 それで紅美、
 今後のクエストの予定は
 どうなっているのだ?」

「そうやな〜…万が一、
 という事もあるさかい、
 いつはぐれてもええ様に
 同じルートを通るにしても
 2チームに分けようか。
 うちのチームはうちに
 朱鷺にアルビルダに美亜子。
 エクレールのチームは
 エクレールにアイレーンに
 美潮にシャイラや。」

「ちょっと待って下さい紅美。
 私とシャイラはその二人とは
 かつて互いに敵対していた勢力に
 在籍していた事は
 当然貴女もご存じですよね。
 今回のクエストでもし
 一緒に行動した場合、
 いざという時に遺恨がおジャマして
 適切に連携するどころか
 足を引っ張りあう結果に終わる事も
 十分に予想されるのですが。」

「せやからや。
 今回のクエストにおいて
 同一行動をとって貰う事で、
 その遺恨を解決して
 貰おうっちゅーこっちゃ。
 そう簡単に行くとは
 思っとらんけど頑張ってや。」

「解りました。全力で善処します。」

「次にゲットするであろう
 Bストーンをはじめとする
 戦利品の扱いについての話や。
 まあ取らぬ狸の皮算用になる話やけど、
 取りあえずは九州同盟本部に
 一時保管しとくっちゅー事で。
 まず病院等で即緊急に
 必要な分を確保した後、
 必要な分だけ九州同盟の面々で
 分けあう事になりそうやな。
 まあメモの提供元のオルレアンには
 分配にほこっとイロをつける事になるけどな。
 で、この案に対する意見はあるか?」

 ここで紅美がゲットした
 Bストーン等を始めとする
 戦利品の事後処理の案の是非を
 他の七人に問いただす。

「私達は概ねその案には意義はないけど、
 そんな大切な事はこんな温泉の場所で
 決める事じゃないと思うわ。」

「確かにそんな重要な決定事項は
 九州同盟全体の合議で
 決めるべきだと思うよ。」

 紅美の案に対してシャイラと朱鷺が
 九州同盟全体による合議で
 戦利品の処理を決める様に提案する。

「確かにそれもそうやけどな。
 小田原評定になって
 何も決まらんって事に
 ならんかったらええんやけどな。
 こういう手合いの会議は
 どいつもこいつも我を張って
 欲の皮を突っ張らせよるから
 一向に話が纏めまらんのや。
 かと言って武道大会を開いて
 勝った勢力が多く取るっちゅーのも
 ストーリーの展開としては面白いけど
 在り来たりのストーリー展開やし、
 そんな事している暇も労力もあらへんし。」

「そうだね……人気投票で
 上位のキャラクターがいる勢力が
 多く取るというのはどうだい?」

「じゃあパソコンゲームで決めたらいいと思う。」

「いっその事くじ引きで決めた方がいいと思うのだ。」

「せやなぁ、会議で纏まらんかったら、
 パソゲーかくじ引きで
 決めるしかあれへんやろうな。」

(大帝国BGM:B&T(ボケ&ツッコミ))
「まあ、その事は置いといて、
 皆さん今は温泉を楽しみませんか?」

 待った、ここでエクレールがいい事を言った。
 確かに温泉のシーンで
 こんな小難しいストーリー展開の
 説明ををしても誰得なので、
 取りあえずは温泉で
 女同士キャッキャッウフフの
 うれしはずかしシーンを
 描いていきたいと思う。

「それもそうやなぁ、
 この時間は子供達は
 幼稚園や学校から帰ってきて
 ホッと一息ついて、
 お母さんは家事の合間に
 ホッと一息ついて、
 お父さんは仕事から帰って
 ホッと一息ついてる時間や。
 こないなと頃で小難しい話なんて
 やっても誰得やさかい、
 今は温泉を骨の髄まで堪能しようやないか。」

「確かに。にしてもこの温泉はBストーンが含まれているな。」

「Bストーン…ですか?」

「ああ、こうやって湯を掌に掬ってみると、
 粉上のBストーンが浮き上がってくるだろ。
 おそらくこの湯にもBストーンが
 混ざっていると見た方がいいだろう。」

 朱鷺が掌に湯を掬って見ると、
 茶に混ざった金粉の如
 くBストーンの粉が浮いているのが見える。

「つまりここはBストーン温泉だという事だよ、エクレールさん。」

「ていうか少し考えると凄いゼータクな温泉だねえ。」

「あたしの子供の頃なんて
 一週間に一度手作りのバスタブに水を入れて
 弟や妹を入れていたなあ。
 それでも一週間に一度ならまだマシな方で
 一ヶ月くらい入れなかった時もザラだったし。」

「多分その頃の美亜子は
 エンペラーボンビー神に
 とりつかれていたからに違いないお。
 お風呂好きのしずかちゃんが
 聞いたら卒倒するぞ。」

「つーか大帝国のドラマCDやと
 東郷が混浴に洒落込んでるけど
 そこんとこどないやの?」

「管理人はもったいない病が
 発症して開けてないから
 内容はさっぱりわからないのだ。」

「まったく使えない管理人だねえ。
 ところで朱鷺、何かいい話題はないか?
 視聴者のみんなも待ちかねているじゃないか。」

「そうだねえ……そうだアイレーンさん、
 これだけの女が一同に集まって浮いた話の
 一つ二つもないというのも不自然な話だし、
 恋の話、略してこいばなでもどうかな?」

「ふむ、それは確かに盛り上がりそうですね。」

「美潮さんもそう思うかい?」

「それはとても盛り上がりそーなのだ。
 それじゃあシャイラと美潮から始めるぞ〜。」

「私達ですか?そうですね、私達は無論……」

「空也一筋に決まっているわ。」

「成程程成る。
 なら空也との馴れ初めの話をしてほしいぞ。」

「な……馴れ初め!?」

「そうだね、私も少し興味が有る話だ。」

「そうですね……
 馴れ初めという程でもありませんが……」

「私達は元々スラム育ちで、
 生きる為にすさんだ生活を送っていました。
 憧れの闘京への密航を試みるも失敗……」

「そこでマッポに追われていたところを
 偶然空也に逢って部屋に匿われたの。
 これが私達と空也の馴れ初めさ。」

「ところで次に誰が話すんだい?」
「ん〜、じゃあこうしよう。
 くじ引きで決めればいいのだ。」

 ここでアルビルダが
 何の脈絡もなくくじを持ってくる。
 シャイラと美潮を除いた六人が
 一斉にひもを引くと、
 アイレーンの引いた
 ひもの先が赤くなっていた。

「ふむふむ、次はアイレーンのバンダナ。」

「アタシかい?アタシはこれといって話は……」

「とぼけてもらっちゃこまるねアイレーン。
 あの角刈りの大隊長との間で
 何のロマンスも進展も無いとは言わせないよ。」

「え、大隊長のことか?」:

ここでシャイラがアイレーンに釘を刺す。
「いや、大隊長は男鰥{やもめ}だし、
 再婚というのもアレだしねえ。」

「でもアイレーンさん、自分に素直にならなきゃ。」

「ちょ、美亜子まで……」

「んじゃあ次に行くぞ。るーれっと・おーん。」

 いつの間にかアルビルダがルーレットを用意している。
 ていうかこんなモンが一体どこに?

「細かい事は気にするな、管理人。
 気にすると益々太鼓腹になるぞ。
 ふむふむ、次は紅美か。」

「何や、ウチかいな。ウチはなぁ……
 一度本気{マジ}の恋をした事があったんよ。
 厨房の時にスポーツ万能・成績優秀・性格良好と、
 非の打ち所のあれへん男子とマジボレしとってん。」

「うんうん。」

「それで中学の臨海学校の時に
 肝試しでその子とペアを組んで
 肝試しコースを一周する事となってん。
 でも小康状態やった天気が
 途中から崩れ初めてもうて、
 んで天候が一気に悪化して
 じゃじゃ降ろになったから
 近くの小屋に雨が治まるまで
 一時退避する事になったんよ。」

「成程程成、そこの中でうっふんあっふんタイムが……」:

「アホ、なんでそないな展開になるんや。
 残念やけど現実はそないに
 エロゲーみたいに上手くいかへんのや。
 まあ最初は他愛も無い話で盛り上がって来て、
 ええムードになりだしたかなっちゅーところで、
 近くの大木に雷が落ちてきて
 折れた大木が小屋に向かって倒れてきよってん。
 その子はウチを庇おうとしてウチの上に被さってきて、
 背中に大きな痕{きずあと}が出来てしもうてんや。
 うちも顔の半分に大木の破片が当たって
 意識朦朧として動けへん状態や。
 その時にあの子は重傷を負っているにも関わらず、
 持ち合わせの裁縫道具で医療経験もないのに
 一生懸命にウチの事を救おうと治療してくれてん。
 結局は顔に傷は残ってもうたけど
 うちは一命を取り留めて、
 卒業後はその子の行方は解らず仕舞いや。」

「それでその時の想いを残そうと
 顔の傷をそのままにしていたのか。
 おー何か宇宙的にマンモスイドラマチックなこいばななのだ。
 それはそうと次のこいばなはタイムショックで決めるぞ。」 
 とりあえずはそのタイムショックで
 次のこいばなは朱鷺に決定するのであった。」

「ふむ、私か……。
 まあばりテンをプレイした
 視聴者なら判ると思うが、
 勿論私は友弥さん一筋で
 ある事は言うまでも無いよ。
 友弥さんの妹の凜さんを始め、
 色々恋敵は多いけど、
 困難は大きければ大きい程
 燃えてくるというからね。」

「成程程成。で、その友弥というのはどういう男なのだ?」

「そうだねぇ、見た目は華奢でヤサ男だけど、
 並の特体生がダース単位で
 かかっていっても指先一つ
 触れる事が出来ない程の強さを持っている。
 勿論心の強さも、だけどね。」

「じゃあ後三人だから
 ゲゲボドリンクルーレットで決めよう。」

 ここで説明しよう。
 ゲゲボドリンクルーレットとは、
 ゲゲボドリンクと呼ばれる
 非常に不味いドリンクを含む
 中身が不明の缶入りドリンクを
 参加者全員で飲む事により
 成立するルーレットだ。

 勿論ゲゲボドリンクを
 飲んでしまった参加者が
 先にこいばなをするという
 ルールなのは言うまでもない。

「と言う訳で美亜子にエクレール、
 私と一緒にゲゲボドリンクを飲むのだ。」

「判ったわ。」

「判りましたわ。」

 という訳で三人同時に
 ドリンクを飲んだ訳でラルガ……

「何とびっくりカモノハシ!!
 私がゲゲボドリンクを飲んでしまったぞ。
 これこそキングオブゲゲボドリンク、
 SASUKEに違いない。」

「あたしは無難に四ッ谷サイダーね。」

「私は甘味飲料サンダーボトルですわ。」

「じゃあ仕方がない。
 私がこれからの壮大でロマンシングで
 スペクタクルでラブリーチャーミーな
 恋愛の未来図を話すのだ。」

「未来図って……恋人とかいないの?」

「残念ながら今までにこれといって
 ロマンシングな出会いは
 一度たりとも無かったのだ。」

「そりゃあアルビルダが
 高望みしずぎやからちゃうんか?」

「ふ〜む……確かに、
 紅美の言う通りかもしれないな。
 だが私はロマンシングでエキゾチックで
 グレイトフルな恋をして見せるぞ。」

「鼻血が出そうでウポポポなお色気どころか
 お色気のおの字も無いくせに何ゆーとる。
 つーかお金がないならどんなステキな人でも
 サヨナラねとかするんちゃうんか?」

「私は変態格ゲー一族の出ではないから
 そんな事はしないぞ。
 ていうかそんなマイナーなネタをよく知っていたな。
 まあそれはそれで置いといて、
 これから私は大宇宙に跨る偉大な
 スーパーウルトラグレートデリシャスワンダフル
 ホカホカゴッドハンバーグメタルパワフルな
 海賊女帝の伝説を創る予定だからな。
 そういう事で私に相応しい漢{おとこ}を
 今から探しに行くのだ。
 と言う訳だから次の美亜子に
 面白い話をして貰うのだ。」

「え……あたし?
 ていうかあたしはマジ
 浮いた話は何も無いし。
 子供の頃から家はボンビーで
 あたしは両親と一緒に弟や妹を
 食べさせていくだけで精一杯だったから、
 そういった恋愛とかをする
 余裕ッチも全くなかったなあ。」

「絵に描いた様な灰色の
 青春っちゅーやっちゃな。
 ちゅー事で最後まで残った話し手は……
 エクレールやな。」

「私ですか?私はその……」

「確か、マリーシアさん、だったね。」

「と……朱鷺さん……」

「新参者の私の目から見てもエクレールさんと
 マリーシアさんは只ならぬ仲を察知出来るからね。」

「確かそういうのは祀梨やぼたんに聞いた話では
 専門用語で百合とかくだものとか言うと聞いたぞ。」

「成程、それは実に興味深い。
 是非ともその馴れ初めを
 聞かせて貰いたいものだね。」

「え…ええ…、判りましたわ・
 あれはあの時……私が狼牙軍団の牢屋に敵将として 
 捕まっている時の事でしたわ。
 詳しくはここをご覧ください。」

「まさに落花流水の情とでも言うべきだろうかね。
 全くもってうらやましい限りだよ。」:

 話が盛り上がっているところで
 非常に申し訳無いが、
 放送時間も有る事だしそろそろ
 次の階に進んで欲しいのだが。

「全く無粋な管理人やなあ。
 まあそろそろ次に行かなあかんのも事実やし。

<鉱山 B2F>
(大帝国BGM:列強の道をゆく)
 場所は鉱山の地下二階に移る。
 そこにはそこかしこに
 バスケットボールからバイク大まで
 様々な形をした岩がそこら辺中に転がっていた。
 それも比較的最近に落下したらしく。
 どの岩にも苔等の年代を
 示すものは見あたらなかった。

「これは何かが起きそうな雰囲気ね。」

 周りの雰囲気を察知して
 シャイラが不安を漏らす。
 実際奥底からはゴゴゴと不気味で
 この先の鉱山の奇妙な冒険が
 如何に困難になるかを暗示している。
 しかもそれらの石の中には夥しい血痕が
 べったりと付いているときたもんだ。

「ふ〜む、何か嫌な予感がするぞ、美亜子。
 そこから数歩離れてみるのだ。」

「え?…こ、こう?」

 ふとアルビルダが
 野生の感で何かを察知し、
 美亜子に立っている位置から
 数歩離れる様に指示をする。
 それに従って美亜子が
 数歩離れて十数秒たった途端…
(SE ドッスーン)

(大帝国BGM:非常事態!)
 さっきまで立っていたところに
 いきなり何の脈絡も無く、
 直径2mはゆうに有りそうな岩が落ちてきて、
 その直後に坂を転がり落ちていく。

「……どこの究極神拳やっちゅーの!!
 つーか美亜子が動いとらんかったら
 今頃最後のデスティネーションみたいに
 潰れたトマトの出来上がりや。
 もしかしてウチの頭上にも……うおっ!!」
(SE ストーン!!)

 紅美が上を見上げた途端、
 紅美の上にも有った岩が
 紅美のオツムめがけて
 一直線に落ちてきた!!
 流石に美亜子の時の様な
 大きさは無かったものの、
 上を向いて岩の存在に気づかなければ、
 命すら奪いかねない
 大けがを負っていたという事は
 間違いないだろう。

「つーかここは一体どういうところや!!?
 道理で魔物の雰囲気がせえへんと思ったら、
 今度は岩のシャワーの洗礼かいな!!?」

「これは参ったなあ……
 野猿牙殺拳の伝承者も言っていたけど、
 拳法の戦いにおいて背後頭上を取られる事は
 即敗北につながる大事だからね。」

「そんな悠長な事を言っていたら
 幾つ命があっても足りないわ。」

「ふむ……とすると一刻も早く
 この場所から他の階に移らなければならないな。」

「どうやらその様ですわね。
 ならば皆さん、ここは一気に突っ走りますわよ!!」

「応」×7

 という訳で大番長ならぬ
 アスリーテス大運動会の駆けっことなるのであった。

 まずは洞窟が牙を剥けたのは美潮だ。
 一心不乱に疾走する美潮の頭上から
 人二人分の土砂が降り注いでくる!!
(SE ヒュードッスン)

 それをいち早く察知した美潮は
 イルカの様なしなやかさと素早さで
 それらの土砂を華麗にスルーする。
(SE ヒラリッ)

 次は双ツ子の岩が
 エクレールめがけて降ってきた!!
(SE ヒュードッスン)

 その双子岩はまるで鉄アレイの様な形だ!!
 その双子岩に対して
 エクレールはアリスソードを振るって
 一方の岩を一刀両断に斬り捨てたかと思うと、
(SE シャキンッ)

 もう一方の岩を盾を振るって
 いなす様に後方に受け流す。
(SE ヒラリマントッ)

 これも琉沖王国に伝わる
 ティンベーとローチンの受け流し技術である。

 次に美亜子の目前には巨大な丸い岩が襲って来た!!
(SE ゴロゴロゴロッ)


 だが美亜子は今にも落ちてきそうな
 天井の鋭い鍾乳岩に矢を当てて落とし、
 その岩にぶつけて難をかわす。
(SE ヒュンッ)
(SE バゴンッ)

 だがそれが仇となって他の鍾乳石にも
 連鎖的に一斉に一行のオツムめがけて落ちてきた!!

「スルドイゼ、スルドイゼ、スルドクテシヌゼェ〜!!」

「ちょ、何言ってるのよアルちゃん!!」

「まるで完璧な超人のサンダーサーベルですわ!!」
(SE ヒュンヒュンヒュンッ)

 まるでテレビゲームの悪魔の城の様に
 大小の鋭い鍾乳石が降り注いでいる中で、
 八人はどうにもこうにも出来ないでいる。

「あ〜、めちゃイライラするわ!!
 こんなもんウチのマシンガンで……」

「ちょっと待った紅美さん。」

「何や朱鷺!?」

「ここでマシンガンをぶっ放したら
 その衝撃でさらに状況が悪くなる可能性が高い。」

「やったらどうせいっちゅーんや!?」

「琉沖でハブの群に囲まれた場合、
 まずは冷静に動かずにいる事だ。
 ハブの群がいるところは
 大抵泥の沼で体温が下がる。
 体温で獲物を察知するハブには
 見つからないという寸法だ。
 そこでハブの群が隙を見せたら、
 一気に逃走するもよし、
 一網打尽にするもよし……、
 ここはひとまず冷静に時を待つんだ。
 待っていればいずれ必ず隙が出来るはずだ。」

 そして朱鷺の言葉から待つ事半刻……
 やっと鍾乳石の攻撃が緩やかになってきた。

「今だ、みんな今のうちに急ぐんだ!!」

 朱鷺の合図と共に八人は
 スーパーダッシュで洞窟の中を駆け抜けていく。
 さっきの雨霰{あめあられ}の時と違い、
 何とか通り抜けそうな感じであるものの、
 まだまだその勢いは油断がならない。

(SEオドドドド)
 ここで「オドドドド」という大轟音が聞こえてきた。

「ていうかこの音は一体なんだい?」

「恐らくは今までのものとは比べものにならない程の
 巨大な丸い岩が我々めがけて
 坂道を転がり落ちてきたのでしょうね。」

「何冷静沈着に状況を分析しとんねん!!」

 まるでインディアナ=ジョーンズの
 映画に出て来そうな直径十m近く有る
 巨大岩が凄まじい速度で
 八人めがけて坂を転がり落ちてくるではないか!!
 勿論これに押しつぶされれば
 JAMが主題歌のエロゲーとは
 比べものにならないくらいの
 グロテスクな描写が行われるのは
 ほぼ間違いないだろう。

「やはりここはアルビルダ海賊団伝統の
 作戦を採るしか無い様だな。」

「それって?」

「とっとと逃げるのだ!!どけどけ石ころ共〜!!」

「うわぁ〜、やっぱりそうだったぁぁぁぁぁぁ〜ん!!」

 まあこんなに大きいんだから逃げるしかないっしょ。
 必死で坂道をトンコし続ける八人に対し、
 巨大岩は飽くまで無情に転がり続けてくる。
 いくら八人が選りすぐりの特体生でも
 体力と気力と身体能力には限界が有るもの、
 次第に徐々にではあるが、
 八人と岩の間の距離は確実に縮まりつつあり、
 最悪の事態になるのも時間の問題であった。

「みんな聞いてくれ!!
 私には今の状況を打破出来る
 凰火流の秘儀が有る!
 だがそれを使うには
 あの巨大岩を数十秒、
 いや……十数秒でいいから
 止める必要が有る。」

「それでウチらにアレを止めいっちゅーんか!?
 アホいいな!!んな事出来っか!!」

「いや、丁度目の前の通路には岩の突起物が有る。
 それにぶつかれば岩の勢いは大きく削がれる筈だ!!
 その時に七人で巨大岩を一時受け止めてくれ!!」

「分かったよ、でもなるべく早く頼むよ!!」
「分かった!!」

 すると間もなく巨大岩が
 朱鷺の言う通り突起物にぶつかった。
 勿論突起物は粉々に粉砕玉砕大喝采されたが、
 明らかに勢いは削がれていた。
(SE ベキッッ)

 そこに七人が力を合わせて
 その巨大岩を食い止める。
 しかし食い止めた瞬間から
 七人の手には血が流れ出て、
 額からは汗が滝の様に流れており、
 少しでもタイムオーバーすれば
 かのヨーゼフの様になるのは間違いない。

「みんなありがとう!!これで準備は整ったよ!!」

 そう言うやいなや朱鷺は跳躍により
 岩の天辺に辿り着く。
 そして朱鷺は巨大岩の表面部分を
 丹念に手のひらでなぞり始める。

「ちょ、何遊んでいるんだい!!?
 アタシ達がこんなに
 ヒーコラヒーコラバヒンバヒンに
 なってるってのに……!!」

「もう少し待ってくれないか、アイレーンさん。」

 そして朱鷺が岩の表面部分を
 なぞり初めて十数秒した時……

「把っ!!」
(SE ズシュッ)

 いきなり朱鷺は気合いと共に
 手刀を巨大岩に突き刺す。
 すると巨大岩は突き刺した部分から
 徐々に亀裂が入り始め、
 朱鷺が岩の天辺から離れて
 地面に降りると同時に
 粉々になって潰れてしまった。
(SE バラバラバラッ)

「朱鷺さん……これは一体!?」
「この技かい?この技は凰火流の秘儀の一つ
 核壊央{かくかいおう}だよ。」

核壊央
爆砕点穴{プルッツフォン・ポイント}と呼ばれる
物体の臍とでもいうべき分子集合体の一番弱い箇所を見極め、
手刀の一撃で粉々に粉砕する。
666+KK(ゲージ消費1 ガード不能)

爆砕点穴{プルッツフォン・ポイント}
この世に存在する全ての物体は分子の集合によって成り立っている。
その中でも鉱物は特異な構造を持ち、
その分子集合体の凝集力の一番弱い箇所に衝撃を与えると、
その分子間の連鎖反応により極めてたやすく物体は破壊される。
この物体の臍とでもいうべき箇所は、
学術的にプルッツフォン・ポイントと呼ばれる。
たとえば地球上で最強の硬度を持つダイヤモンドにおいても、
そのプルッツフォン・ポイントを見極めれば、
鑿の一撃で一瞬にして粉々にすることも可能である。
しかしこのポイントを見つけるのは至難の業であり、
先に例を出したダイヤモンドのカット職人でも
30年近くの修行が必要だという。

「プルッツフォン・ポイントを見つけて
 ある程度以上の衝撃を与えれば
 岩は簡単に粉砕できるのさ。」

 取りも直さず、
 巨大岩という難関を乗り越えた八人は、
 鉱山のB3Fに駒を進める事となるのであった。




アイキャッチ
マチルダ=マテウリ
 「本編で仲間にならないならマグナムを出せばいいんですよ。」


アイキャッチ
河野 美潮
 「……それは我々に対する嫌味ですか?」

<鉱山のB3F>

(大帝国BGM:列強の道をゆく)
 場所は鉱山地下三階に移る。
 地下一階や地下二階の時と違い、
 極平凡な洞窟ではあるが、
 どこかに一種の雰囲気が
 漂っている階層でもある。

 実際、それを暗示するかの如く、
 周りからは地獄の底から
 沸き上がってくるかの如き
 異様で異常な物音がしてけつかる。
 目の前に明確な敵がいるのなら
 幾らでも対処出来るものの、
 どこでどういう原理で鳴っているか判らない
 異様な物音だと対処の仕様が無いのである。
(SE ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ)

「ホンママジ鬱陶しいわ。
 目の前にはっきりとした敵がいるんなら
 ウチのマシンガンで
 蜂の巣にしたるところやのに
 こうも敵か味方かどんなんが
 原因か判らん音を出されたら
 ノイローゼになってしまうで。」

「古代中帝国より続く拷問の一種に、
 対象を動けなくした後で
 一定間隔で額に水滴を垂らすというものがある。
 一定のリズムは脳波を微妙に狂わせて
 幻影と現実の境界を薄れさせ、
 どんな強情な者でも精神に異常をきたすか
 思いのままの事を白状するという。
 確かにこういった物音を絶え間無く聞かされると
 精神の方がおかしくなってくるからね。」

「それやったら耳栓でもすればええんや。」

「いや、耳栓をすれば必要な音までも聴こえなくなる。
 前の階でも色々猛獣だのモンスターだのがいたから
 この階層でもそういった連中が出没る可能性は
 非常に高いとみて間違いは無いだろう。
 只でさえ視覚的情報は限られているというのに
 これらの敵の接近を感知するのに
 重要な要素の一つだから
 耳栓をするのは非常に拙いと思うよ。」

 紅美の耳栓の案に対し、
 朱鷺がその問題点を指摘する。
 実際朱鷺の指摘通り、
 周りからはモンスターや猛獣ではないものの
 原生動物の唸り声や足音等が
 微かだが聞こえており、
 これら原生動物に紛れて
 悪意ある猛獣やモンスターが
 襲って来ないとも限らないのである。

「確かに……用心に越した事は有りませんわね。」

「ふむふむ、成程程成。ならばこうしよう。
 遠距離攻撃専門の美亜子や紅美を中心に
 円陣を組みながら敵の襲撃に
 備えながら進軍していくのだ。
 少々遅くなるが、安全性は格段に高くなるぞ。」

 という訳でアルビルダの出した案に従い、
 八人は円陣を組んでこれからのクエストに
 挑んでいく事となるのであった。

「まあ心配するな。
 私の故郷では海賊の常識の一つだ。」

 一行はこれより円陣を組んで
 前進していく事になるが、
 実際この円陣は正体不明のノイズが周りに響く中で、
 外敵の襲撃に対して非常によく機能しており、
 後ろからバックアタックを仕掛けてくる敵、
 暗闇から不意打ちを仕掛けてくる敵、
 その他あの手この手で襲い来る敵を
 縦横無尽に無双していくのである。

(大帝国BGM:一斉射撃−呂)
「見れ。これが私の有頂天!!」

 アルビルダのヒートホークによる技
 こっ、これは誰も近寄れませんッッッ!!!
 はサイクロンの如く敵を蹴散らし、

「桜花の如く散るがよい!!」

 朱鷺の破流掌は敵に
 円陣に付け入る隙を与えずにいなしながら
 さながらドミノ倒しの如く敵を倒していき、
 そしてそれを美亜子の放つ矢が
 地味にサポートしていっている。

こっ、これは
誰も近寄れませんッッッ!!!
ヒートホークをやたらめったら振り回す技。
4(貯め)6+P

「しかしなかなか敵が減りませんね。
 ここは一つ敵の本拠地をたたく事も
 視野に入れておくべきかと。」

「いや……こういう手合いの連中は、
 群れを統率する首領{オサ}を倒してしまえば
 残りの連中は一目散に退散していくだろう。
 ここは機動力に優れた私とエクレールさんが
 カチコミを仕掛けていって
 群れの内部の首領{オサ}の
 首級を穫る戦法の方がいい。
 みんな、迫ってくる敵への対応は頼むよ。
 じゃあ行こうか、エクレールさん!!」

「ええ!!」

 そういうや否や朱鷺とエクレールの二人は
 襲い来る敵をそこそこにカール=ルイスや
 自転車に乗った中野浩一顔負けのスピードで
 敵の渦中に突っ込んでいってかき回していく。
 そしてそれを援護するのは
 美亜子とシャイラと美潮と紅美であり。
 そして後衛を支えているのが
 アイレーンとアルビルダだ。
(SE ズビズバズビュアアアア)

 そうこうしているうちに二人は
 魔物の群れから一匹の首領{オサ}
 らしきボスをハケーンする。
 その首領{オサ}はまるで
 巨大な蛙そのものであり、
 その体にはところどころに
 直径1メートル以上のボール状の
 Bストーンが埋め込まれており、
 そして体そのものは
 10メートル近くにまで達する巨躯だ。

「成程……元は只の巨大蛙が
 Bストーンの力を得る事でここまで
 肥大化して化け物になったというクチか。
 在り来たりの表現だけど
 とても一筋縄ではいかないね。
 ここは地道にあの巨大蛙……
 Bビーストとでも言っておこうか、
 のBストーンを一つずつ切り取っていく事で
 弱体化を計るしか方法がないだろう。
 私がBビーストの相手をして
 気を逸らしているうちに
 Bストーンの切り取りを頼むよ!!」

「ええ、判りましたわ!」

 朱鷺はそう言うと悠然と
 Bビーストの前に立ち塞がり、
 そして手招きをして挑発伝説をする。
 Bストーンで力を得たものの
 オツムが弱いままのBビーストは
 いとも簡単にその挑発に乗り、
 朱鷺に向かって突進してくる。

 勿論そのテレフォンタックルを
 かわせない朱鷺ではなく、。
 いとも簡単に軽やかにかわす。
 そしてその隙をついてエクレールが背中に乗り、
 そこに埋め込まれたBストーンを斬り取るべく
 アリスソードを突き立てる、
 だが当然ながら巨大な肉厚に阻まれて
 なかなか斬り取る事が出来ず、
 それはもう斬り取るというよりは
 抉り取るといった表現が的確な行為である。
(SE ボヨヨンボヨヨン)

 そうしているうちにもBビーストは
 徐々に朱鷺を追い詰めていき、
 遂にはその長い舌で朱鷺の体を
 ぐるぐる巻きにして絡めとってしまう!!
(SE グルグルッ)

 これで飲み込まれれば
 一巻の終わり…というところに、
 エクレールが漸く斬り取ったBストーン球を
 Bビーストの目玉めがけて
 投げつけて強打させる。
(SE ストライクッ)

 目玉にBストーンをもろ食らったBビーストは
 思わず朱鷺を放して身悶える。

 その隙をついてエクレールは
 二つ目のBストーンの斬り取りに移るが、
 敵もさるもので苦痛と焦りから
 しっちゃかめっちゃかに暴れまくり、
 容易に斬り取らせようとはしない。

 だがその時である。
 一本の矢がBビーストの左目に命中し、
 その直後に大剣の斬撃がBビーストを襲う。
 それらの攻撃を仕掛けた張本人を見ると……
 美亜子にアイレーンがいた。
(SE ヒュンッ)

「みっちゃん!中隊長!」
「あんまりトロトロしているもんだから
 つい来ちまったよ。
 大丈夫かい、朱鷺、エクレール?」

「え、ええ、大丈夫ですわ!」

 そして返事をするや否や、
 エクレールは隙を作った
 Bビーストの背中に飛び移り、
 Bストーン球を斬り取る。
(SE ジョリッ)

 力の根元であるBストーン球を
 半分取られてしまったBビーストは
 目に見えて弱体化しており、
 エクレールと朱鷺に加え、
 アイレーンと美亜子が加わっては
 勝ち目が有る筈も無く、
 多少の抵抗はするものの
 逢えなく轟沈してしまう。
 ところがどっこいである。
 Bビーストを退けたにも関わらず、
 一向に魔物軍団が退却しないときたもんだ。

「何やて!?今更なにを言ってけつかんねん!?
 まるで限界まで息を止めて息をしようと思うたら
 首を絞められた様なシチュエーションや!!」

「とりあえずは戦力の分散を避ける為に
 一カ所に集まった方がいいと思うが。」

「もう集まっているぞシャイラ。」

「ていうか異様に早いわね、アルビルダ。」

「放送時間の関係であまり時間は割けられないからな。
 で、これからどうするのだ?」

 アルビルダがこれからの
 行動の指針をシャイラに問う。
 目の前には魔物の群れが押し寄せており、
 後ろにもゾンビの群れが
 わんさかと押し寄せているのである。

「ちょっと待ってアルちゃん。
 もしかするとこいつらの首領{オサ}は
 Bビーストじゃなくて
 他にいるんじゃないかしら?」
「だとしたらその首領{オサ}の
 居場所を突き詰めてとっちめるまで
 私達はこいつらとエンドレスで
 戦わなくちゃいけないのか?」

「もし本当の首領{オサ}がいるならそうなるわ。
 そもそも本当に首領{オサ}が
 いるのかどうかの保証すらないけど。」

(SE ゴゴゴゴゴゴ……)
「ところで美亜子、
 さっきから聞こえてくる異様な音が
 更に大きくなっている気がするぞ。」

「確かにさっきから気になっていたけれど、
 これって水の流れっぽく聞こえない?
 それも川の流れの様にな緩やかなものじゃなく、
 もっとこう激流葬みたいなドドドって感じの。
 しかもだんだんとつよぽん、
 もとい強くなっている感じで……」

「美亜子、それは重大なフラグに違いないぞ。
 たぶんこれからとんでもなく
 バッドなイベントが起こって、
 私達はそれこそスーパーでハイパーで
 スペクタクルな試練に挑まなければならないに
 違いないのだー!」

「何それ……って言ったそばから
 そのスペクタクルな試練が
 前から迫ってきてるーゅ!」

「え!?」×7

(SE ゴゴゴゴゴゴ……)
 美亜子が指さしたその先には
 何と膨大な量の水、
 つまり平たく言えば洪水が
 目の前に迫ってきているのである。

「これは好都合だ。敵が残らず一掃されてしまうぞ。」

「何言ってんのよアルちゃん!!
 あたし達も洩れなく一掃されるのよ!!」

 そりゃそうだ、ここは狭い洞窟、
 一気に大量の水が流れ込んだら
 敵味方関係無く一掃され……
 って敵が一匹もいなくなってるゥーッッ!!

「成程、どうやらあいつらの
 本当の首領{オサ}がこの洪水を仕組んで、
 そしてあいつらを避難させたというクチだね。
 でもこれで本当の首領{オサ}がいるという事が
 明らかになった訳だ。
 後は首領{オサ}がどこにいるのかを特定出来れば……」

「ちょ、朱鷺さん、そんな悠長な事を言っている場合じゃあ……!!」

 ここで朱鷺の妙に冷静な洞察に対して
 エクレールのツッコミが入る。
 そりゃあまあ首領{オサ}の
 存在や場所を突き詰める事よりも、
 その前にどうやってこの状況を切り抜けるかを
 考える方がどう考えても先決だからだ。

「そんなん決まっとる!!
 三十八手を決め込むしかあれへんやろ!!」

 まあそりゃあそうだよな。
 だがここで一つの問題が浮上する。
 八人の機動力は並の特体生以上の
 ものを持っているものの、
 洪水はその機動力を圧倒的に上回る速度で
 迫ってきているのである。

 とどのつまり普通にトンコしていたのでは
 すぐに追いつかれてドザイ・モーンに
 なってしまうという事だ。
 しかし今の八人では
 この状況をどうする事も出来ず、
 あえなく全員洪水に飲み込まれてしまう。

<鉱山のどこか>
(大帝国BGM:未知なる世界)
 場所は変わって鉱山のどこかに移る。
 そこは運良くドザイ・モーン溺死を免れた
 美亜子と朱鷺が倒れ伏していた。

「つつつ…ここはいったい何処かしら?」

「さあ……それよりも早く他のみんなの安否を
 確認するのが先だと思うんだが……」

 そういって周りを朱鷺は見渡すが、
 自分が今何処に飛ばされたのかを
 確認出来る様なものは何も無く、
 そして自分達二人以外には誰もいない事を
 確認するに留まるだけだった。

「取りあえずはじっとしててもしょうがない。
 美亜子さん、コンパスをもっているかい?」

「コンパス?ええ、持っているわ。」

 そう言うと美亜子は懐からコンパスを出すが、
 それを出した途端、
 針は忘年会の帰りの課長よろしく、
 ぐるぐる廻るだけで全然意味を為していない。

「これは参ったねえ。
 恐らくこのB鉱山には磁石を狂わす
 Bパワーか何かが働いているんだろう。」

「こうなったらダンジョン探索の奥の手、
 右手づたいに進む方法を採るしか無いわ。
 幸いマッピングノ道具は揃っているし。」

 と言う訳で二人で鉱山の再クエストに
 乗り出す事となった訳だが……
 これまでの疲労家達郎に加えて
 洪水で体温が奪われた上、
 水浸しになって重さを増した
 服を纏ってのクエストは
 二人に想定外の重量としてのし掛かってく。
 そしてその二人の前に現れたる者は……
 こちらもずぶ濡れになった紅美だ。

「紅美さん!!」×2

「朱鷺に美亜子かいな。会えてよかったわ。
 ウチも一人で心細かったところや。
 弾丸も半数は洪水で使いモンにならへんし。
 取り敢えずはこのずぶ濡れのベベと体を
 どうにかせん事には始まらへんけど、
 火種も燃料もあら変から往生しとるんよ。」

「それじゃあまず広い場所と燃料を探さないと……

「とは言ってもそう簡単に燃料が手に入る訳でも……」
「あ……」

 何とここで最後の頼みの綱である
 懐中電灯が電池切れを起こしてしまった!!

ざんねん!!
8にんのぼうけんはここで……


「終わるかいアホー!!
 取り敢えず落ち着くんや。
 迂闊に動いたらしんのゆうしゃみたいに
 足を滑らせて頭をシコタマ強打して
 あの世におさらばやからな。」

「取り敢えず二人共私の後ろをついてくるんだ。
 私は凰火流の修行の末に
 白鷺の如く心の目で物事を見る事が出来る。
 まずは灯りの元となるものを探さない事には
 にんともかんともいかないからね。」

 真っ暗闇の中三人は朱鷺の誘導の元、
 クエストを再会していく。
 だが手探りのクエストである事と、
 その際にも敵とエンカウントする可能性が有る事から
 速度は非常に落とさざるを得なくなる。
 そしてまた十数分程クエストを続けていた時である。

「おお、そこにいるのは美亜子に紅美に朱鷺!」

 ここで現れたのは何とアルビルダだ。

「アルちゃん!!」

「助かったよアルビルダさん。
 これで足を滑らせて頭を強打して
 ざんねん!な結果にならずに済むよ。」

 朱鷺の言うとおり、
 ヒートホークとヒートシールドという
 照明の手段を持つアルビルダの復帰により、
 現在の状況はかなりマシになったと言える。

「ところでアルビルダ、
 ここら辺で暖を取るのに丁度ええ燃料になる
 ものを見かけんかったか?」

「それならもう少し行ったところに木材の山が在ったぞ。」

「多分まりもちゃん達が途中まで掘り進んで
 諦めた際に出た木材じゃないかしら。」

「そんな事はどうでもええから、
 さっさとその木材の山が在るところに行こうか。
 このままやとホンマに凍死してまうで。」

<鉱山 木材の山がある場所>
 場所はその木材の山のある場所に移る。
 そこは錆びて動かなくなった削岩機と
 鶴嘴の群れと木材の山があった。
 恐らくはまりも一行はここまで進んで
 これ以上の採掘は無理だと判断し、
 放棄していったものだと思われる。

 木材を見る限りでは
 暖を取るための燃料としては
 十分とは言えないものの、
 湿気などによる
 着火機能の低下もさほど無く
 洞窟内に静かに鎮座していた。

「ところでどうやって火を付けるんや?
 ここにはライターも
 汚物を消毒するモヒカンもおれへんで?」

 ここで紅美の問題提議が入る。
 確かに松明すら何も無い現状では
 某かの発火手段を見つけない事には
 目の前の潤沢な燃料は
 只のゴミの山としてしか
 機能しないのである。

「ん〜……じゃああたしの弓と矢で
 発火装置を作れないかしら?」

 そう言うと美亜子は
 弓と矢で縄文時代に使われていた
 火起こしに酷似した即席の道具を作る。

「成程、そういう手が有ったか。
 何事も創意と工夫とは良く言ったものだ。」
そして美亜子の作った
 即席の火起こしの使用により暖が確保され、
 四人は漸くずぶ濡れのバッドステータスを
 回復する事に成功する。

「取り敢えずは助かったのだ。
 これも美亜子のお陰だな。」

「まああたしはボンビー生活が長かったから
 手元に有るもので何とかしていかなきゃならいし、
 こういった創意工夫はお手のものよ。」

「成る程、いわゆるお婆ちゃんの知恵袋の様なものだね。」

「まずは一段落したけどこれからどうするん?
 他の四人とも合流せなあかんし、
 そもそもここがどこなのかもわからん状態や。」

「取り敢えずここは
 採掘場の作業を中断した所だから、
 これから先には進めそうに無いだろうし、
 一旦戻るというのも……」

「志村、うしろうしろ」

何だいアルビルダさん、後ろに何が……
 これはこれは……厄介な招かざるべき客が
 来たと言うべきか……。」
(SE グルルル……)
 突如アルビルダが朱鷺の後ろに
 何者かが存在していると指摘する。
 その指摘に応じて朱鷺が後ろを見ると……
 何とそこにはさっきのBビーストよりも
 更に巨大な大怪獣が殺る気満々むき出しで
 鼻息も荒く臨戦態勢に入っていた。

「ちょ、朱鷺さん落ち着いている場合じゃないでしょ!!」

「そう言えばそうだったね。
 飛びかかる火の粉は何とやら、
 やるしか無い様だ…!」

<鉱山の何処かその2>
(大帝国BGM:非常事態!)
 ここでいきなり何の脈絡もなく場面が変わる。
 そこでは坑内で起きた洪水が未だに続いていた。
 そしてエクレールが流されているではないか。」」

(SE ゴゴゴゴゴゴ……)
 重い鎧を装備しているエクレールは
 真っ先にドザイ・モーンに
 なるかと思われていたが、
 ティンベーとローチンの
 技術を駆使する為に
 特注で作らせた盾は頑丈な上に軽く、
 しかも形状は水難事故の時に使う
 救命道具として最適である為、
 エクレールは盾を救命道具代わりに
 何とかドザイ・モーンになるのを凌いでいた。

 だがこのままではいずれは
 ドザイ・モーンとなるのは
 時間の問題だと言える。
 だがそこに激流をものともせず
 泳いで来る者がいる。
 それはよく見ると美潮であった。

 さすがは海賊だけあって
 巧みな泳法で激流をものともせずに
 泳いでいるが、
 流石に長時間の水泳はキツいらしく、
 顔から露骨に疲労の色が見えており、
 こちらもいずれドザイ・モーンになるのは
 時間の問題である。

 ここで美潮のもとに一本のロープが。
 美潮は文字通り
 藁をも掴む心境でそれを掴むが、
 ロープはバカ長いだけで
 別にどこに繋がっている訳でもなく、
 美潮はドザイ・モーンと
 なるまでの時間を……と思ったら、
 いつの間にか横に自分と同じく
 ドザイ・モーンとなるまでの時間を
 過ごしているエクレールがいた。

「美潮さん!?」

「いいところに来ました、エクレール。
 早速ですがこのロープの先を
 アリスソードの束に結んで下さい。」

「こ、こうですか?」

「ええ。次はあの天井の
 岩と岩の間にそれを投げて下さい。
 そうすればアリスソードが引っかかって
 命綱が出来ます。」

「判りましたわ。」

 エクレールは美潮の指示通りに
 アリスソードの束にロープを括り付け、
 岩と岩の出っ張り間に投げつける。
 一応は思惑通り
 命綱となったと思ったものの、
 岩の耐久度が思ったよりも脆く、
 とても二人分の体重を支えれる程の
 頑丈さは持ち合わせていなかった。
(SE ヒュン、ガッ)

 その時である。
 その岩が崩れたかと思うと、
 その下の洪水の流れが
 いきなり渦潮に変わる。
 どうやら崩れた岩が
 栓の役割を果たしていたらしく、
 その渦潮は洪水の水を
 一気に飲み干していく。
(SE ズズズズズズズ……)

 勿論エクレールや美潮も
 その例外では無いと思われていたが、
 とっさに美潮が機転を利かして
 別の岩にロープを巻き付け、
 二人は何とか事無きを得る。

(大帝国BGM:未知なる世界)
「何とか凌げましたね。」

「ええ……でもここが何処なのか、
 他の皆さんが何処に
 おられるかも判りませんし、
 迂闊に動く訳には参りませんわ……。」

「それよりも先ずは疲労の回復と
 体を乾かす場所を探しましょう。
 今のままでは碌に戦闘も出来ませんし、
 それらを考えるのは
 それからでも遅くない筈です。」

「ええ。」

 疲労回復と暖を取る場所を確保すべく、
 二人は行動を開始する。
 だが折悪しく懐中電灯が
 さっきの洪水により
 オシャカになってしまう。

 幸い、ポッケのライターが生き残っており、
 それで即席の松明の作成に成功するが、
 恐らく持って十数分であり、
 その間に本格的な灯りの確保、
 あるいはその本格的な灯りを
 確保する為に残された時間である
 十数分を延命する手段を
 得なければならないのである。

 と言っている側から
 獲物の臭いを嗅ぎつけて来たのか、
 獰猛な獣の群れが二人を取り囲んでいた。」

「降り懸かる火の粉は
 払わなければいけませんね。」

「ええ、本物の火の粉ならば、
 松明の火種になるんですが……」

 そうこう言っているうちに
 気の早い獣の一匹が
 美潮に襲いかかる。
 だが美潮はそれに対して
 背中に背負っている
 仕込み刃付きの舵を振るい、
 その獣を一瞬にして屠り去る。
(SE ヒュンッ)

ミストファイアー
仕込み刃付きの舵による居合斬り。
4(貯め)6+P

 それを合図とするかの如く、
 周りの獣の群は
 一斉に二人に襲いかかる。
 本来ならばこの程度の敵ならば
 この二人で十分対処出来るが、
 今の二人は疲労困憊な上にずぶ濡れ、
 服の水分が二人の体温と体力を
 徐々に削っている状態なので、
 この程度の敵にも手こずらざるを得ない
 状況に陥っている。

だがそこに剛剣一閃、
 アイレーンが入ってきた。
 そして間髪を入れずに
 シャイラの鞭の一撃が
 くわわるくわわる。
(SE ヒュンッズバッ)

「アイレーン!!」

「シャイラさん!」

「やれやら、やっと合流出来たと思ったらまた敵か?」
「取り敢えずこいつらを片づけるのが先決だわ。」

 この二人が加わって
 四人パーティーになった今、
 どう足掻いても獣側に勝機は無く、
 多少抵抗するものの
 呆気なくケチらされてしまいま。

「まあこれで四人揃った訳だけど……
 これからどうするんだい?」

「そうですね……アイレーン、シャイラ、
 今までの道中に何か場所を特定する
 目印になる様なものがありませんでしたか?」

「いや、特に何も……
 そう言えば広い空洞に放置されていた
 機械の様なものがあったわね。
 確かこの先の道を進んでいったら有るわ。」

「しかし我々に残された時間は
 この松明の火が消えるまでの
 間しか有りませんよ。
 無闇やたらと動いている時間は……」

「けどこんなところで
 グダグダしていても仕方が無いわ。
 動かなくても松明は消耗するんだし、
 ダメ元でそこに行ってみるのも
 いいんじゃないかしら?」

 確たる情報が無いという理由で
 自重する様にとの美潮の意見に対し、
 シャイラが一か八かのカウンターで
 そこに何かあるかも知れないで
 そこに行ってみようと主張する。

 そうやって議論していくうちに
 頼みの綱の松明は
 どんどん消耗されていく。

「仕方がありませんね。
 では一度そこに行って見るとしましょう。」

<鉱山 機械が不法投棄されている場所>
 場所はその機械が
 不法投棄されている場所に移る。
 そこは辺り一面中重油が散乱しており、
 かつてはここでこれら
 不法投棄されている機械を
 その重油で動かしていて、
 何者かがここで某かの作業を
 していた事を物語っている。

「気をつけて下さい美潮さん、
 もし松明の火が重油の燃え移ったら
 辺り一面火の海になりますわ。」

 その重油に松明の火が燃え移ったら
 どういう事になるかと心配したエクレールは、
 フラグを立て……もとい美潮に忠告する。

「そうですね……これは恐らくベルトコンベアー、
 そしてこれらは削岩機と運搬用の軽トラ、
 といったところでしょうか。
 察するに削岩機で岩盤を掘り進み、
 それらの岩をここにある
 ベルトコンベアーでトラックに運んで
 そしてトラックで地上まで運ぶといった
 作業を続けていたのでしょう。
 幸い作業員の為のランプや
 暖を取る為の燃料としての木材や紙類、
 更には毛布もありますし、
 取り敢えずは体を乾かして
 疲労を取る事が先決かと思いますが。」

「確かに美潮の言う通りだね。
 特にアタシやエクレールは
 デカい鉄の塊を背負い込んでいる
 様なもんだからその方が助かるよ。」

 という事で一行はここで
 焚き火をする事になるのであった。

「ここで暫らくは休憩するとして、
 まずはここがどこなのかを
 把握しておかない事には
 一歩も話が進まないと思うわ。」
「恐らくここは鉱山の中で
 もかなり奥に進んだ場所ですね。
 あれを見て下さい。」

 美潮が指さした先を見ると、
 そこには移動可能で簡易的な
 ガソリンスタンドの様な設備が整えられていた。
 尤も今となっては設備は錆び付いており、
 既に本来の機能を喪失してから
 長い年月が経っている事を如実に示唆している。

「恐らくはあのトラックやベルトコンベアーの
 動力の為に用意されたのでしょう。
 入り口から余りにも遠い為に
 石を積んで入り口まで戻る
 ガソリンが不足するから
 こうやって帰りのガソリンを入れる為の
 移動型ガソリンスタンドが
 設けられたのでしょう。
 つまりここは鉱山でも
 かなり深いところだと思われます。
 幸いにもトラックのタイヤの後を付けていけば
 地上に帰る事は出来るかと。」

(大帝国BGM:諸国跳梁)
 そうして焚き火の周りを囲んで
 約半刻程した時である。
 突如洞窟の中の暗闇から
 この世のものとは思えぬ
 邪悪な気配がするのを
 四人は感じ取る。

 いな、気配どころではない。
 その暗闇からは常人でも
 はっきり肉眼で確認出来る程の
 禍々しき樟気が滲み出ていた。
 そしてその樟気を纏って
 暗闇から二人の人影が現れる。

 よく見ると二人揃って少年であり、
 更によく見るとそのうちの一人は
 ナイトメアアイズの黒幕で、
 斬真狼牙とのタイマンで
 見事に成敗された筈のプラム=バトリー。

 そしてもう一人は中帝国最後の皇帝で、
 当時の日本海軍長官東郷毅八郎によって
 地位を追われた挙げ句、
 恨みを持った部下によって毒殺されたと
 歴史の教科書に記載されている
 少年皇帝シュウである。

「人間……しかもナオンが四人か。」

「だが朕の好みに合いそうな者はおらぬ。
 そこの舵を背負っておる女や
 サチコ・センターズみたいに盾を持っている
 青髪の女は世の守備範囲とやや近いが、
 だが朕の好みではない。」 

「ナイトメアアイズの黒幕の
 プラム=バトリーに……
 歴史教科書に書かれてある
 皇帝シュウ……ですね?」

「如何にも。」×2

「さてナオン共、
 貴様等がどういう目的やどういう経路で
 この山に入ってきたのかゲロって貰おうか。」

「ていうかシャイラさん、
 あの二人足がありませんわ。」

「まあそうだろうね。
 チビすけの皇帝は昔の人物だし、
 プラムの方は狼牙に成敗されたから、
 差し詰め幽霊といったところね。
 言う必要は無いけど
 取り敢えずの目的は、
 ここにBストーンが大量に
 眠っているという噂があるから
 それを確認しようとしているのよ。」

「成程程成、もしその話が本当ならば、
 我々の華麗なる卷土重来の為の
 大いなる軍資金に成るであろう。
 そうと判ればナオン共、
 貴様らには消えて貰うとしよう。」

「少し待つんだプラム。」

「何だシュウ?」
「卷土重来するにせよ、
 我々二人だけでは心許ない。
 どうだお前達、
 我々の下僕{しもべ}にならないか?」

「ハァ?」×4

「プラムから聞くところによると、
 お前達は大番長本編では
 プラムと同じで四人揃って
 仲間に出来ないと聞く。
 奇遇な事に朕も
 ルーズやヒムラーやぴえとろと同じで
 大帝国本編では仲間に出来ない。
 
《中帝国との和平》
 という思わせぶりで意味の無い
 イベントまで用意しておきながらな!!
 しかも公式サイトでランスクエストの
 マチルダ=マテウリと同じく
 きっぱりと仲間にならないと
 名言までされている!!
 マチルダはランス9以降で
 まだ仲間に出来る可能性が
 有るからいいものの、
 全く持って理不尽な話だと思わんか!?
 ならば我らの下僕として報復の鉄槌を……」

「だが、断る!!」×4
 シュウの巧みな勧誘に対して四人は
 漫画家みたいな拒絶の答えを返す。
 つーかマチルダやパステル母娘や
 サーナキアやちぬ(以下略)は
 マグナムや非公式パッチで仲間になるだよ。

「ななな生意気なナオン共め!!
 我々の優しい申し出を断った事、
 地獄でマンモス後悔するがいい!!
 つーかマグナムみたいな
 便利なものがあったのか!!」

<鉱山 木材のある場所>
(大帝国BGM:一斉射撃−波)

 その頃残りの四人は
 巨大な大怪獣と対決していた。
 しかし紅美のマシンガンの弾丸は
 半数が洪水により
 使いものにならなくなっており、
 美亜子の矢のストックも
 底をつきかけており、
 実質戦力と言えるのは
 朱鷺とアルビルダの二人である。

 大怪獣の表皮には剛毛に混じって
 巨大なBストーンが複数埋め込まれており、
 この大怪獣がBビーストと同じく作意的に
 何者かによって作られた
 存在である事を示唆している。

 しかしアルビルダの
 肉厚のヒートホークの攻撃も
 徒に表皮のみを斬り裂いて
 致命傷には程遠く、
 朱鷺の精妙な体術も
 体格差に圧倒される小兵の如く、
 巨体と力技の前に無効にされている。

「まるで鶴嘴一本で
 氷山を掘っている感覚なのだ〜!!」
「それもそうだね。
 まるで筋肉の固まりが一直線に
 向かってきているのと同じだからね。」

 しかしそれだけでは無く、
 ヨガ行者の如く口から炎を吐いたり
 巨躯に似合わぬ俊敏かつ巧妙な動き、
 巨大な口に備えられた鋭い牙、
 巨大な四肢の先から覗いている凶暴な爪、
 そして何故か先に蠍の様な針までついた尾、
 そしてそららを自在に操る大怪獣は
 暴れるだけでも二人を圧倒しており、
 今の満身創痍の二人には
 少し荷が重すぎるのである。
(SE ボオッ、ズバリッ、シャキッ)

「ところで紅美、美亜子はどうしたのだ?」

「あれ?何処にもおれへんやん!?
 まさかトンコ…いや…
 こいつからトンコするんは
 大魔王からトンコする以上に
 至難の業やから……
 もしかしてこいつに捕食されたとか…!?」

 そうこうしているちにも、
 大怪獣はじりじりと朱鷺を追い詰める。
 凰火流の合気術も十トン単位の巨躯には
 まるで子供の児戯扱いされ、
 アルビルダのヒートホークも分厚い肉厚の前には
 文字通り蟷螂の斧である以上、
 今の二人に大怪獣にダメージを与える術は
 殆ど残されていないのである。

「これは尋常な手段では
 ダメージは通らないと見るべきだろう。
 そういう事なら……アルビルダさん、
 ここは乾坤一擲の一撃を
 急所にたたき込むしかないね。」

「そういう事なら任せるのだ!」

 一方大怪獣の胃袋に飲み込まれたと
 思われていた美亜子は……
 本当に飲み込まれてやんの。
 ただし削岩機と一緒に。

 胃の中では美亜子は
 胃酸の強烈な臭いの中で
 必死に削岩機の機能を
 回復させて削岩機に乗って
 脱出すべく悪戦苦闘していた。

 一応美亜子は篠田勘助の主催する
 「よろしくメカ講義」の講習を受講し、
 機械関係は人並以上に詳しくなっており、
 九割以上修復に成功しており、
 後は動力をゲット出来れば
 削岩機は再び動くのであるが、
 その肝心の動力がないのである。

「きゃっ!!?」
(SE ドカッ)

 ここで朱鷺とアルビルダによる強烈な攻撃で
 大怪獣が大きく動いた為に美亜子と削岩機は
 更に内蔵の奥へと飛ばされる事になり、
 入り口からは益々遠くなってしまう。

 だが万事塞翁が馬とはよく言ったもので、
 美亜子はそこで人の拳程度の大きさながら
 強力なBパワーを発している
 エネルゴンキューブ状のBストーンが
 内臓の内部に埋め込まれているのを
 ハケーンした。

「これは……削岩機の動力源にならないかしら?」
 そしてとっさの機転で
 そのBストーンをもぎ取り、
 削岩機の動力源にリンクさせる。

 その途端に削岩機は
 変形{トランスフォーム}していき、
 まるでアニメに出てくる様な
 近未来のスーパードリルマシン状の
 男のロマン溢れる
 ステキフォルムと化したではにゃーか。

 こうなったらこっちのもの、
 美亜子は削岩機を駆動させ、
 一直線に胃から食道、
 そして食道から口へと大爆走していく。
(SE ドドドドドドドドドド)

 その頃大怪獣は体内のBストーンを
 もぎ取られた事により悶え苦しんでいた。
 その苦悶により大怪獣が口を開けるのを
 美亜子は決して見逃さず、
 口から削岩機を駆って脱出する。

 大怪獣が悶え苦しむ事十数分、
 そこには大怪獣に刺さっていたであろう
 Bストーンの塊がそこら中に散らばっており、
 そしてその中でさっきまで大怪獣であったであろう
 小さなチワワが眠りこけているのが見えた。

「で、これどないする?」

「どないするも何も
 放置プレイする訳にはいかないし。」

「犬鍋にでもするのか?」

「何で犬鍋になるんや?」

「取り敢えずは我々が保護しないか?」

「そういう事なら仕方が無いな。
 ん?何かあっちの壁の中から声がするのだ。
 美亜子、そのスーパーマシンで壁を突破するぞ。」

「おk。判った。」

<鉱山 機械が不法投棄されている場所>
(大帝国BGM:一斉射撃−特)

 その頃エクレールサイドでは
 愉快な呉越同舟四人組と
 ショタコンビが対峙していた。
 しかし4on2という
 圧倒的に不利な状況にも関わらず、
 プラム&シュウは
 余裕の表情と態度を崩さず、
 不敵な態度をとっており、
 この四人との対決に対して
 勝算がある事を示唆していた。

「い出よ戦の魔王!!」

 シュウが懐から出した呪札に
 自分の血で召喚の為の
 呪文を札に書き記すと、
 シュウの足下から
 厳めしい鎧で身を包み、
 八本の腕のいずれにも
 武器を持った牛面人身の
 戦の魔王・シュウが姿を現した。
(SE ドドドドドドドドドド)
血の召喚
様々な悪魔を召喚する妖術。ボタンによって召喚する悪魔が異なる。
4(貯め)236+P(ゲージ2消費)

 四人の背丈のゆうに
 倍以上も有る巨躯の魔王は
 巨躯に見合わぬ俊敏さで
 八つの武器を以て
 シャイラと美潮に攻撃を加えていく。
(SE ガッガッガッ)

「この戦の魔王は
 朕の持つ獣魔の中でも
 最悪最強の獣魔の一つだ。
 お前等如きに勝てる筈も無かろう。
 さあ戦の魔王よ、
 こいつらをやっておしまい!!」

 戦の魔王はシュウの命令通りに
 美潮達に攻撃を加える。
 それに対して美潮は
 仕込み刃付きの舵の穴の部分に
 戦の魔王の武器を差し込ませ、
 シャイラは蒙古に伝わる
 タイタン流双條鞭を駆使して
 容易に相手に攻撃をさせない。

 一方プラムは自分の周りに
 多くの蝙蝠を侍らせている。
 勿論普通の蝙蝠ではなく
 あらゆる生き物の生き血を吸い、
 通常の蝙蝠とは比べものにならない程の
 巨体を持った蝙蝠である。

「こいつらは特に生娘の血が大好きでなあ、
 お前達の生き血を欲しがっておるわ。
 行くのだ者共、その二人を吸い尽くしてミイラにせよ!!」

 そう言うやプラムは蝙蝠軍団に号令を下し、
 二人をミイラにする様に仕向ける。
 蝙蝠軍団は一匹一匹個別に襲ってくるのではなく、
 群を成して数十匹が一固まりになって銛の形をなし、
 傍から見ればまるで一本の巨大な銛が
 二人を強襲している様に見える。
 これぞ奥義煌嗾蝙術{こうそうへんじゅつ}!!!!

(SE ヒュンッ)
煌嗾蝙術{こうそうへんじゅつ}
銛の様な陣形の蝙蝠を繰り出し、陣を組ませて連続攻撃させる。
236236+P(ゲージ2消費)

 その統率された銛は徹底的に二人を追尾し、
 どこへ逃れようと決して逃す事は無い。

「これは少々厄介なシロモノだな。
 ここは二手に分かれるよ、エクレール!!」

「ええ!」

 アイレーンの機転から二手に分かれて
 攻撃の時を待つという戦略にでる。
 だが……
「バカ女共め!
 この銛が多数の蝙蝠の
 集合体である事を忘れたか!!」

 プラムはそう言い放つと
 一本の銛を二つに別れさせて
 二手に分かれた二人を
 個別に攻撃する様に命じる。

 それにより一本の銛は二手に分かれ、
 それぞれを攻撃し始めるが……

「……かかりましたわね!!」

 そして突如二人はこれまで攻撃せずに
 一方的に逃げ続けていたスタンスから一変、
 積極的に交戦するスタンスに移る。

「貴様等一体何の真似だ!!?」

 そしてそれから戦局藻一変し、
 蝙蝠の銛に苦戦していた二人は
 一転して押せ押せムードとなる。

 何故戦局が一変したのかを説明すると、
 一本の銛であった時は銛を構成する
 蝙蝠の密度も多く強力だったが、
 それが二本となって銛を構成する
 蝙蝠の密度も必然的に下がる事となり、
 それに伴って攻撃力も
 また低下する事となるのである。

 こうして墓穴を掘った蝙蝠軍団は
 エクレールとアイレーンの機知の前に
 意外に呆気なく敗れ去るのだった。

「バカめが、
 蝙蝠使いが蝙蝠よりも弱いと誰が決めた?
 見るがいい、我らが姿を!!」

 そう言うとプラムはシュウの元に視線を送る。

「よかろう、我らの真の姿でこいつらを屠ってやるわ!!」

 シュウもその視線の意図を察知し、
 プラムとシュウは互いに掌をくっつけて
 怪しげな踊りを披露する。

ふぅ〜っ!
 きさまらと たたかってやるのも
 いいかげん あきてきたな・・
 そろそろ おわりに しようじゃないか!


 すると二人がいきなり
 悪しき光に包まれながら融合していき、
 そして戦の魔王の姿が鎧と化していき、
 シュウとプラムの融合体に装着され、
 まるで古代中国の
 戦の魔王の如き偉業となっていく。
 プラムとシュウが合体し、夜王プラシド……爆誕!!

(SE ズゴゴゴゴゴゴッ)
魔化魔化
プラムがKOされた時に自動発動する技。
パートナーのシュウ皇帝とフュージョンはっする。
(ゲージ全部消費)

「ぐわっはははぁ〜!!
 さあて ほんきで やらせて もらうぞ・・
 このい カンペキな にくたいに なると
 てかげん というものが できないのでな!
 がはは・・・・・・・ガッハハハハ!
 ガッハハハハハハハハハハハハァッ!!!」

 その言葉の通り巨大な
 制御不能の力を纏った
 夜王プラシドと名乗るそれは
 荒れ狂う邪悪なオーラを
 自重する事無く四人に強襲させる。

 その攻撃は制御不能と謳うだけあって
 凶悪な威力であっと言う間に
 四人の力を奪っていく。

「ウェーハッハッハ!!見るがよいこの力を!!
 朕の優しい申し出を蹴った大罪を思い知るのだ!!」

 夜王プラシドの高笑いしている隙をついて
 シャイラが鞭で夜王プラシドの四肢に絡ませるが、
 夜王プラシドの前では只の糸屑の如く
 一瞬にして力任せに鞭を引きちぎってしまう。
 続いて美潮の仕込み刃の
 舵による攻撃もまるで通じない。
(SE ヒュンッ……バリッ)

 そもそも四人は戦い続きクエスト続きで
 殆ど休む暇が無いから
 全力で戦えないという事情も有るが、
 余りにも戦力の差が有りすぎる描写に
 シャイラと美潮の心も折れかけているところに
 夜王プラシドの口から怪光線!!
 ……と思ったら背後からエクレールが
 アリスソードを夜王プラシドの脳天に叩き込み、
 怪光線は口の中で爆発して
 逆に夜王プラシドにダメージを与える事になる。
(SE スコーンッ)

口から怪光線
口から怪光線を出す技。

「口内{なか}は駄目!!
 口内炎出来ちゃううう!!
 おのれこのナオンめ!!」

 夜王プラシドはその事に対し非常に激昂し、
 頭上にいるエクレールを張り手で叩き落とし、
 更に動けないエクレールにストンピングをかます。
(SE ズビシズビシズビシッ)

 だがそこにアイレーンの
 大剣による攻撃が襲いかかり、
(SE ドカンッ)

 夜王プラシドは一瞬体勢を崩し、
 その間にシャイラが予備の鞭を
 エクレールの足首に巻き付かせて回収する。

「小虫共が悪足掻きしくさってからに!!
 だが悪足掻きもこれまでだ、
 全員あの世で後か……」

(SEズドガーン!!)
 ここで何と何の脈絡も無く
 美亜子達の乗った削岩期が壁を壊して乱入し、
 夜王プラシドに強烈な一撃を加える。

美亜子ひきょうだぞ〜!!

 のどに強烈なドリルを
 かまされた夜王プラシドは
 とりもたまらず絶叫する。
 しかし時巣既にお寿司。
 紅美の手投げ炸裂弾「サノスK」に
 アルビルダのヒートホークの脳天かち割り、
 そして朱鷺の凰火流秘儀酔舞撃を喰らい、
 流石の夜王プラシドもよろめく。
(SE KABOOM、ギャンッ、ドベシッ)
これは強烈な一撃ィィ〜ッ!!
空中からヒートホークで頭をかち割る技。
空中で632+K

酔舞撃
空中で飛び蹴りを繰り出す技。
空中で236+K

「そ…その犬は……」

 そして美亜子の隣にいる
 元大怪獣の犬を見て驚愕する。

「そのチワワは朕が大怪獣に改造した筈……
 まさか貴様等が元に……!!?」

「ええ、そうよ。」

 美亜子は冷静に疑問に答えると、
 先に火のついた導火線付きの
 Bストーンが仕込まれた矢を
 夜王プラシドに対して引く。

「おのれ朕がそんな矢如きでやられ
ウンガー!!

 放たれた矢は夜王プラシドの顔面に命中し、
 そして導火線より導かれし火種が
 Bストーンに発火して大爆発を起こし、
 夜王プラシドに止めの一撃を叩き込む。
(SE BLAM)

「ううっ・・もう だめだあ・・
 このちんがやられるとは……しんじられ……ん……
 だがちんは し・・な・・・・ん・・・・!」
 負け惜しみの断末魔を口にした直後、
 夜王プラシドは事切れて地獄に召される。

「ナイスタイミングでしたね、美亜子。」

「ところでみっちゃん、この子達は?」

「この犬と削岩機の事?
 これは話せば長くなるけど、
 云々かんぬんかくかく然々
 という訳で一緒にいる訳。」

「それで見つけたのが
 Bストーンが沢山有る鉱山なのだ。」

「鉱山!?」×4

「ああ、本格的な採掘は今直ぐには行えないけど、
 病院の不足分を補填するくらいなら
 今直ぐ採れるBストーンで十二分に補填出来るよ。」

「まー取り敢えずはウチらの仕事も
 一段落ついた事やし、
 後はほかの担当者に任せて
 一先ずはあの温泉で
 疲れを癒したいところや。」

「ええ、その方がよろしいと思いますわ。」

<聖アルジェ学院付属病院>
(大帝国BGM:穏やかな日常)
 場所は聖アルジェ学院付属病院に移る。
 病院では未だに不足している
 物品や施設等はあるものの、
 前の状況と比べて
 衛生面等の環境や施設等の物質面において
 目を見張る程の格段の改善面が見られる。

 そしてそこには大勢の患者を看病している
 エクレールや美亜子らがいた。

「ねえエクレねーちゃん、
 鉱山でのクエストの話をしておくれよ〜。」

「鉱山、ですか?」

「うんうん、そーだじょー。
 きかせておくれよ〜。」

「え、ええ、いいですわよ。」

 こうして病院の危機は何とか救われ、
 次の話に進むのであった。

予告
マホコ・P・マサイ「全学連は遂に三国を射程内に置く事に成功する。
        そしてそこに待ち構えるイデアの罠とは!!?」
新海健人「次回大番長AA『第二章その三 「雷鳴の三国」』」
狼牙軍団全員「立てよ人類!!

今週の特体生
鈴木ぼたん(ぱすてりチャイムContinue)
体力 経験 距離 信頼 気力 攻撃 命中 回避 治安 収益 給料
60 40 普通 5 80 100 20 20 50 30
スキル 属性 対属性
腐ってやがる! 白魔 黒魔・魔族
腐ってやがる!(気力3)〜
男性の敵2人に反撃を受けずにダメージを与える

後書き
今回は黄泉比良坂の鉱山のクエストを書きました。
予定通り大帝国からアルビルダも登場しましたし、
次はランスクエストからキャラを出す予定です。

今回はイメージBGMは大帝国のものを使用しています。
大帝国は時々クソゲー呼ばわりされていますが、
正確には期待が大きすぎてガッカリゲー、
とでも言った方が正しいと思います。






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また私の妄想に満ちたサイトは
http://shin-yaminokai.jp/
となっております。
よろしかったら是非遊びに来て下さいませ。


本陣へ撤退
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撤退
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