真・闇の会夢幻格闘化計画{Dream Duel Project}大番長After.Age表紙
真・闇の会サイトマップ

第一章その五  「ハメツノヒビキ」

第一章その五・新規登場人物
ラブミーテンダ
黒狂乱美鬼{コッキラビ}
キラトーキ
朱雀鬼
闘神都市Uに出場。
全員ボス系モンスターである。
5秒CM
グレートムラタ
「この後は、機動番長伝・G番長!!!」
<旧学連本部前の狼牙軍団本営>
 (27 All the time)
 場所は旧学連本部を奪回すべく、
 急遽編成された
 狼牙軍団の本営から始まる。
 しかし、死魔根の戦いからの
 連戦の為に対象の狼牙を始め、
 負傷者が続出した状態からの
 開戦と相成るのであった。

 しかも雲水を除く暁の面々が
 離脱した状態での開戦の為、
 全学連から急遽中西姉妹が
 援軍として派遣されてきており、
 更に鳳凰学園からの
 応援が来る予定となっている。

「よぉ、剣道に弓ちゃんじゃねえか。」

「何だよ狼牙、随分とボロボロじゃないか。
 エクレールまでボロボロだし。」

「お久しぶりですわね、剣道、弓道。」

「ええ、そうね……。」

「で……狼牙、見慣れない顔が二人くらいいるんだけど。」

「ん?おれの事か?
 俺の名は阿寒湖まりも、
 新ホーリーフレイム・オルレアンの副総長で
 エクレールの朋友{ポンヨウ}だ。」

「わいは同じく幹事長のなにわ大二郎や。」

 ここで所謂面識の内面面の
 自己紹介が行われる場所であるが、
 放送時間という名の大人の事情があるので
 ここはカットさせていただく。
 出番が欲しくてたまらない雲水が
 睨んでいるが無視しておこう。

<旧学連本部の中の神威軍本営>
(ORISINAL SONG20.Revenger)
 場所は変わって四天王のムラタが
 総指揮官を勤める神威軍の本営に移る。
 そこにはムラタといつの間にか
 戦線を離脱していた破国院、
 ムラタの直属の騎兵、
 と黒狂乱美鬼{コッキラビ}と
 ラブミーテンダとキラトーキが控えていた。

 狼牙軍団は大半が負傷しているとはいえ、
 狼牙、剣道、弓道、雲水、エクレール、
 まりも、扇奈、美亜子、大二郎と、
 数の上では二倍近い陣営ではあるが、
 四天王二人に直属の騎兵が三体と、
 現在の狼牙軍団に対する戦力としては、
 何ら遜色を欠かない。

 そしてムラタの目の前の戦略地図では、
 妙な事に本営が前線に突出していて、
 支部の三つの砦が後ろに存在していた。

「だがムラタよ……
 何故に私とお前の守る本営を手前にして
 支砦を三つとも後ろにするのだ?
 普通なら支砦を手前にして
 本営を後ろにするのが
 定石{セオリー}のはずだが……?」

「まあモチツケ破国院よ。
 敵は死魔根の激闘で
 宇宙的にマンモス負傷してやがる。
 ここはおそらく短期決戦を狙って
 前から攻め込むと見せかけ、
 油断したところを一気に
 後ろから攻め込む算段だろう。
 だったらこちらは前に主力をおいて
 別働部隊を一気に殲滅して
 返す刀で全力で主力を殲滅する。
 どうだ?」

「いいだろう……私とお前は本営を、
 三体の騎兵には支砦を守らせる事としよう。」

「それが賢明だ。」

<どこかの砂漠>
 ところはムラタの回想の中、
 どこかの砂漠のど真ん中に移る。
 そこには三日三晩水の一滴すら
 口にしていないムラタが
 当て所無く彷徨っていた。

 だがその足取りは亀よりも重く、
 霞よりも力弱いものであった。
 何故ムラタがこんな目に
 遭っているのかと言うと、
 再就職先である五十嵐組が
 ホーリーフレイムによって
 壊滅の憂き目を見たからであり、
 ムラタも危うく追っ手から
 逃れる事に成功するも、
 いつの間にか砂漠に
 迷い込んでしまったのである。

「チキショーあの美杉良太郎もどきの
 パッキンオバンめぇ〜!!
 いつか斬真狼牙共々あいつらも
 37564にしちゃるもんねー!!

  ところがその決意よりも
  今はこの状況を何とかする方が先決である。

 とは言ってもこの状況を
 何とかするだけの力も知恵も甲斐性も
 今のムラタには持ち合わせておらず、
 かと言ってラスベガスに在る砂漠の様に
 レモネード屋が在る訳でもなく、
 ただ砂漠のど真ん中でのたれ死ぬのを
 待つしかなかったのである。
 と、そこに一人の人影が現れた。
 よく見るとその人影の持ち主は神威であった。

「ていうか誰?」

 ムラタは神威に何者かと訪ねるが、
 だが神威はそれには答えず……

「君は今心の底からある人物を
 殺したいと思っている……
 違うかね?」

「何故にwhyその事を!!?」

 初対面であるにも関わらず、
 自分の心の内を
 一瞬にして見抜かれた事に
 驚きを隠せなかったが・・・

「まあそんな事はどうでもいい。
 俺は欲しい……!!
  ヤツらにリベンジ復讐出来るだけの
 力と機会と甲斐性を!!」

「そうか、よく判った。
 ならば私が復讐の為の力を
 君にプレゼントフォーユー。」

「なに!?」

 ムラタは一瞬その申し出を
 疑いの視線でとらえた。
 まあ初対面のロン毛男に
 いきなりそんな事を言われても
 疑うなと言う方がおかしいからであろう。

「まあいいや…どうせこのままじゃあ
 俺はこのどでかい闘京砂漠で
 野垂れ死んじまうんだ。
 ……俺は力が欲しい!!
 奴等に勝利てるだけの力を!!

「それは結構な心意気だ。
 その代わりと言っては何だが、
 この私の良き友人として……
  私の目的に力を貸して欲しいのだが。」

「ああ!!するする!!何だってしてやるさ!!
 だからパワーちゃん頂戴!!」

「よろしい。では……」

<旧学連本部前の狼牙軍団本営>
 (08 Make me funky)
 場所は再び狼牙軍団の本営に移る。
 そこで狼牙達は旧学連本部を奪回する為の
 作戦会議を開いていた。
 いくつかの案が示される中、狼牙は……

「死魔根での激闘で俺達は満身創痍の状態に在る。
 からして、ここは短期決戦を決め込みたいところだ。
 まずはまりもとエクレールが前に一当たりして撤退し、
 敵が追って来たところで後ろから主力で叩く……
 というのは敵も馬鹿じゃねえ、というより、
 あの狡猾なムラタの事だから
 それくらいの予測はしているだろうから、
 俺と雲水が単独で敵の内部に潜入して
 後ろから攻めると同時に中から応じる。
 そして混乱に乗じて魔界孔を封印、
 返す刀で敵を殲滅する。」

「いいんでねの?」

「そやのう。」

 という事で、双方の作戦タイムは終了する。

<旧学連本部前>
(ORISINAL SONG25.Terrible beat-Duel Soul Version)

  旧学連本部の目の前では、
  囮であるエクレールとまりもの率いる
 一隊が待機していた。

「いいか、オメーら。
 おれらがやりあうのは後ろの本体が
 合図の狼煙を上げるまでだ。
 戦って徐々に引く振りをして
 相手を帯子寄せるんだ。
 その間に連中の中に潜入している
 狼牙と雲水が騒ぎを起こすだろうから、
 それと同時に後ろの主力と同時に
 攻め込むって寸法だ。」

「後は皆さんの頑張りに期待していますわ。」

「ヘイ、アネゴ!!」

<オルレアンの陣幕内>
 ところはオルレアンの陣幕内に移る。
 そこではまりもとエクレールが
 出陣の為の準備をしている。

 自分の武器防具の手入れ、
 部下の人員の確認、作戦の確認、
 携帯用の諸物品等の所持の確認、他色々、
 それらを終えていざ
 出陣しようとする二人であったが……

「おい、そこの三人!
  おれ達が気づいてねえと思ってんのかよ!!?」

「え?」

 いきなりまりもは陣幕の外に待機している
 三人の一般特体生に
 何の脈絡もなく唐突に話しかける。
 事情を飲み込めないエクレールは
 ポカーンとした表情でまりもをみるが、
 まりもの表情は至極真剣であった。

「「「フッフッフッ……よくぞ……」」」

「我」
「らの」
「正」
「体」
「を」
「みや」
「ぶっ」
「たな」

 いきなりその一般特体生の三人は
 三人で一つの台詞を吐きながら
 おもむろにその正体を現す。
 それは何と番外編に出てきた
 鉄雄三兄弟であった。

「魔族では……ありませんわね?」

だがおれ達に友好的な訳でも……
 っつーかアカラサマに敵対心を抱いているのは
 間違いなさそうだぜ。
 おれ達の事は知ってそうだろうから
 あえて名乗る必要は無ぇとして……
 オメェらいったい何モンだ?おれ達に何の用だ?」

「フッ」
「フッ」
「フッ」
「我」
「々」
「は」
「黒」
「い」
「三」
「先」
「生」
「と」
「呼」
「ば」
「れ」
「る」
「者。」

「お前さん方の存在を疎ましく思っている存在も
 世の中には存在るという事だ。」

「だから故あってお命頂戴したい。」

「誰の差し金かは知りませんが、
 私たちもおめおめと
 やられる訳には参りませんわ!!」

「さぁ掛かって来な!!」

「行くぞ鉄雄(三男)!!
 奴等に噴出放流攻撃を仕掛けるぞ!!」

「「応!!!!」」

 という訳で、
 暗殺者との戦闘は何の脈絡も無く
 いきなり始まる事となる。

 鉄雄(二男)と鉄雄(三男)の
 コンビネーションは巧みに
 エクレールの隙をつき、
 まるで連携の中の連携、
 キング・オブ・コンビネーション
 「唇&歯&舌=口」の如く
 巧みにエクレールを追い詰めていく。

 そして追いつめられたエクレールは
 つい反射的に鉄雄(二男)を斬り捨ててしまう。

「バカ!こいつらは殺しちゃ駄目だろ!!
 後で拷問かまして首謀者をゲロさせる予定なのによ!!」

「す……すいません。」

 相方の鉄雄(二男)を失った
 鉄雄(三男)一人ならば
 手加減しても捕縛出来る、
 そう践んで鉄雄(三男)に
 エクレールは攻撃を仕掛けようとするが……

「フッフッフッ…その程度で俺を倒したと思っているのか?」

 何と目の前には斬り捨てた筈の
 鉄雄(二男)がピンピンして立っていた。

「ナンダトー!!?
 さっきエクレールがずんばらりんと
 斬り捨てたんじゃなかったのか!!?」

「我らの特体生能力・斬られ先生らいふっの前では!!
 斬撃など知らぬ!通じぬ!!」

「斬られ先生らいふっ…?」

「魔窟堂のじっちゃんから聞いた事があるぜ。
 斬撃による攻撃では死なず、
 その傷はすぐに治っちまうという特体生能力だ。
 斬られ役にぴったしの能力だな。
 だが打撃まではその能力は対応出来ねえ様だな。
 ここはおれに任せて貰おうか。
 こいつらはおれの棍術の打撃でしっかりパクる。」

「ええ、お任せしますわ、まりも。」

「ええい小癪な!!」

「我々の!!」

「コンビネーションが!!」

意図も簡単に!!
崩せるとでも!!
思っとんか!!

  そう言うと三人は縦に整列して
  一直線にまりもにめがけて突進していく。
  そして…

「喰らえ!噴出放流攻撃!!

噴出放流攻撃
三人が縦一列に重なって並び、
真正面からみると一人のみが攻撃対象に向かっている様に見せかける。
そしてそのまま攻撃対象に向かって接近し、
一人が対象に一撃目を加えてすぐさま列から離れ移動、
直後に二人目が同様の箇所に攻撃を加える。
これを三人目まで実行し、攻撃対象に深手を負わせるというものである。
236236236+PPP(パワーゲージ1本消費)

 一番前の鉄雄(長男)が
 蹴りを仕掛けてきたかと思うと、
 次に鉄雄(次男)が上から
 跳び蹴りを仕掛けてきて、
 そして鉄雄(三男)がその上から
 更に急降下パンチを繰り出してくる。

「噴出放流攻撃は三人で一体の攻撃!!」

「我らはこの技で乱世を生き抜いてきた!!」

「貴様等もこれでお仕舞いだ!!」

「地獄が見えてきただろう!!」

 そして二回目の噴出放流攻撃が
 仕掛けられた時である。
 まりもは鉄雄(長男)の蹴りを
 カウンターの一撃で叩き落として打ちのめし、

俺を踏み台に!!?

 兄を踏み台に攻撃してきた鉄雄(次男)を
 対空の如意棒打撃で叩き落とし、
 そして急降下パンチをしてきた三男を……
 南斗まりもの上から三兄弟のお株を奪う
 エクレールの跳び蹴りが飛んできて
 鉄雄(三男)を難なく蹴り飛ばす。

如意棒打撃(対空)
袁術{モンキー・マジック}と呼ばれる棒術の技で、
棒の刺突の際に捻りを加える事でより威力を増した技である。
無論それだけに留まらず、この技の真価は、
衝撃のほぼ100%を攻撃力に転化する事に在るという。
4(溜め)6+K

  奥の手の噴出放流攻撃を潰されて
  追いつめられた三人は……

「な……何て奴等だ!!
 俺達の噴出放流攻撃が効かねぇ!!」

「わ…悪かった!!マジ俺らが悪かった!!」

「だ……だから命だけは!!
 命だけは助けてくれぇ!!」

 といきなり必死こいて命乞いを始める。

「そうだろうなぁ。
 そうやって命乞いで油断させておいて、
 隙を見せたら
 ゛ウワッハハハ、馬鹿めかかったな!!"
 ってやるんじゃねえのか?」

「そ……そんな男を磨く私塾兼私学の敵の様な真似はしねえって!!」

「本当か?」

「ホントホント!!」

「じゃあオメェらを陰で操っているス
 ットコドッコイの名前をゲロって貰おうか。」

「わ、わかった……。:

「俺らにアンタらを友愛しろと」

「命じたのはドストン司祭だ。」

「ドストンだと?ああ、あの干物ジジイか。」

「そうそう、その干物……じゃなくてドストン司祭だ。」

「成程……あの会合で会った時から
 怪しさ大爆発だと思っていたけどよ……」

「これで確定致しましたわね。
 他にも何か情報は有りませんの?」

「いや、その……俺らはただの雇われ用心棒だし」

「他には何にも知らされてねぇし」

「これ以上ゲロったらそれこそ
 口封じフラグが立っチマー。」

 二人の追求に対し、
 三兄弟は怯えを隠せない口調で反応を返す。

「まあその様子じゃあ嘘はついてねえ様だな。」

「それじゃ俺達は見逃して……」

「いんや、全員友愛する。」

「え……ま、まりも!!?」

 ここでまりもは前言を呆気なく撤回し、
 三人の友愛を口にする。
 当然の事ながらこの前言撤回に対し、
 当の三兄弟だけでなく
 エクレールも驚きの色を隠せない。

なーんてな。
 おれがそんな死亡フラグ一直線の
 モロ悪役な選択をすると思ったのかい?」

「うむ。」
「やると」
「思った。」

「ホントに友愛しちゃろかこいつら……!」

「まあまあ怒ってはいけませんわ、まりも。」

「わーってるけどよぉ……まあいいや、とっとと帰んな、
 しかし二度とは勘弁しねえかんな。」

「ああ。」
「わかったよ。」
「それじゃあ」
「そ」
「う」
「い」
「う」
「事」
「で。」

 そう言うと三兄弟は二人の前から
 脱兎の如く去っていった。

「何だったんだあいつら?」

「さあ……?」

「まあこれであの腐れジジイが
 おれ達の命{タマ}ぁ穫ろうと
 しているのが判った訳だが……。」

「ええ、油断出来ませんわね。」

<神威軍の前線の砦>
 (33 terrible beat B)

「ウェウェウェェェッーハッハッハッハァ!!!
 まんまと引っかかりやがったなぁ!!!
 俺の読み通り狼牙軍団、
 しかも♀が二人ものこのこと
 現われくさりやがったか!!」

  場所は変わって
 神威軍の前線の砦に移る。
  いきなりムラタがむさ苦しいドアップ
 で笑いながら現われたので、
  お茶の間の視聴者の皆さんは
 チャーフイタかもしれないが、
  とりあえずムラタが二人と
 二人率いる舎弟軍団の前に現われる。

「誰がむさ苦しいだぁ!!?
 まあいいや。取り合えず……
 まんまと俺のワンダフォーな
 罠に引っかかりやがったなぁ!!
 どうせおまいらは負ける振りをして
 俺達をおびき出そうっちゅー
 魂胆なんだろぉ〜が……」

『ヤベ…バレてんじゃあんか……』

 まりもが自分達の目論見がばれた、
 という表情をしている。
 その表情の変化を見逃すムラタではなく……

「やっぱ図星カンカンだった様だな。
 だが……志村!後ろ!後ろ!

 ムラタに促されてまりも達が
 後ろを向くと……南斗!!
 ムラタの手下共がわんさと
 まりも達を取り囲んどるやんけ!!
 こいつぁマンモスピンチだぁ!!

「これで退路はナクト=ラグナード!!
 しかも俺達四天王が二人と来たもんだ!!」

「二人?」

  まりもが後ろを振り向くと、
  そこにはもう一人の四天王破国院がいた。

「ていうか、あいつ誰だ?」

「さあ、私も見た事がありませんわ。」

 まりもの問いに対し、
 エクレールが即答する。
 だが少し待って欲しい。
 破国院は元は
 ホーリーフレイム出身だった筈である。
 同じホーリーフレイム出身である
 エクレールが知らないのは
 どういう事であろうか?

「それは私が説明しよう。
 私は元はホーリーフレイムに
 在籍していたとは言え、
 ジョドーとジャンヌら一部しか
 その存在を知らない
 秘密部隊に在籍していたから、
 同じホーリーフレイムの者とも
 殆ど面識が無い……と言う訳だ。」

「んじゃあ、せっかくだから俺は、
 こっちの青いホーリーフレイムの
 女をぶちのめすぜ。」

 突如ムラタが何の脈絡も無く、
 対戦相手としてエクレールを指名する。

 当然ながらホーリーフレイム出身者であり、
 またホーリーフレイム出身者に異常なまでの
 憎悪を抱いている破国院がそれを
 ハイソーデスカ」
  と受け入れる訳が無く……

「その対戦、少し待った!!」

 と物言いが発生した。

「ムラタ、私がホーリーフレイムの者共に
 深い憎しみを抱いている事は
 お前も知っている筈だ。
 それを知った上で尚この女との
 対決を所望するとは
 如何なる理由があっての事か?」

 その破国院の質問に対し、ムラタは少し激昂しながら

「俺だって斬真狼牙だけでなく
 こいつらにも恨みがあるんだYO!!
 折角の再就職先の五十嵐組が
 あいつらに潰されて
 俺は流浪の挙句に神威に会わなけりゃあ
 偽帝猿術みたいに野垂れ死にしてたんだ!!
 てな訳でここは俺に闘らせて貰うぜ。」

「だが、断る!」

 とうとう二人は睨み合いを初めてしまった。
 これだけ我もアクも強いのが
 二人いればそうなるのも仕方がナルキッソス。
「だが、ちょっと待って欲しい。(=@д@)
 お前の操る傀儡・朱雀鬼は
 打撃対策はほぼ万全だが、
 斬撃対策は未完成だ。
 という事で、ここは私に譲るが良い。
 代わりに斬真狼牙の相手はお前に譲ろう。」

「ホントだな?」

「私に二言は無い。」

 取り敢えずはまりもVSムラタ、
 エクレールVS破国院という
 対戦カードが決まった訳ではあるが……

「このグレートムラタに戦いを挑むとは、
 宇宙的にマンモス無謀な女だ。
 まあいいや。
 斬真狼牙の前にテメぇを
 村祭りに挙げてくれるわ!」

「……それをいうなら血祭りだろ。
 まあいいや、掛かって来な!!」

 まりもの挑発に対し、
 ムラタは瞬時に後ろの仏像の中に入る。

 ここで説明しておこう。
 ムラタの入った仏像の名は朱雀鬼、
 術者が中から糸で仏像を操って戦わせる
 護国院に古くから伝わる傀儡術である。

 大番長本編で護国院との
 決戦の時に出て来た仏像の大群は、
 実は傀儡術を修得した術者が中に入って
  動かしていたものであるというのが
 当SSの設定である。
 もっとも神威に力を授かったムラタと
 それらの名無しさん@術師連中とは
 実力が天と地程も違う訳だが。

「さあ、どっからでも掛かって来いや、あっあっあっ!」

 いきなりのムラタの余裕ぶっこきまろの挑発が入る。

「いい度胸じゃねえかよ!
 お望み通り闘ってやろうじゃねえか!!」

 単純な挑発にコンマ1秒の速さで乗ったまりもは
 一瞬にして間合いを詰め、
 如意棒伸撃を朱雀鬼の土手っ腹に叩き込む。

如意棒伸撃
袁術{モンキー・マジック}と呼ばれる棒術の技で、
その場で棒を回転させる技。
P連打

 こいつぁ会心のクリティカルヒッッ!!
 と思ったら如意棒は朱雀鬼の土手っ腹に
 深くのめり込み抜けないではないか!!

「残念だったなぁ。
 この朱雀鬼に打撃技は通用しねえよ。」

 そして朱雀鬼の腕はまるで
 ゴム人間の如く螺旋状に捻子曲がり、
 ゴムが元に戻るかの如く勢いが付き、
 その勢いを利用して撃たれたパンチは
 まりもの体を正確に捉え、
 クリーンヒットしたまりもは
 大ダメージを受けてしまう。

「ちくしょおお…何て馬鹿力だ……!」

 フラフラのピヨリ状態となったまりもに対し、

「ナウゲッタチャーンス!!!!」

 とばかりにムラタは猛襲をかけ、
 容赦無くまりもの防御の上から
 じわじわと打撃によるダメージを与えていく。

 堪らずムラタの攻撃の圏外に
 まりもはおもわず戦略的撤退をするが…

「逃がすかヴォケェー!!」

 しかし、まわりこまれた!コマンド!?

「なまじハンパな攻撃じゃあ通用しそうにねえな。
 そういう場合は……戦闘術のセオリーも糞もねぇ……
 こういう一発だァッッ!

  生半可な攻撃では朱雀鬼に
 通用しないと悟ったまりもは
 一発放った後は何の備えも糞も無い
 戦法で如意棒連撃を放つ。
 さしもの朱雀鬼もそういった攻撃を
 一撃二撃と巨体に喰らい、
 随分後退したかに見えたが…

「チマチマ攻撃しても不利と悟り、
 一撃に懸けた機転はホメタロー。
 だがそんな攻撃で崩れる程四天王の
 グレートムラタと朱雀鬼はヤワじゃねぇんだよ!!
 喰らえムラタ怒号撃!!!!

 ムラタは全然ダメージを
 受けてねいじゃあんか!!
 そのまりもに対し、
 ムラタは必殺の<ムラタ怒号撃>を叩き込む。

ムラタ怒号撃
朱雀鬼でショルダータックルをかます技。
4(貯め)+646+P連打(パワーゲージ1本消費)



うわあっが!!

 <ムラタ怒号撃>の
 クリーンヒットをまともに受けたまりもは
 空中で水車の様に
 その場で何回転もくるくる回り、
 その後地面にシコタマ
 叩き付けられる事となり、
 流石にタフネスが売りのまりもも
 ピヨリ状態に陥ってしまう。

(ORISINAL SONG26.Terrible beat-Remix Bout)
 一方エクレールの方は、
 もう一人の四天王の破国院と対峙していた。
 破国院の方は前の戦いの時に
 雲水と戦っているにも関わらず、
 雲水共々ほぼ無傷の状態である。

 にも関わらず、
 エクレールの方はと言えば、
 前の死魔根での戦いで
 ゼガル・ロックと戦った時に
 受けたダメージが
 未だに尾を引いていて、
 精々全力の2/3位の力しか
 出せない状態に在る。

「何故……貴方はホーリーフレイムを憎むのですか?」

「知りたいか?
 ならば我が眼前に
 ジャンヌを呼んで来るがいい。
 話はそれからだ。」

 エクレールの問いに対し、
 破国院は問いに答える代償として
 今この場にジャンヌを
 連れてくる様に要求した。

「それは出来ませんわ。
 第一ジャンヌ様は現在は行方不明中、
 どこにおられるのかも……」

「ではジャンヌを呼んで来い、
 との私の要求は【だが、断る!】という事か。
 まあいい…どうせホーリーフレイムの者共は
 37564、マサクゥルする予定だ。」

 あ、やっぱりこういう展開になったのね。
 そしてエクレールVS破国院の
 対戦カードが成立した途端、
 破国院は闘牛をも上回る勢いで
 エクレールに斬りかかって来る。

 幸いにも大振りの斬撃である為、
 斬撃の太刀筋は容易く読めたが、
 それでもその尋常ならざる速さは
 斬撃が来ると読めて尚、
 紙一重で交わすのがやっとの
 恐るべき速さの斬撃であった。

 そしてその斬撃が交わされるや否や、
 振り下ろした剣身が跳ね上がり、
 エクレールの胴を急襲する。
 その跳斬撃{リバース}は
 何とか盾で防いだものの、
 その恐るべき威力の跳撃は
 いとも容易くエクレールの小柄な体を
 後方に吹っ飛ばした。

 まるで本塁打の如き恐るべき斬撃の後でも
 破国院の攻め手は止まらず、
 体勢を立て直したばかりの
 エクレールを唐竹割りにせんと、
 またもや一足一刀の間合いに詰め寄り、
 一刀両断の斬撃を放つ。

 その斬撃に対して、
 エクレールはいつもの様に
 盾を斬撃に対して
 垂直になる様に構えるのではなく、
 斬撃に対して斜めになる様に構え、
 盾の丸みを帯びた部分で斬撃を捌き、
 地面に埋まらせる様にする。

ティンベー
盾の丸みを帯びた部分で攻撃を捌き、攻撃する当て身受け技。
琉沖のティンベーとローチンを用いた技の総称。
421+スタートボタン

 そして地面に埋まった破国院の剣を、
 更に地面に埋め込ませる様に
 アリスソードを打ち込み、
 容易に地面に埋まった剣が
 抜けない様にすると、
 反撃の斬撃を破国院の脇腹に叩き込む。

 しかし、その斬撃は剣腹に肘鉄を叩き込まれ、
 逆に右回し蹴りを返されえる。
 だが、エクレールもさるもの、
 その鉞の様な右回し蹴りに乗る様にして上に乗り、
 軽業師の如く後ろに飛びのく。

「成る程……逃げ足だけは速い様だな。
 ならば……これでどうだ?」

 そういうと、破国院は無防備なまま、
 普通に歩きながら
 エクレールに近づいていく。
 これは一体どういう事なのか?

 数瞬考えた後、
 エクレールは破国院の目論見を察する。
 早業勝負ではやや分が悪いと
 判断した破国院は、
 エクレールの攻撃を敢えて受けた後で、
 技の後の無防備なところに
 一撃を叩き込む作戦に出たのである。

 エクレールの攻撃力が
 自分の攻撃力に遠く及ばないと
 踏んでの作戦であった。

 その作戦は見事に功を奏し、
 散歩をするかの如く
 普通に歩いてくる破国院が
 大して体力や精神力を消耗しないのに対し、
 その緩慢だが確実に来る追跡に対して
 エクレールは絶えず
 動き回らなければならない状況であり、
 正に文字通り時間の問題といった
 状況になってしまった。

アイキャッチ
ムラタ
 「今の俺は『ムラタ』ではない! グレート・ムラタだぁ!!!!」


アイキャッチ
神威
 「視聴者諸君、よもやラスボスである我の事を忘れちゃいまいな?」
<鳳凰学園側本営>
(ORISINAL SONGORISINAL SONG43.HououGakuen)

 所は旧学連本部奪回に参戦すべく、
 出陣している鳳凰学園の本陣に移る。
 そこには総長の魔神勇二を始め、
 仁藤美咲、鈴麗蘭、
 そして客分のマリーシアがいた。

「そろそろ全学連の本体が
 敵と激突している頃だろう。
 俺達も早急に
 参戦しなければならないだろう。」

「じゃが勇二よ、
 我々はどこから攻め入る?
 斥候の情報によれば、
 敵には四天王が
 二人もいるというではないか。
 美咲、何か良案は無いか?」

「そうですねぇ…
 こんなのはどうですか、麗蘭さん。
 前にボクが旧学連本部にお使いに行った時、
 地下のボイラー室に山の麓に
 抜け道があったんですよ。」

「ふむ、左様か。して、その抜け道は如何程の規模なのだ?」

「え〜と……人が一人入れそうな程度の広さです。」

「そうか……じゃあ、俺達がそこを利用するとなると、
 必然的に少数精鋭での行動を取る事になる。」

「よいではないか。
 潜入{スニークイン}するメンバーは……
 そうじゃな…勇二、そなたと妾、
 そして美咲にマリーシアの
 4人が妥当なところであろうな。」

<鳳凰学園側の本陣の外>
(25 Warm glow)

 場所は鳳凰学園の本陣のテントの外に移る。
 そこではマリーシアが出陣までの間、
 待機するところとなっている。
 そんなマリーシアの近くを、
 人相{ガラ}の悪そうな二人組が
  何か談笑をしながら通り過ぎようとしていた。 

「てなわけでよ〜、
 政府の海軍中将がももんがに夢中でよ〜」

「ていうかよぉ、ネタもマイナー過ぎると、
 誰もわからねえから意味がねぇと思うでよ。」

「ん?あそこにいる娘っ子は……
 もしかしてあの黒い羽は……」

「いや、間違いねえ……!」

 二人が前を見ると、そこにはマリーシアの姿があった。

「もしもしかめよ、かめさんよ、
 そこの萌え萌えの美少女さん。」

「え…わ、私のことですか?」

「失礼でがんすが、その黒い羽、
 もしかして死魔根の歌姫、
 マリーシアさんでいらっしゃいやせんか?」

「え?…ええ…。でも何故私の事を?」

「へい、あっしらはエクレールのアネゴから、
 マリーシアさんの事をお聞きしておりやす。」

「え?何故エクレの事を……?」

「そりゃあもう……あっしはらアネゴの舎弟ですから!」

 そう言うと二人は姿勢を正し、
 マリーシアの前で頭を下げる。
 どうやらこの二人は
 オルレアン所属の特体生で、
 鳳凰学園に作戦の為の
 使者として来訪していたらしい。

「という訳でして。
 旧学連の奪回作戦にはアネゴも
 参戦していらっしゃるんでして。」

「そうだ、マリーシアさんも
 旧学連にいらっしゃいやすかい?
 アネゴもマリーシアさんに再会う事を
 一日千秋の想いで
 待ち焦がれていらっしゃいやすし。」

 その言葉を聞いた途端、
 マリーシアの表情からは満面の喜色が零れた。
 それも当然の事である。
 マリーシアは序章最終話 第一章「Noir&Branc」』
 真宿の魔界孔から飛ばされて以来、
 ずっとエクレールの事を探していたのである。

「ええ。是非お願いします……!!」

<旧学連の神威軍の後方の砦>
(32 terrible beat A)

 場所はラブミーテンダと黒狂乱美鬼の率いる
 神威軍団の砦に移る。
 そこでは中西姉妹と大二郎、
 扇奈と美亜子が率いる本隊が
 ラブミーテンダらの軍団と激闘を繰り広げている。

 ラブミーテンダには扇奈と剣道が当たり、
 黒狂乱美鬼には弓道と美亜子が
 主将の大二郎をサポートしている。

 扇奈と剣道はラブミーテンダの
 剛力に圧倒されながらも、
 三刀流とでも言うべき連携で
 何とかラブミーテンダの
 猛攻を凌いではいるものの、
 蟷螂の如き肢体を持つ
 ラブミーテンダには
 対人戦を前提とした剣術では
 思う様に戦えないのである。

 そもそも蟷螂というのは、
 古代中国でも拳法・蟷螂拳の
 モチーフとされているくらい
 戦闘力が昆虫族の中でも飛びぬけていて
 強烈な攻撃本能を持つ昆虫なのであり、
 小さな鳥すら捕食する蟷螂が
 巨大化した時の戦闘力は、
 巨象すら捕食する事さえ可能となる
 力を秘めているのである。

「考えてみたらコイツは野生昆虫みたいなもんなんだよね。
 対人戦のコソクな手が通用する訳無いよ。
 扇奈!アレ行くよアレ!!
パワーを刀身に!!

いいですとも!

 そう言うや否や、
 剣道は両竹刀の柄の端の部分をくっつけ、
 さながら竹刀を扇風機の
 羽根の様に回しながら
 ラブミーテンダの攻撃を往なしながら
 近付いていき……そして!!!

一撃必殺!!

 扇奈が弱点と思わしき胴に一撃をかます。
 これぞ愛と友情のツープラトン必殺技、
 <双龍流星剣>!!!

双龍流星剣
剣道は両竹刀の柄の端の部分をくっつけ、
さながら竹刀を扇風機の羽根の様に回しながら
相手のの攻撃を往なしながら近付いていき扇奈が一撃をかます技。
決して月の民の技では無い。
剣道と扇奈のタッグの時に4(貯め)61236+PK(パワーゲージ2本消費)

 これを喰らったラブミーテンダは
 地響きを立てて崩れ去っ……てねぇ!!?

「あれれ……これは随分マズイ展開になってきましたね。」

「そーだねー。」

 ラブミーテンダのカマによる攻撃は
 益々ヒートアップし、
 カマを振り下ろす動作の時に生ずる衝撃波、
 所謂鎌鼬による攻撃も加わり、
 益々二人は追い詰められていく。

 一方大二郎達は……
 大蛇の姿をした黒狂乱美鬼に
 大苦戦を強いられていた。
 弓を射るにも前からでも横からでも上からでも
 蛇の体は体積が狭く、
 中々命中しないのである。

 おまけに大二郎の格闘術も
 蛇の体には主王様に通用しづらく、
 3人は段々と窮地に立たされてしまっている。

「おどりゃあ!!」

 大二郎の通常技の大阪パンチに難波キック、
 六甲落しに食い倒れチョップが次々にヒットするが、
 蛇に対人用の格闘技が通用するかボケー!!
 と言わんがばかりに聞いちゃいねえ!
 
「マジかいなー?」

 うん、マジ。
 そこに扇奈と剣道が
 ラブミーテンダの攻撃で
 吹っ飛ばされてきて、
 奇しくも両者共に合流と相成ったのである。

 そして更にやばい事に、
 ラブミーテンダと黒狂乱美鬼は南斗!合体し、
 ラブミーテンダ黒狂乱美鬼となったのである。
 その姿は蟷螂の頭部から
 蛇が生えているという異形のバケモノである。

<神威軍団の前線の砦>
(33 terrible beat B)

 ところはまりもVSムラタの場所に移る。
 とは言っても既にまりもは
 ムラタに大敗してボロボロの状態であるが。

 一介の平特体生、
 しかも前の戦いでボロボロに疲れているまりもが
 無傷の神威四天王に敵う訳が無いのである。

「とりあえずTODOMEといく…かっ!?」

 まりもに止めを刺さんとした
 ムラタ・朱雀鬼の後頭部に
 いきなり衝撃が走る。
 それは南斗!!
 我らが主役・狼牙の放った飛び蹴り、
 狼舞星{ロブスター}である。

狼舞星{ロブスター}
斜め下に向かって蹴る飛び蹴り。
空中で22+K

「ざ……斬真狼牙あああ!!!!」

「よぉ、久し振りじゃねえかムラタ。」

「今の俺はムラタでは無い!!
 
グレエエエト!!!ムラタだッッッ!!!!
  早速主役が出て来やがって!!
  まあいい、積年の恨みを晴らすマンモスチャンスだ。
  貴様を返り討ちにしてやる……いや、してくれるわ!!」

「何でしてやる、からしてくれるわ、に言い直すんだよ?」

雰囲気が出るからに決まってお狼牙。
 者共!出会え!出会え!」

 ムラタが指を鳴らすと周りから
 刀を得物とした中堅どころの魔族が
 わんさかと沸いて出た。
 おそらくはムラタ直属の魔軍であろう。

「構わん!!そこにいる曲者を斬れ!!
斬って捨てい!!!

 ムラタが指示すると、
 周りの連中は一斉に刀を構え、
 慣れた動作で狼牙を取り囲んでいく。
 その様はまるで時代劇の主役を取り囲む悪代官と
 その手下の刀の錆共そのまんまである。

「どこの悪代官だよオメーら?」

「お前達、やっておしまい!!」

 ムラタの号令と共に刀の錆共が狼牙に向かって
 一斉に斬りかかって行く。


≪しばらくお待ち下さい≫


 多少苦戦するものの所詮は
 刀の錆では狼牙の敵ではなく、
 全員凹られてしまいま。

「ちっ、所詮は刀の錆よのう。
 マンモス使えねえ奴らだ。
 こうなればこのグレートムラタが
 直々に
返り討ちにしてくれるわ!!

「能書きはいいからとっととかかって来な!!」

いきなりムラタ怒号撃!!

 狼牙VSムラタの対戦カードが成立したと同時に、
 ムラタがムラタ怒号撃を繰り出してくる。
 しかし、狼牙は主役であり、

ドラァ!!

 その強撃を狼輪腿{ローリングソバット}で阻止し、

ウルフファング!!

  ウルフファングを繰り出す。

狼輪腿{ローリングソバット}
右回りに回転しながら飛び上がり、
回転の勢いを生かして自分の右足の裏で相手を蹴り付ける技。
晋の時代の狼輪という拳法家が多用していたとされ、
ローリングという言葉はこの拳法家が語源というのが
近年では一般的である。
有栖書房刊「中国拳法と回転学」より
6+K

ウルフファング
片拳で殴りつけ、当たるとその拳を相手に押し付け、
発剄の技法で敵を吹っ飛ばす。
その際使う腕をもう片方の腕で押さえる。
236236+P(パワーゲージ1本消費)


 いきなり大技のウルフファングを
 繰り出すというのは
 少々アレかも知れないが、
 相手はムラタとは言え
 一応神威四天王の一人であり、
 油断の出来ない
 強敵である事に変わりは無い。
 しかし……

いてぇよぉぉ〜!!

 ウルフファングが
 朱雀鬼の体を貫いたかと思うと、
 ウルフファングの衝撃が
 朱雀鬼の体に包み込む様に消え、
 結果狼牙は朱雀鬼の柔らかな胴体に
 自分の腕を減り込ませる体勢となる。

 そのビッグチャンスをムラタが見逃す筈は無く、
 朱雀鬼の張り倒しで狼牙を張り倒してしまう。

「ウェーハッハハ!!
 見たかこれぞ護国院に伝わる
 秘術・秀武{ひでぶ}の一つ<夷体妖>!!
 この朱雀鬼の体は外部からの衝撃を
 全て柔らかく包みこんでしまうんだよ!!
 だからお前の拳も俺に届く前に
 全て肉厚に吸収されてしまう訳さ!!」

夷体妖{いていよう}
相手の上段または中段判定の攻撃を
腹の筋肉で掴んで弾き飛ばす当て身投げ系技。
動作中は飛び道具を跳ね返すことも可能。
214+P


 ムラタの言った通り、
 朱雀鬼とムラタにはダメージは無く、
 むしろ仕掛けた狼牙が
 大ダメージを受けてしまっている。
 狼牙の攻撃の主体は
 徒手空拳による打撃戦が主体であり、
 打撃による攻撃に耐性の有る
 朱雀鬼相手にはかなり相性が悪い……
 いや、最悪の組み合わせと言える。

「だがここでおめおめと引き下がってられっかよぉ!!」

 狼牙はそう言うと一足飛びの間合い詰めで
 朱雀鬼の懐に入ろうとするが……

「そんな手がつーじるかボケェ!!」

 とそれを呼んでいたムラタは
 朱雀鬼の豪腕による張り手をかます。
 狼牙は間一髪スライディングで
 その張り手をかわし……

行くぜ、摩天狼!!!

 伝説の格闘家ライユーの醤油拳に似た
 対空式のウルフファングこと摩天狼を
 朱雀鬼の伸び切った
 右腕の関節に対して打ち込む。
 朱雀鬼の右腕は摩天狼により
 ゴムの様に伸びかけ、
 そして……朱雀鬼本体から
 千切れ飛んでしまう。


摩天狼
片拳で殴りつけ、当たるとその拳を相手に押し付け、
発剄の技法で敵を吹っ飛ばすウルフファングの対空技。
伝説の格闘家ライユーの醤油拳に似た技である。
623623+P(パワーゲージ1本消費)


「ぐわっ!!朱雀鬼の右腕が……!!?」

「どうでぇ!摩天狼一発で右腕一本、かなりのダメージを……」

「ぬわああんちゃって!!
 残念だったな斬真狼牙!!
 この朱雀鬼は生身の肉体と違って
 苦痛みというものが存在しねえんだよ!!
 それに……ライトアーム、カムヒア!!」

 ムラタが号令をかけるや否や、
 後ろから一本の右腕が投げ込まれ、
 新たな朱雀鬼の右腕になっていく。
 朱雀鬼は中から糸によって
 操られているだけの人形に過ぎず、
 いくらでも替えが利くのである。

「何じゃそりゃあ!?じゃあ、摩天狼は撃ち損って事かよ!?」

「その通りだよ、良く理解ってんじゃん。
 俺を誰だと思ってる?
 伊達に四天王は名乗っちゃいねぇんだよ!!
 打撃技が主体のお前にこの朱雀鬼を………」

「成る程な。伊達に四天王を名乗っちゃいねえ訳だ。
 どんな手段{て}で強くなったのかは知らねぇが……
 こっちだって主人公だ、
 ハイソーデスカと負ける訳にはいかねぇんだよ!!
 神威との決戦の時まで温存しておこうと思っていたが、
 しょうがねえ……
おおおおおお………!!!!!

 狼牙はそう言うと、
 いきなり自分の両肩の
 秘孔を突いて咆哮し始めた。
 そう、これが新たなるパワーアップ技、
 激振哮{げきしんこう}である。
 見ると狼牙の全身から勝気煙と呼ばれる煙が
 見る間に噴き出しているではないか。

激振哮{げきしんこう}
両肩の交感神経を刺激して
心筋の収縮力と心拍数を爆発的に増大させると同時に、
迷走神経を遮断して心拍数の減少を阻害する事により
心臓の鼓動を急激に増加させる技。
使用時には体から勝気煙と呼ばれる煙が噴き出し、
圧倒的な身体能力を得られる。
常人は無論鍛えられた特体生でも
心臓が張り裂けてしまう程の高血圧になるが、
狼牙は特体生能力「天狼」により心臓をはじめとする各種内臓や骨、
体内の血管までもが強化されているので無事でいられる。
奇跡の町の朱鷺(仮名)という自称天才のマッドドクターが
人体実験の末に編み出したと言われる曰く付きの技で、
この技を極めた者は海賊の王になれると言われる。
222+PPP(パワーゲージ1本消費)


「成程……血流や心臓の鼓動を
 常人の数倍にして身体能力を上げる荒技か。
 しかしそんな真似をすれば
 いくら特体生と言えども……」

「だが、特体生能力・天狼により、
 身体能力を100%出し切る事が出来る
 俺の心臓や血管なら話は別だ。
 激振哮を使った俺はひと味違うぜ。
 
ドラァ!

 狼牙の手刀版ウルフファング、
 蛮暴狼{ばんぼろ}がきらりと光り、
 朱雀鬼の胴体に深い斬傷を叩き込む。
 中のムラタには届かなかったものの、
 胴体部分である為、
 四肢の様に取り替えると言う訳にもいかず、
 かなりのダメージを与えたのも
 同然であると言える。

蛮暴狼
片拳で殴りつけ、当たるとその拳を相手に押し付け、
発剄の技法で敵を吹っ飛ばすウルフファングの手刀版。
ウルフファングが横
一直線なら、こっちは縦の曲線である。
623623+K(パワーゲージ1本消費)

「ドラドラァ!」

 更に手刀のジャブと足刀のローキックの
 コンビネーション技の射舞狼{ジャブロー}から

ドラドラドラドラァ!!

 手刀の嵐を繰り出す狼牙生誕{ウルフマザー}を
 次々と叩き込んでいく。

射舞狼{ジャブロー}
手刀のジャブと足刀のローキックのコンビネーション技。
小P・小K

狼牙生誕{ウルフマザー}
手刀の嵐を繰り出すオラオラ百烈系の技。
連打

「こ…こいつぁマジ宇宙的に
 マンモスやべぇんちゃうん!!?
 こうなったら……
うぎゃぴい!!

 そう言うとムラタは、
 朱雀鬼の両腕をゴムの様に柔らかくし、
 狼牙の両手首を掴んで
 ブランコパスガードの態勢を取り、そして…

食らってくたばれ!

 その状態からロケットキックを放つ。
 これぞ<人体スローイング>。
ぐぇっ!!中々やるじゃねえか!!ドラァ!!!

 反撃の蛮暴狼が朱雀鬼の腹部に叩き込まれる。
 だがムラタも負けずに

「喰らえムラタ怒号撃!!」

 とムラタ怒号撃をぶちかます。

「俺をウルフファングだけの馬鹿だと思うなよ!!
 ウルフファングは正拳突きを昇華させた技で、
 用途と状態によって
 幾つかのバリエーションが有るのさ!!!」

 こうなると最早戦略・戦術、
 そして小手先の技等は意味を為さなくなり、
 勢い消耗戦に突入する事となる。

人体スローイング
手を伸ばして相手を掴む打撃投げ。
ヒットすると相手の両手首を掴んでブランコパスガードの態勢を取り、
ロケットキックをかます。
4(貯め)6+K

「ドラドラァ!!」

コケー!!

喰らいやがれ!!

ケキャー!!

 はっきり言って怪鳥の泣き声に似た叫び声が回りに轟いている。

ア〜タタタタタタタ……

 そして突如狼牙が
 朱雀鬼の腹部にパンチの連打を叩き込む。
 しかし朱雀鬼には打撃技は
 通用しない事は先刻承知の筈だ。

「アホダマー!この朱雀鬼に打撃技は通用しねぇと……」

 
ところが!
 恐るべき速さの連打に
 朱雀鬼の腹部の肉壁は掻き分けられていき、
 ムラタの本体に当たる薄さとナッティブル。
 これぞ<秘拳・喧死狼{けんしろう}>!!

秘拳・喧死狼{けんしろう}
高速の蹴りを腹に叩き込むことによって邪魔な肉を押し分け、
その肉が元に戻る前に素早く狼牙・零式を突いてしまうという技。
小P・小P+中K+236+P(パワーゲージ1本消費)
(追加入力)236236+P(パワーゲージ1本消費)
狼牙・零式{ウルフファング・ゼロスタイル}
密着状態から上半身のバネのみで繰り出す強力なウルフファング。
因みに投げ技扱いになる。
ウルフファングは正拳突きを昇華させた技であり、
用途と状態によって幾つかのバリエーションが有る。
通常の「ウルフファング」斜め上から振り下ろす「蛮暴狼」
対空迎撃用の「魔天狼」そして奥の手の「狼牙・零式」である。
236236+P(パワーゲージ1本消費)


終ワッタァー!!

させるかヴォケー!!」

 狼牙のトドメのウルフファングに対し、
 ムラタは兆・夷体妖を放つ。
 そして立っている者は………ムラタだった。

兆・夷体妖{ちょう・いていよう}
相手の上段または中段判定の攻撃を
腹の筋肉で掴んで弾き飛ばす当て身投げ系技の強化技。
相手を肉で包んで押し潰す
玉帯功の奥義。
214214+PP(パワーゲージ2本消費)

「ゼェーッ、ゼェーッ、ゼェーッ、
 
ヤバイゼェーッ!!
 
ヤバクテシヌゼェーッ!!
 死魔根での激戦と刀の錆共の戦いで
 コノヤローが消耗してなけりゃあマジヤバだったぜぇ!」

<神威軍の前線の砦>
(ORISINAL SONG26.Terrible beat-Remix Bout)

 その頃、エクレールは破国院に対し、
 大苦戦を強いられていた。
 と言うより傍から見れば大苦戦どころか
 立っているのがやっとの状態なのに対し、
 破国院は多少手傷を負っているものの、
 破国院本人にしてみれば
 かすり傷の様なものであると言えよう。

「ホーリーフレイムの者共は一人たりとも生かして措けぬ。
 何、心配はいらん。後でジャンヌも送ってくれようぞ。」

 破国院がエクレールに
 トドメを刺さんとしたその時である。

「変態…もとい大変だ!!」

 その時、何の脈絡も無く、
 いきなり狼牙と一緒に行動を取っていた筈の
 藤原雲水がやって来た。
 援軍か?と思いきや……
 援軍にしては表情が顔面蒼白である。

「雲水〜、オメーこんな時にどこで油を売って……」

「それどころでは無いのだ狼牙!!
 奴だ!……
奴が来るんだ!!

「や、奴って誰の事だ艦長!?
 
鳥か?飛行機か?

「いや、
太い彗星のケツアゴ
 ……じゃなくて、何かとんでもない奴がやってくるんだ!!」

 しかし雲水の言葉が終わらぬうちに、
 《それ》は空を飛んでやって来た。
 それは異様そのものな男だった。

(ORISINAL SONG44.Distruction Seal)
 顔形は狼牙に瓜二つであるが、
 白人のそれとは全く質を異にする
 病的なまでに青白い肌、
 筋骨隆々とした長身、
 その巨躯に纏いしは数枚の襤褸{ボロ}布、
 腰まで届く深青{ディープブルー}の長髪、
 無機質な迄に表情を表さない貌からは
 圧倒的なまでの非人間的な
 威圧感を周りの全員に与えていた。

 そして周りの者が敵味方の区別無く直感していたのは……
 
の一文字である。

「破国院よぉ、ありゃ何なんだよ?
 いきなり何の脈絡も無く現われやがって。」

「さあな……だがムラタよ、
 あれはどうやら狼牙軍団だけでなく。
 我々にとってもかなりマズイ存在の様だが……

「ヤバいってオメー……ていうか、
 俺らの部下共が片っ端から殺られてんじゃん!」

 ムラタの言う通り、その男、
 取りあえずは巨漢と呼んでおくが、
 その巨漢は襲い来る神威軍団の雑兵共を
 チンピラ共を蹴散らす拳の王の様に
 次々と剛拳で屠り去っている。

「おい狼牙!!ここは一時休戦だ!!
  一緒にあの美白マッチョをブチのめすんだよ!!」

「だがよ、俺は一先ず駄目だ。
 オメーにやられたおかげで
 数週間は寝たきりスズメだ。」
 ムラタの一時強力の呼びかけに対し、
 狼牙は重症で動けない事を理由に拒否する。

「いいじゃねえか。
 ここはこの阿寒湖まりもとエクレールの
 ゴールデンペアに雲水、
 でもってオメーらでオメーの言う通り、
 ここは一旦停戦してあのフンドシヤローを〆るぜ!!
 いくぜオラァ!!」

 威勢のいい号令と共に
 まりもが巨漢につっかかるが……

あんみら!!

 右手の無造作なハエタタキびんた一発で
 まりもは蠅の如く吹っ飛ばされチマー!!

「なにぬね!!?パッと出の新キャラの癖に生意気な!!
 芸能界は上下関係が厳しいんだぞ!!
 ぬおお!行くぞ
秘拳銀流星!!

 次にムラタの朱雀鬼が
 火を噴くヨガ行者の如く右腕を伸ばし、
 それを振り払おうとした巨漢の全身に絡みつく。

秘拳銀流星
右腕を伸ばし、それを振り払おうとした相手の全身に絡みつかせる秘拳。
214+P

「かかったな!!
飽和鎖万獄!!

 そして朱雀鬼の口から無数のアラミド繊維の糸が
 巨漢の全身を縛り上げる。

「どうだ!!これでもまた闘えるとほざくか!!?」

 いや。そのほざくかって言っても……
 そいつ一言も喋っとらんねんけど。

飽和鎖万獄
朱雀鬼の口から無数のアラミド繊維の糸を発射して
相手の全身を縛り上げる技。
銀流星中に214+P

やかましかばい!!
 とどめだ
剛勇甲捨拳!!!
 脳天叩き潰してくれるわ!!!」

 巨漢が動けないと確認すると、
 朱雀鬼の左腕のハンマーパンチを
 巨漢の頭に叩き落す。

剛勇甲捨拳
強力なハンマーパンチを相手の頭に叩き落とす。
飽和鎖万獄中に214+P

 
手応え充分!!!!!!!!!
 ムラタは目の前の砂埃の中に
 潰れたトマトがでけあがっとるのを確信するが、
 そいつぁ敗北フラグだ。

 巨漢は力尽くで体を
 雁字搦めに縛ってある右手を千切り、
 朱雀鬼のハンマーパンチを受け止めていた。
 だから言わんこっちゃナッサブル!!

  巨漢はそのまま朱雀鬼の
 左腕の手首を両腕で掴み、
 そのままジャイアントスイングに移行する。
 朱雀鬼は凄まじい速さで振り回され、
 遠心力が最大輪に達した時に
 岩山に叩きつけられてしまう。

 狼牙との戦闘では狼牙の疲労負傷から、
 何とか勝利をもぎ取ったムラタだが、
 今回は自分が疲労負傷のせいで
 殆ど傷を負わせる事も出来ず、
 一方的にやられてしまう。

 破国院と雲水はそれを見て一瞬怯むが、
 瞬時に気を整え、巨漢に挑みかかる。
 神威四天王一人と全学連のトップクラスの特体生が
 ツープラトンでかかっても
 巨漢は一向に劣勢の色を見せず、
 更に動くに冴えを見せる。

 急造タッグとは言え、
 二人は結構息やコンビネーションも合っており、
 いかに巨漢と言えども苦戦は免れない筈……である。
 そして破国院との戦いでボロボロになった筈の体を
 無理やりリカバリーさせてエクレールが巨漢に戦いを挑む。

 破国院とエクレールの剣術と
 雲水の符術により。
 巨漢は次第に追い詰められていくかに見えた。
 だが巨漢は怯む様子を見せず、
 いきなり頭上で両手を交差させたかと思うと、
 おもむろに足元の地面に対して
 叩きつける様に両手を振り下ろす。

 そるとどうであろうか、
 間欠泉から水が吹き出るかの如く、
 Bパワーの波の本流が三人を強襲する。
 アリスソードを正眼にかざし、
 エクレールの方は何とか凌ぎきったが、
 破国院と雲水の二人はモロに奔流の直撃を受け、
 後ろの壁に叩きつけられてしまう。

 しかし、ちょっと待ってほしい。
 ちょっと前にも言ったが、
 この二人はそれぞれの陣営で
 トップクラスの強者だ。
 それがいとも簡単に戦闘不能に陥る訳が……
 と思う暇も無く次の展開へと移る。

でええええ〜〜〜っ!!

 大技の後で隙だらけの巨漢に
 エクレールはまるでヤクザが
 ターゲットの相手の腹に
 匕首を突き立てる様な感じで
 ダッシュして行って
 ドテッパラに剣を突き立てる。

 もしかして大金星でタマとったぁ……訳が無く、
 刃先は精々1pにも満たない程にしか
 突き刺さっていないではないか。
 
駄目じゃあんか!!

 いや……ここは雲水ら二人でさえ
 ダメージを与えられずに
 翻弄された巨漢に対し、
 重症の身でありながら
 それだけ傷を負わせる事が出来た
 エクレールにこそ特筆すべきであろう。

 だがそれが徒になろうとは……
 思わぬ反撃を受けた巨漢は
 咄嗟に反射的に本気で反撃をしてしまう。
 Bパワーによる奔流をまともに受けた
 エクレールはもろに吹っ飛ばされ、
 悲鳴を上げる暇も無く、
 後ろの意思壁に強烈に体を打ち付ける事となる。
 Bパワーの波による衝撃と、
 壁に叩きつけられた時の衝撃によるダメージを受け、
 エクレールの瞳孔ははっきりと開ききっている。

 つまり……

うああああああ!!!!!

 突如今まで気絶していたまりもが
 棒術をもって巨漢に猛襲をかける。
 エクレールが…朋友{ポンヨウ}が
 瀕死の目に遭わされたのを目の当たりにし、
 まりもの体には火事場の馬鹿力にも
 匹敵する力が加えられる。

 だが所詮まりも一人で
 どうこう出来る相手ではなく、
 またもや平手打ちで吹っ飛ばされ……

 「特体生に同じ技が二度通じるとお……」

 るかと思いきや、
 しっかりと如意棒でガードするが、
 その瞬間……二代目の天功か
 カッパの秘術が炸裂したかの如く、
 まりもは跡形も無く消し飛んでしまった。

 そんなバナナの涙!!
 まるでマジックショーの魔術師が
 対象をマジックで消す様に
 消してしまったのである。
(SEドク……ドク……)

 その時である。
 心臓の鼓動にも似た不気味さ大爆発の
 恐ろしい音が聞こえてきた。
 それはまるで闇の底から
 聞こえてくる様な恐ろしい鼓動……、
 そしてそれと連動するかの如く、
 瀕死のバッドステータスの
 エクレールの体が蠢き始める。

 いや……その不気味な音の根源は
 エクレールからであった。
 そうこうしているうちにエクレールは
 仰向けの状態から立ち上がったのである。

 いや……立ち上がったというよりも、
 横に倒れた棒が起き上がるのに似ている、
 何とも異様でいて不可思議な
 立ち上がり方であった。

 一言で言えば体の関節を
 一切曲げずに起き上がる感じだ。
 それに伴ってエクレールの体で
 ある異変が起きつつ……
 いや、既に起きていた。

 体毛は前の青に近い水色から一転して
 赤白く燃える様な色になり、
 それに反比例するかの如く、
 肌の色は黒金を焼いたかの如く
 赤銅色になり、
 そして巨漢と同じく非人間的な雰囲気を
 漂わせる存在になっていた。

 そう……まるで汎用人型兵器を
 目の当たりにしたさまな雰囲気である……。
 一言で言えば昔はやったガングロヤマンバを
 髣髴とさせる外見だ。
予告
斬真狼牙「ガングロヤマンバと化してしまったエクレール……
       そして俺に似た謎の巨漢……
       二人の恐るべき激闘が始まる。
       そして遂に第一章が完結する。」


魔神勇二「次回大番長AA『第一章最終章  「稲妻 暴走」』」
狼牙軍団全員「立てよ人類!!

今週の特体生
グレート・ムラタ(大番長)※敵キャラ専用
体力 経験 信頼 距離 気力 攻撃 命中 回避 治安 収益 給料
155 普通 5
150 148 97
スキル 属性 対属性
夷体妖 黒魔 魔族
夷体妖〜受けるダメージの三分の一を無効にして
       その分相手にダメージを与える

後書き
今回は旧学連本部での戦いの前編を書いてみました。
四天王も二人出ています。
色々な伏線も張っています。

んでもってエクレールがガングロになっています。
次は謎の巨漢と対決させるつもりですし、
話を大きく展開させるつもりです。

狼牙(以下R)
「おいちょっと待て!何で俺がムラタに負けるんだよ!!?
 おまけに大分出番が無くなりそうだし。」

管理人(以下K)
「まあなんだ、ドラゴンボールで悟空が19号に負けたみたいなもんだ。
 そう思ってくれないか?」

R「なんじゃそりゃ?」

K「悟空が出ずっぱりなら他の脇キャラが出番が無くなるじゃん。
  それに真打ちはここぞというところで出番が来るもんだし。」

R「そうか?じゃあ我慢してやるがよ……。」




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