真・闇の会夢幻格闘化計画{Dream Duel Project}大番長After.Age表紙
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第一章その三  「Battle From MOCCOS」

第一章その三・新規登場人物
三輪坂 真言美
夜が来る!に出場。
亮の後輩で、高位の術を扱える「言霊」の能力者。
使用武器はMDを呪文書代わりに、術で戦う。
デコロリである。

デス
ピエロ
オリジナルキャラクター。
名前は闘神都市Uの
出場名簿の「デスピエロ」から取った。
デスは漢字で喋れない脳筋中級魔族。
ピエロは双子の弟で知性派中級魔族。
まあ使い捨ての噛ませ犬である。
5秒CM
三輪坂真言美
「ハイ、大丈夫です。 今日のAAもバッチシですよう♪」
<狼牙の部屋>
(08 Make me funky)
 朝は早い。
 この俺、斬真狼牙はきらめく朝日の中、
 モーニングの一時に
 焼きソバパンとフルーツ牛乳を堪能し、
優雅なひと時を過ごしていた。

 え?焼きソバパンと
 フルーツ牛乳じゃ全然優雅じゃねえ?
 せめてトーストとコーヒーくらいじゃなきゃ
 優雅とは言えねえって?

 まあそう固ぇ事言うなって。
 そう……今日はクソッタレの魔族から
 我々人類の手に熊元を
 奪回する為の戦が始まる日だ。

 参加組織は火者の者に姫夜木研究所、
 そして三国の面々が参戦する。
 一応俺が主役だから
 活躍するところで活躍しとかねえと、
 あのエクレール中毒患者(末期)の作者
 すぐにエクレールを出したがるからな。

(SE.トントン)

「誰ジャラホイ?」

「俺だよ俺。」

「俺って誰だよ?まさかオレオレ詐欺?」

「ぢゃねえって。
 オレオレ詐欺はネタとしては
 賞味期限がもうとっくの昔に切れてるぞ。
 俺だよ、毛利尊拳。」
「何だ、尊拳か。」

 俺が部屋の扉を開けると、
 其処には毛利兄弟の弟の尊拳がいた。
 いつもはエロゲーの情報や
 コミケでの男性向け同人誌の
 情報を交換し合うところだが、
 さっき言った通り、
 今日は熊元奪回の為の戦に出陣する日だ。

 尊拳が来たのがその戦の出陣に
 俺を誘いに来たという事なのは
 容易に察する事が出来るだろう。

「という訳でだ尊拳、出陣の準備は整ったのか?」

「おう、任せときな。あんな連中一ひねりであぼーんだ。」

「へっ、頼もしいじゃねえか。」

「後十分で作戦会議だから遅れずに
 に統合本部の作戦会議室に来いよ。」

「わーってるって。」

 という訳でだ。
 後の話の進行は作者に任せるぜ。

<統合本部・作戦会議室>
(27 All the time)
 狼牙達は統合作戦本部の
 作戦会議室に集まる事となった。
 狼牙が周りを見渡すと、
 火者側には総長の羽村亮と、
 その脇にはそれぞえ火倉いずみ、
 三輪坂真言美が控えている。

 そして三国からは毛利兄弟が、
 姫夜木研究所からは
 究極のオタク魔窟堂野武彦、
 射撃の達人である
 四条沙羅沙に四万十沙織、
 柔道の達人である
 ロリ娘の八神ちょこが控えている。

「取り敢えずは全員集まった訳だが。
 早速本題に入りたいと思う。
 今回の目的は熊元の要である熊元白の奪回と
 その周辺の鎮撫及び治安の回復、
 そして熊元の魔界孔の妖滅封印だ。
 とりあえずは熊元の地図を見て
 作戦の内容を説明しようと思う。
 ユキ、熊元の地図のホログラフィーをキボンティーヌ。」

「うん。」

 前置きを終えた狼牙がユキに
 熊元の地図の展示を指示すると、
 ユキは熊元の地図を
 ホログラフィーの機械に入れて
 地図を壁に掛けられていた
 スクリーンに投影する。

「まずは標的の熊元城についてだが、
 知ってのとおり熊元城は堅牢で知られる城だ。
 正攻法で行っても石垣や堀や城壁に
 悪戦苦闘しているうちに場内から
 狙い撃ちされるのが落ちだし、
 城の横や後ろにも隙らしい隙が名古屋のきし麺。
 オマケに相手は八門光狩の陣を敷いていて、
 常時城を固めていると来た。」

八門光狩の陣
休・生・傷・杜・景・死・驚・開・の
八門からなる陣。
生・景・開門から入れば吉で、
傷・休・驚門は痛手を負い、
杜・死門は死が待っている。

「そこでこの毛利尊賢の提案でだ。
 正面から攻め込むと見せて、
 一番右端の入り口を奇襲する事になった」

「でもなんで?
 戦力を分散したらますます不利になるし〜。
 ちょこちゃん全然わかんない。」

 尊賢の提案に対し、
 ちょこはふと思った疑問を尊賢にぶつける。

「ふむ、それはいい質問だちょこ君。
 いいか、戦闘というものは、
 只闇雲に攻めればいいというものではない。
 只単純に攻めれば
 地の利を制した相手にしてやられるだけだ。
 だが、戦には駆け引きというものが有る。
 正面からの攻撃を数回繰り返し、
 敵の視点が正面に向いたところで
 八門光狩の陣の弱点である
 右端の門から攻め込めば、
 八門光狩の陣は
 一瞬にして崩壊するだろう。
 そして熊元城の天守閣に発生した
 魔界孔《マルクト》を
 妖滅する算段になっている。」

「で、正面組と右端組のメンバーは決まっている訳?」

「ああ。正面組は姫夜木研究所と
 火者と弟の尊拳に担当して貰う。
 もし上手くいけば右端組の
 誰かに正面の門を開いて貰い、
 正面組にも本格的に
 参戦して貰う事になる。」

「乙カレ〜。瑞貴ちゃん特製のウルフカレーだよぉ。」

「おう、遅かったじゃあんか。」

 ここで人数分のカレーを持ってきた堂本瑞貴が現れた。

 実はこの会議は熊元奪回の為だけでは無く、
 その後のアフターケアー、
 即ち熊元周辺の鎮撫や治安の回復まで
 念頭に入れた会議であり、
 会議が長期化すると踏んだ狼牙は、
 瑞貴に指示して人数分の
 カレーを作らせたのである。

「強いて言えば、もう少し辛い方がいい気もするけど……」

「いずみさんは相変わらず辛党だなぁ。」

「センパイセンパイ!このカレー、ラム肉入ってますよ!」

「わぁ〜い、ちょこちゃんカレー大好き〜。」

「このまったりとしてしつこくない味が
 口の中で渾然一体となって奥深い風味を作っている。」

「まるで可憐な美少女の様にまろやかな味ね。」

 それぞれカレーに対する感想を述べている。

「そう言えば、貴女中々可愛いわね。」

 と、瑞貴に対して熱い視線を注ぎながら囁く者がいる。
 周りがその声の主に視線を移すと、
 それは姫夜木研究所の四万十沙織であった、

「『そういや、まりもに聞いた話しでは、
  姫夜木研究所の二人は
  男嫌いのレズッ娘だったっけ。』
 ちょいまち!まさかオメー、
 もしかしてナンパのつもりか?」

「人聞きの悪い事を言わないで頂戴。
 今値は恋愛における進行目的の
 交渉をしているところよ。」

 ていうか、それがナンパってやるじゃあんか。

「え〜、そんな急に言われてもぉ〜、瑞貴ちゃんマイッチング〜。」

 沙織の熱烈なアプローチに対し、
 瑞貴は戸惑いながらも抜け目無く
 脳内ではしっかりと恋愛占いを展開している。

「なぁ、作者。」

 何だね、狼の字?

「第一、このAAといい、他の二つのSSといい、
 何か女同士でイチャイチャしている描写が目立つな。」

(18 comical)
  まあね。
 少なくともエロシーンでは
 異性愛は一切描写しない積りだから。

「おいちょっと待ッタリーノ!!
 だとしたら俺のエロシーンはナッサブルかよ!!?
 仮にも主役だぜ!!し・ゅ・や・く!!」 

 何いっちょるばい、当たり前だのクラッカーだよ。
 他人が書くエロならともかく自分がエロを書くとしたら
 異性愛よりも女の子同士のエロの方が楽しいじゃあんか。

 どうしてもってんだら
 ランスみたいに女体化すれば考えないでもないがね。
 股間にビッグバンがないです!!
 みたくね。

「みたくぢゃねぇよ、みたくぢゃ。」

 これ以上会議に
 放送時間を取るのもアレなので、
 次にいってみよー。

「ダメだこりゃ!」

<熊元〜熊元城>
(35 Kamui @)
 ところは熊元の魔族の拠点、
 熊元城に移る。
 そこでは昼夜問わず
 特体生の殴り込み{カチコミ}に
 対する警備がしかれており、
 いつでも臨戦態勢に入れる様になっていた。

「ふぁ〜あ、今日も何の以上も無く終わるみたいだな。」
「ああ、そうだな。今日の任務も後10分で終わりダァ。」

 城の周りを見張っている見張りの二人の魔族、
 便宜的に太郎(仮名)と次郎(仮名)にしておくが、
 二人の脳内は勤務終了時にいくであろう
 居酒屋「赤提灯」の事で一杯であった。

「なぁ太郎(仮名)。」

「何だよ次郎(仮名)?」

「もし神威様が世界の覇者となられたら
 我々神威軍団の天下だな。」

「そうそう、ヤリたい放題し放題だぜ。」

「ああ、そうさ。そうなれ…ばぁ!!?」

 神威による世界制覇がなった後の
 自分らの待遇を妄想……想像していた時、
 その前に南斗!!?狼牙軍団が現れたではないか!!!

「と…といとととと特体生共だああああ!!!」

「ちょ、ちょっとまってちゃぶ台返し!」

(32 terrible beat A)
 太郎(仮名)が突然現れた
 狼牙軍団に慌てふためいていると、
 次郎(仮名)が勤めて
 冷静に狼牙軍団に話しかける。

「ちょ、ちょっと冷静に。
 クールダウン、クールダウン、プリ〜ズ。
 俺達ゃ後五分で勤務時間が終わるんだ。
 だから後五分だけ待ってくれ!!」

「ほう、中々虫の言う事を言うでは内科の看護婦。
 それとも時間稼ぎの積もりか?」

 この部隊の指揮を取っている魔窟堂は
 太郎(仮名)の申出に対してこう切り返す。
 太郎(仮名)の発言が
 信用ならないというのは明らかだが。

「マジ!マジ!ほらほらタイムカードだって有るし!」

「なるへそ。それなら仕方がナッサブル。」
  という訳で五分遅れて熊元への
  偽襲{フェイクアタック}第一弾を
 決行する事となったのであった。

<熊元城〜天守閣>
「デス親分!ピエロ親分!」

「なにごとジャラホイこぶんA?」

 場所は変わって熊元城の天守閣に移る。
 そこには双子の魔族の将、
 略して魔将デスとピエロという者が
 城主として赴任していた。

「変態、もとい大変です!
 と、特体生共が当城を襲撃してマンボ!」

「ナヌー!!ふとどきなとくたいせーどもめ!!
 そっこくしろからしゅつじんして
 かえりうちにしてくれるわ!!」

「待ちなさいデス。
 何も城から打って出るというまねをせずとも、
 この堅牢な熊元城と八門光狩の陣さえあれば
 奴らはこの熊元城に入る事も出来ますまい。」

 血気に逸り城の外に出陣して
 短期決戦にて一触鎧袖で狼牙軍団を
 屠りさらんとするデスに対し、
 ピエロは熊元城と光狩の陣の
 堅牢さを利した篭城作戦を主張する。

「我々の使命はこの城を奪回される事を防ぐ事です。
 よって専守防衛こそが最善の手段でしょう。」

「しかしだな、
 でばなをくじいてからでもおそくはねぇだろ!!
 おれだけでもいったいをひきいて
 やつらのでばなをくじいていてやるぜぃ!!」

 しかし飽くまで専守防衛を主張するピエロに対し、
 デスは一戦交えてから篭城策を取るべきと
 頑として聞き入れようとしない。

「判りました。お好きになさい。」

ヒャッハー!!いくぜヤロウども!!」

<熊元城の前の丘>
 (ORISINAL SONG03.Zengakuren)
 その頃、魔窟堂率いる陽動部隊は、
 熊元の前の丘に待機していた。

「よし、そろそろ第一次陽動攻撃の時間だな。」

「大変だ!!」

「ナンジャラホイ?」
 軍議も終わり、
 いざ熊元城への第一次陽動攻撃に
 移ろうとしていたところに
 尊拳が血相を変えてやってきた。

 言うまでも無い事だが、
 デス率いる一隊が迎撃の為に
 出陣してきた事を知らせる為だ。

「そうそう、その通りだ。大変だぜ爺さん!!
 ついさっき今し方城から魔軍が出てきやがった!!」

「ナヌー!!?
 ふふふふふふふふふふ、ふが10で豆腐。
 それは好都合な事ではないか。
 ヤツラに堅牢不陥の熊元城に
 一方的に篭られたらかなり梃子摺るが、
 一旦外に出れば料理するのは思いのまま。
 それを何もせずとも奴さんの方から
 やってくれるのというんだから、
 こんな美味しい話は他に有るまい。」

「でも……それが敵の罠の
 可能性である事も否定出来ないわ。」

 魔窟堂の見解に対し、
 軍団の参謀格である沙羅沙が意見を述べる。

 それはわざわざ城から打って出るという
 敵の行動が妙に可笑しく、
 敵の罠であるという
 可能性を考慮しての意見である。

「ふむ、確かにその意見も一理有る。
 だが、虎穴に入らんずば虎子を得ず、
 と言うではないか。
 ここは目の前の奇貨を得ようではないか。
 うまくいけばそのまま城を落とせるやも知れん。」

「あたいとしては勝子も得たいわね。」

「とらこではなくこじ。
 それに城主の一人デスは
 猿藤以上の脳筋マンと聞くぞ。」

「判ったわ。そこまで言われちゃ仕方が無いわね。」

<熊元城下>
(ORISINAL SONGTerrible beat-Duel Soul Version)
「よーきたのー、
 ていのうDQNのとくたいせーども!!
 なにをちまよっったんか
 このおおくまもとじょうにまで
 きゃーがったのかはしらねェが、
 おれさまデスをあいてにして
 いきてかえられるとおもうなよ!!」

「ほう、デスだか丁稚だか知らんが、
 威勢だけはいいではないか。
 ならばどうだ?
 このわしとサシで勝負してみんか?」

「だれがでっちだ!!
 ぬかしゃーがったなジジぃ!!
 ならばしょーぶだぁ!!」

<魔窟堂VSデス>
「オオオくらえひっさつパンチ!

「うおっ!?」

「つぎはひっさつキック!!

「どへぇ〜!!?」

「そしてひっさつチョップ!!!

「うひょ〜!!!?」

 ついさっき成立した
 魔窟堂とデスの対戦カードは、
 開始早々から一方的に
 デスのいい加減なネーミングの
 必殺技ラッシュで
 終始魔窟堂が押されまくっている
 試合運びとなっている。

 魔窟堂は全学連の中でも
 トップクラスの特体生であり、
 デスの様なB級程度の魔族が相手なら、
 さっさと片付ける事は
 掌を翻す事より容易で有るが、
 魔窟堂は敢えて
 圧されている振りをしている。

 しかも圧されている振りをしながらも
 時々反撃をして相手に芝居である事を
 悟らせない為の努力も惜しまない。

ウェーハッハッハッハァ!!
 しょせんはにんげんよのぉ!!
 ひよわひよわひよわひよわ
 ヒヨワンカァアアー!!!

「『そろそろ逃げ時か……』
 ちっ!!ここは38手じゃあ!!」

 魔窟堂はそう言い残すと、
 超奥義・敵前大逆走を用いて
 デスの目前から早々に退却を始める。

カーッ!!
 じぶんからタイマンを
 キボンヌしておいてにげやがるとは
 なさけなごやのちりめんどんやよ!!
 ヤローども、このこうきをのがすな!!
 おっておっておいまくって
 ぜんとくたいせいどもを
 ぜんめつさせてやるだぁああ!!」

 魔窟堂の偽りの逃走を
 自分の強さに怯えて逃走を図ったものと
 単純に信じたデスは、
 その先に潜む恐るべき罠に
 全く気が付かないまま
 軍団に対して狼牙軍団への
 追撃の命令を下す。

 だが、周りの守に囲まれた林道に
 差し掛かった時に
 狼牙軍団の反撃が始まった……
 と思いきや、
 伏勢の奇襲も空しく衆寡敵せず、
 またもや撤退を繰り返す、

「デス親分!!何かおかしくありやせんか?」

「なにがだ?」

「いやその……アイツラ余りにも簡単に退却するなって……」

「しんぺーすんじゃねぇよ。
 どうせにげるふりをしてりんどうで
 きしゅうをかまそうって
 さんだんだったんだろうが、
 そうぞういじょうにおれさまらの
 いきおいがつよかったから
 とんここきやがったんだろ。
 ここでにどとたちあがれねぇように
 ボッコボコのギッタンギタンにしてやるだぁ!!
 ヤオローども、やっておしまい!!」

 部下が何かおかしいとデスに進言するが、
 デスは伏勢の事なら既に撃破したから
 心配は要らないとその進言を一笑にふし、
 更に追撃を命じる。

 しかししかししかし!!
 追撃してから間も無く
 直前の伏勢とは比べ物にならない程の
 大規模な伏勢が追撃してきた
 デスの軍勢に向かって
 猛反撃を開始してきたのである。

「ヌッフッフッ、まんまと引っかかりおったな!!」

「お、おまえはヌメr…じゃなくてまくつどー!!」

 デスが高らかなる声のする方向を向くと、
 そこには魔窟堂が電線の上に立ち、
 太陽を背に蝶カッコいいポージングを決めていた。

 そして魔窟堂の指パッチンの合図と共に
 周りから沙羅沙や沙織の率いる弓兵銃兵が、
 そして正面からちょこ率いる強襲部隊が
 デスの舞台目掛けて一斉に攻撃を仕掛けてきた。

「ななななんじゃこりゃあ!!!?」

「だだだだから言ったで生姜焼き!!」

「ヤローども、おちつけもちつけ!!」

「だ、だめですオヤブン!!
 周りから特体生共が
 怒涛の如く攻めて来やがって
 シッチャカメッチャカです!!」

 デスはここで初めて
 自分の短絡さに気づいて後悔したが、
 後悔役…もとい後に立たずに格言通り、
 デスの舞台は統率どころでは無い
 状態に陥っていた。

<熊元城天守閣>
「ナヌー!!?ではデスの部隊が
 特体生共の伏勢の待ち伏せにあって
 凹られているというのですか!!?」

 その頃、熊元城の天守閣では、
 ピエロはデスの部隊が
 狼牙軍の伏勢によって
 コテンパンに伸されているという
 情報を部下から聞いていた。

「全くイワンコフありません……。
 仕方がありませんね。
 門を開けてデス達の敗残兵を
 城に収容する準備をなさい!!」

「ははっ!!」



アイキャッチ
戦姫
 「邪神像?一体何の事だ?」


アイキャッチ
火倉いずみ
 「キミは今日少し強くなった……。」
<熊元城縄文前・櫓の上>
 ところは熊元城の城門前に移る。
 櫓の上のピエロの目の前には
 撤退してくるデスの友軍と、
 そして友軍に対して追撃を敢行している
 狼牙軍団の姿があった。

 しかしこのままデス達を
 城の中に入れるとすれば、
 それに乗じて城の門を閉めるよりも早く
 狼牙軍団が雪崩れ込んでくる事は
 誰の目にも明らかであった。

 (32 terrible beat A)
「門を閉めなさい……。」

「ハァ?」

 突然のピエロの命令に、
 副官は一瞬戸惑いと
 疑惑の表情を浮かべる。
 何故ならこのまま門を閉めると言う事は
 デス達を城の中に収容しないと言う事であり、
 それはまたデス達の死を意味しているからだ。

「聞こえなかったのですか?
門を閉めなさい……!!」

「し…しかし!!」

「しかし……何です?」

「城の外にはまだデス親分達が……」

「だから何だと言うのですか?
 責が有るのは私の忠告を無視して
 城の外に出たデスでしょうに。」

「し、しかし……
 デス親分はピエロ親分の双子でしょう!!
 その双子を見捨てるとは……」

 デス達を見殺しにして戦況の悪化を
 防ごうと言うピエロに対し、
 副官は非道だと異論を唱えるが……

「だから何だというのです?
 籠城において敵に
 進入を許さないのは鉄則の筈です。」

 しかし冷酷な眼のピエロは
 その反論に一切耳を貸そうとしない。

<熊元城門前>
(ORISINAL SONG25.Terrible beat-Duel Soul Version)

 デス達は城門前に
 やっとの思いでほうほうの体で
 逃げ帰って来たはいいものの、
 肝心の熊元城城門は
 何者をも拒絶する様に
 厳重に締まっていた。

「おいピエロ!!おれだ!デスだ!
 
はやくあけてくれ!!

 
と び ら は あ か な か っ た
 
た だ の シ カ ト の よ う だ

「お、おい!!なにをしてルンバ!!?
 おれらはみかただぞ!!なぜもんをひらかねえだお!!?」

 当然その仕打ちに対して
 デスは猛然と抗議駿河台……

「確か忠告しましたよね。打って出るな、と。
 しかし貴方は忠告を破って城の外に出た。
 貴方の無謀の為に城を
 危険に晒す訳にはいかないのですよ!!」

 と、にべも無く断られる。

「ち…ちくしょおお……!!
 こんなところでおれがしぬんか……
 くそおおお!!!!!」

 そうこう言っているうちに狼牙軍団が追い付いて来た。

「のう、尊賢、この状況をどう見る?」

「そうですね……みたところ、
 デスの部隊が籠城の鉄則に従い、
 場外に取り残されたといった感じですね。
 取りあえずはこの私にお任せあれ。」

 魔窟堂の質問に対し、
 尊賢は何がしか良案が浮かんだのか、
 自身ありげに魔窟堂に即答する。

「あ〜、もしもし、場内の兵士達よ、聞こえますか?」

「一体何の用です。
 変態新聞の勧誘なら間に合ってますよ。」

 策を携えて場内に呼びかけてきた尊賢に対し、
 ピエロは櫓の上から返答をする。

「見たとことによると、
 貴方達の部隊の一部は城の外に
 取り残されている様ですが……」

「ふ、貴方方の関与するところではありませんよ。」

「まあ、もう少しお聞きなさい。そこでどうです?
 我々は一時攻撃を中止致しましょう。
 今やこの城は孤立無援。
 このままでは残された部隊は無論、
 この城が落ちるのも時間の問題。
 ならば我々の要求に応じられては?」

「ほう、要求ですとな?」

「左様……一時追撃を中止して
 部隊の収容を認める代わり、
 無益で無謀な戦いを避け、
 この城を明け渡すのです。
 そして後日の戦いに
 備えられた方が賢明と存ずるが。」

ウウッハハ!!
 何を申すかと思えば戯けた事を!!
 その様な戯言に耳を貸す
 このピエロと思っているのですか?」

 尊賢の申出に対し、ピエロはにべも無く断り、
 デスとその部隊が死んでも言いと言い放つ。

「尊賢よ、残念だが交渉は決裂してしまったぞ。
 やはりここは目の前の部隊を
 全滅させた上で城内の部隊をも……。」

「まあお待ちなさい魔窟堂さん。
 急いては事を仕損ずると申しますよ。」

 魔窟堂の一斉攻撃を促す意見に対し、
 尊賢は何か思いついた様な表情で
 その言葉を遮る。

「ならば致し方ありませんね。
 では、当方としても、
 目の前の部隊を
 全滅しなければならない……
 と言いたい所ですが、
 我々とてそこまで
 非道ではありませんので、
 ここは一旦引いて貴方達が
 部隊を城に収容するまで
 待つとしましょうか。」

「は?」

 尊賢の口から余りにも
 意外な言葉が返ってきた。
 それは一旦軍を引いて
 デスの部隊が城の中に
 収容されるまで待つというのである。
 無論言うまでもナッサブル、
 それによって狼牙軍団には
 何の見返りも無く、
 その意図が謎に満ち溢れた申し出に、
 敵は無論味方でさえも
 疑問を呈する者が
 少なからず出ている。

「ほう、それはどういう事ですかな。
 その申し出は我々にのみに利をもたらし、
 そちらには不利をもたらす不可解な行為。
 何か企んでいるとしか思えませんが?」

「そう思われるならばどうぞ。
 我々は我々で勝手に
 引き上げるだけですから。
 後はお好きにどうぞ。」

「フ…何を策しているのかは知りませんが、
 ここは一つその策に
 乗って差し上げるとしましょう。
 門番A、城門をお開けなさい!!」

<熊元城天守閣>
(ORISINAL SONG27.Crawling Chaos〜Kamui@)

 場所は熊元しろ天守閣に移る。
 そこはデスがピエロに対して
 猛烈に抗議している最中である。
 言うまでも無いが、
 城の外に置き去りにされた
 一件についてであるが。

おいこらピエロ!
 このしうちはいったいどういうことジャラホイ!!?
 おれらがしろのそとにいるのをしっておきながら
 とびらをしめておきざりにしゃーがるとは!!?」

だまらっしゃい!!

「ぐっ……!!」

「私は忠告した筈ですよ。
 守りに徹して決して打って出るな、と。
 それを無視した貴方の方こそ
 責が有るのでは?
 それと籠城では城外も
 置き去りにされた味方は
 見捨てるのが定石です。
 もし敵が中に侵入してきたら
 その何倍もの損害を
 蒙る事になりますからね。」

 ピエロの反論に脳筋デスは
 何も反論出来ない。
 そもそもピエロの忠告を無視して
 城の外に打って出たのは
 他ならぬ自分だからである。

(ORISINAL SONG25.Terrible beat-Duel Soul Version)
 それから二日間の間、
 狼牙軍団は休む間も無く
 城に波状攻撃を仕掛けるも、
 熊元城と八門光狩の陣は堅牢であり、
 徒に兵を疲労させて
 怪我人を増やすばかりで、
 一考に落城のらの字さえも見せない。

<狼牙軍団本営>
(27 All the time)

 その頃、狼牙軍団の本営では、
 魔窟堂と尊賢が今後の展開について
 話し合っていた。

「のう尊賢よ……もうそろそろ
 二日前に一方的に一時引いて
 デスの部隊を中に入れてしまった
 事の真意について
 話してくれても良い頃ではないのか?」

「そうだわよね。
 あたいもその事について
 一言説明を聞きたいわ。」

 どうやら魔窟堂のみならず、
 沙織も尊賢の真意について
 疑問を呈している様であり、
 魔窟堂と一緒に尊賢に
 真意を問いただしている。

「いいでしょう。
 まずはあの時デスの部隊を
 一時の感情に任せて
 殲滅したとしましょう。
 敵も窮鼠猫を噛む言葉通り
 ただではやられないでしょう。
 そうなれば味方にも
 甚大な損害が出る筈です。
 そして残された敵も追い詰められれば
 自分もそうなるであろうという恐怖から
 窮鼠と化して背水の陣にて
 我々に牙を剥くでしょう。
 それが理由です。後……」

「後?」

「気づきませんでしたか?
 何故私が城の包囲の部隊を
 南西にだけ置いていないという事に。」

 尊賢はそう言うと、
 城の周りの地図を指差した。

 その地図には狼牙軍団の
 部隊を示すおはじきが
 熊元城の周りを
 びっしりと囲んでいたが、
 その中の南東の部分にだけ
 部隊が全く配置されていない
 部分が存在った。

「確かに。で、これが何か?」

「我々の密偵の話によりますと、
 これまでの二日間に
 そこから脱走する城兵が
 多々見られるとの事です。
 これはピエロの非情な判断に
 城兵が不安と不満を
 抱いている証左であり、
 更にわざと逃げ道を作る事により、
 相手を追い詰めないのと同時に
 逃亡を誘発する事による
 戦力の低下も期待出来ます。」

 確かに尊賢の指摘通り、
 ここ二日間で敵の士気は
 見る見る低下しており、
 それに伴って脱走兵も増加している。

「しかしこれを座して見ている
 ピエロではありませんので、
 何がしかの対策を
 取って来るのは明らかでしょう。
 八門光狩の陣を打ち崩すには
 今夜が一番適切な時期だと存じます。
 まずは夜の闇に乗じて
 マコトさんにいずみさん、
 鏡花さんに真言美さんに亮君、
 そして弟の尊拳に
 八門光狩の陣の弱点である
 右端の門から強襲して貰います。
 そうすれば八門光狩の陣は
 糸が綻びるが如く崩れる事でしょう。」

<夜の熊元城>

(ORISINAL SONG25.Terrible beat-Duel Soul Version)
 その夜の熊元城は、
 不気味なまでの静けさに包まれていた。
 連日連夜の敵の襲撃による疲れや、
 将であるピエロへの不審・厭戦気分と、
 熊元城の兵士の士気は
 嫌が応にも低下しており、
 正面以外の兵士は殆ど
 睡眠状態に入ったままである。

(32 terrible beat B)
 その夜の闇に乗じて
 狼牙軍団の別働部隊である尊拳達は
 正に城の右端の門に辿り着き、
 奇襲の準備を終わらせていた。

「こっちの準備は整ったわ、尊拳君。」

「あ、ああ。ご苦労様、いずみさん。
 まずは俺と亮が力技で正面突破を試みるから、
 真言美さんといずみさんは両翼を、
 鏡花さんとまことさんは後衛を頼む。」

「判った。」

「ええ。」

「わかりましたぁ。」

「いいわよ。」

「任せておいてくれ。」

<熊元城 右端の門>
それは正に文字通りの鎧袖袖一触だった。
ぐれーてすとひーっと!!

やっちゃえチロ!

臓物{ぞうもつ}が舞い散るが如く……

見切った!!

一撃必殺!!

曹賊の如く散れぃ!!

それぞれ

目指せ真言美キング
混乱の翼
月ノ輪・真紅の誓い
目抜きの能力
空雷穿
赤壁災禍


 といった必殺技のオンパレードで
 次々と城内の敵を
 粉砕!玉砕!大喝采!していく。

目指せ真言美キング
どこからか持ってきたのか分からない
100tハンマーを振り回す技。
隙はデカいが威力と範囲は大きい。
51236+P

混乱の翼
上にジャンプした状態でチロの羽を飛ばす技。
斬空波動拳な技で、
当たった敵はバッドステータス「混乱」になる。
空中で236+P

月ノ輪・真紅の誓い
大鎌「界離」で突進して上方に敵をブチ撒ける技。
4(貯め)6+K

目抜きの能力
相手の攻撃を受け流して斬る当て身投げ系技。
22+PP

空雷穿
気を纏った拳を突き出しつつ突進する技。
いわゆるバーンナックル系の技である。
214+P

赤壁災禍
豪腕で殴りまくるオラオラ百烈拳技。
かつて三国志の呉の甘寧はこの技で
赤壁の戦いにおいて大活躍したとされる。
Pを連打


<熊元城 天守閣>
 その頃、天守閣のデスとピエロの両将には、
 いち早く狼牙軍の奇襲の報告の一報が入っていた。

「ナヌー!!?とくたいせーどもがきしゅーだと!!?
 ふざけやがって!!じょーとーじゃねーか!!」

 とデスは戦闘状態の下の階に下りようとしたが、

「そこまでよ……!貴方に朝は……訪れない。」

「という訳でだ。
 張南焦触みたいに
 あの世に行って貰うぜ!!」

 こでいずみと尊拳が乱戦を潜り抜けたやってきた。

「おまいなにわけのわからんこといっとんじゃ!!?」

「まあ落ち着きなさい。いいではないですか。
 我々は二人、そしてそちらも二人……
 ちょうどいいでは有馬の温泉。」

(32 terrible beat W)
<毛利尊拳vsデス>

 という訳で期せずして熊元城の決戦は
 2on2の一騎討ちの対戦カードとなった。

「フゥーッ!!このワンダホォーなデスさまと
 たちあおーとはおまぬーなおとこよ!!どりゃー!!」

 いきなりのデスの先制パンチ!!
 それを難なくかわした尊拳は、

「でりゃっ!!」

 反撃の裏拳を繰り出し、
 そのまま数回正拳と
 旋風脚の応酬をするが、
 どれも相手に捌かれて
 ダメージを与えるまでには
 到底至っていない。

ひっさつパンチ!

 デスの直線的なテレフォンパンチである
 必殺パンチが尊拳の顔を襲うが、
 その様なテレフォンパンチを
 尊拳が見切り損なう筈が無く、
 そのパンチにあわせて

喰らいな!!

 とカウンターパンチの赤壁細胞を叩き込むが、

「かかったな!」

 とカウンターパンチを腕十時に取り、
 尊拳の左腕をポキっとな、と折ってしまう。

赤壁細胞
一歩後ろに下がって気を纏った拳を突き出して
気の柱を前にだす技。

かつて三国志の呉の太史慈はこの技で
赤壁の戦いにおいて大活躍したとされる。
214+PP

「ヤラレター!!」

「ひっかかりゃーがったな!
 これぞ
ひっさつじゅーもんじがため!
 もはやそのうでではパンチはうてまい!!
 これでとどめだひっさつ
デスバウ…なっ!!?

 勝利を確信して大振りに繰り出された
 必殺パンチ・デスバウンドに合わせて
 尊拳のもう一つのカウンター技である蹴り技、
 赤壁超印が叩き込まれ、
 デスは避ける余裕ッチすらなくKOされる。

赤壁超印
一歩後ろに下がって気を纏った拳を突き出して
気の壁を前にだす技。

かつて三国志の呉の周泰はこの技で
赤壁の戦いにおいて大活躍したとされる。
214+KK

<火倉いずみvsピエロ>
「フフフフフフフフフフ……豆腐。
 どうやら我々は貴方方を甘く見ていた様です。
 しかし!この私を倒す事は出来ません!」

「…無駄よ。貴方に私は倒せない。」

「ほう、奇遇ですね。私もそう思いますよ。
 しかしこれならばどうですかな!!?」

(32 terrible beat A)
 ピエロがそう言うと、
 後ろのコンピューターを
 ポチポチポチッとなといじって
 後ろのモニターに画像を映した。
 そのモニターには
 植物の繭に絡め取られ、
 弱りきっている熊元の住人が
 大多数とらわれていた。

「こ…これは一体……!?_」

「知りたいですか?知りたいですかぁ!!?」

「是非。」

「なんか素っ気無い位の即答ですね。
 視聴者の事も考えて
 しかるべきアクションくらいは取って下さいよ。
 まあいいでしょいう。
 モニターに映っているのは
 城の地下に有るバイオスペースです。
 無論ここに囚われているのは
 正真正銘のモノホンの人間です。
 彼らは私の為に生命エナジーを
 機械でBパワーに返還て私に送る
 電池の役割を果たしているのです。
 そしてもうすぐこのBパワー吸収装置、
 《パワーちゃん1号》は完成を迎え、
 この私に大いなるパワーを与える事になるのです!!
 そうすれば例え神威様…
いや!!!!!!
 
神威の奴でも私には敵わなくなるでしょう!!」

 ピエロは追い詰められた状態でありながら、
 何故余裕の態度を
 崩さないのかという理由を明かす。
 確かにこの技術を以って
 熊元の住人から生体エナジーを
 Bパワーとして吸収すれば、
 現時点の技術力でも
 目の前の狼牙軍団の撃破は
 十分に可能であり、
 そして住人は人質としても
 使用可能なのである。

「説明ご苦労です、作者。
 さぁ火者のナオン!!
 その物騒な得物を離しなさい!!」

「くっ…卑怯な…!!」

「何とでもおっしゃい!!」

 教科書通りの小悪党的な手段を
 用いるピエロに対し、
 いずみはなすすべなく
 界離を手放す事しか出来ない。

ウェーハッハッハ!!
 やはりそうするしかない様ですな!!
 人間思いのいずみ君!!
 そんな甘い考えだから
 貴方方人間は我々には勝てないのですよ!!」

 いずみの行為を嘲ったかと思うと、
 ピエロは無抵抗のいずみに殴打を加える。

オラオラオラオラァ!!

 だが、調子に乗っているピエロの後ろで
 虫の息で生きていたデスが操作に近づき、
 そして装置のスイッチを全て切った。

「デス!!?生きていたのですか!!?
 ていうか何の真似です!!?
 もしかして裏切るつもりですか!!?」

「かむいさまをうらぎろーとしているのは……
 ピエロ、きさまだろーが!!」

 全くの予想外である
 デスの蘇生にピエロだけでなく、
 いずみも呆気に取られていた。

いーかこむすめ!
 おれさまはかむいさまをうらぎるわけでも
 きさまらにみかたするわけでもねー。
 だが!!
 きさまらにんげんがせーせーどーどーと
 たたかいをいどんでいるときにこのよーな
 こそくなてでけっちゃくがついていーわけがねー!!」

 そう言うと、デスは最後の力で装置を停止させ、
 そしてアホなりに誇り高く息絶える。

「ち、畜生!!デスのノータリンめ!!
 しかし現時点のパワァーでも貴女如きを
 ぬっ殺すには訳有りません!!
 必殺
ピエロバウ…なっ!!?

 ピエロのピエロバウンドがいずみを襲うが、
 その前に……

燃えちゃえ!!

やっちゃえチロ!!

砕け!!

 突如現れた真言美と鏡花とマコトの
 三連続コンボにより、
 ピエロは大ダメージを受ける。
 そしていずみは界離を拾い……

(32 terrible beat W)
「立ちなさい。ダメージは五分五分、ここで決着をつけるわ。」

 あくまでタイマンでの決着を主張する。

『舐めてやがりますね……このアマ!!
 しかし所詮は人間……
 下らない矜持りやルールに
 縛られた人間に過ぎません。
 しかし!このピエロは……魔族は違う!!』

「あ、
神威さま!!

 ピエロは立ち上がるといきなり
 いずみの後ろを指差し、神威の名を叫んだ。

 しかし神威がそこにいるはずもなく、
 ピエロは気を取られたいずみに

「必殺
ピエロバウンド!!

 と必殺技で不意打ちをするが、
 いずみはそれを見越していたかの如く、

「脳漿が舞い散るかの如く……!!」

 と
月ノ輪〜愛しき甘美な世界
 ピエロを装置の動力に叩き付ける。
月ノ輪・愛しき甘美な世界
大鎌「界離」で突進して前方に敵をブチ撒ける技。
4(貯め)6+K


 そして……

「い…一体なにをぱら……!!?」

「今まで貴方が熊元の人達に
 借りていたものを元に戻すだけよ。
 貴方が悪党で良かった……。
 遠慮なく残酷になる事が出来るから……。」

 いずみはピエロのBパワーを
 弱り切った熊元の住人に還元させるべく、
 装置を作動させる。

「ヒョエェ〜!!
 
何てコトしやがります!!
 
貴女それでも人間ですか!!?

 いずみがしようとしている事を悟り、
 自分のやって来た事を棚に上げて
 力の限りに抗議の意思を示すが……

「言った筈よ。
 
貴方に夜は明けない……と。」

「ややややめてとめて
やめてとめてやめてぇ
 
とめっ……た!!

 却下され、必死の小悪党らしい命乞いも空しく、
 全てのBパワーと生命力を吸い取られたピエロは
 ミイラになって地獄に召されてしまいま。

<熊元城の前>
(30 Big Bang Age)
 場所は移って一夜が明けた熊元城の前に移る。
 熊元城の天守閣のバックから旭日が昇る様は、
 まるで狼牙軍団の勝利を祝福するかの如く
 ジョナサンな山吹色に輝いている。

「ふむ、見たまえ諸君。中々の絶景ではないか。
 まるで人類の反撃の狼煙を
 祝福してくれている様な目映い朝日だ。」

「わぁ、見て見て魔窟堂のおじちゃん、
 鳩さん達がぱたぱたってきれいに飛んでるよ〜。」

 その旭日を見て
 感慨にふける魔窟堂に対し、
 ちょこが鳩の群れが
 羽ばたいている光景を指差す。

「あら、中々いい光景じゃない。」

「ふむ、鏡花君か。」

 不意に後ろから
 魔窟堂に大して言葉がかけられ、
 後ろを振り向くと鏡花が立っている。

「熊元攻略の目的の熊元の魔界孔《マルクト》の事だけど、
 たった今私達四人がバッチシカンカン妖滅したわよ。」

 鏡花は魔窟堂に対して本来の目的である
 熊元の魔界孔《マルクト》の妖滅を
 いずみ・真言美・まことと共に
 済ませて来た事を告げる。

 その事により、
 熊元奪回と魔界孔支部の妖滅の
 両目的を達成する事に成功した狼牙軍団は
 熊元周辺の鎮撫と治安に必要な特体生を残し、
 本部に帰還することと相成る。

<神威城>
(ORISINAL SONG27.Crawling Chaos〜Kamui@)

 場所は変わって神威城に移る。
 そこには熊元陥落の速報を
 聞いた神威とムラタがおり、
 ムラタはそれに対する
 対処の方法を神威より聞いていた。

「ちょっとヤベぇんじゃナッサブル!?」

「何がだ?」

「何がじゃねぇだろ神威。
 熊元と魔界孔の一角が
 早くも陥落されたんだぜ。
 それに末端のモブキャラとはいえ、 
 幹部のデスとピエロがやられている。
 少しはヤバシと思わねぇのか?」

「フ…あの二人は我が幹部のうちで一番の小物、
 取り立てて騒ぐ事でもアルマジロ。」

「何だよ一番の小者ってよ!?
 男を磨く私塾兼私学の
 対戦相手じゃ有るまいに。」

 熊元陥落の速報にうろたえるムラタに対し、
 神威は飽くまで冷静に対応する。
 そしてその態度には
 どこがしか余裕すら感じられる。

「ちょ、ていうかおま……!!
 それって典型的な漫画の
 悪役のボスの対応そのものぢゃねえか!」

「まあせくな、ムラタよ。急いては事を仕損じるぞ。
 それに盛り上がりが無くては視聴者諸君が……」

「た、大変です神威様んさ!!」

 そこに満身創痍の状態で
 死魔根の守備隊の一人がやってきた。
 どうやらただ事では名古屋のきし麺。

「し、死魔根の魔界孔《ゲブラー》が狼牙軍団に封印され、
 ロック様と破国院様も退却をなされゲゲボッ……!!!!」
(SE:ゲゲヴォッ)

 ここまで言い終えると守備隊は
 不味いトンデモドリンクを吐き出すかの如く、
 血反吐を吐いて息絶えた。

「どどどどぉーーすんだよ神威!!」

「慌てるな!
 どうやら少々特体生共を侮りすぎていた様だな。
 次のヤツラの目標はおそらく
 岡耶麻の旧学連本部の奪回だろう。」

「だったらどうするんだ?」

「ならばムラタよ、一軍を率い、
 撤退した破国院と合流し、
 旧学連本部の狼牙軍団を迎え撃て。」

「応よ!
 今度こそあの憎っくき斬真狼牙のそっ首を
 打ち落としてやんもんねー。」
予告
なにわ大二郎「黄泉の国に最も近いとされる死魔根の地。
          そこでは不老不死を目論むロックが
         アンデット軍団を率いて待っていた。
         その恐るべき軍団に狼牙軍団はどう戦うのか!!? 」
中善寺弥生「次回大番長AA『第一章その四  「ゾンビがくるりと輪を描いた」』」
狼牙軍団全員「立てよ人類!!

今週の特体生
セトル=ジャン・ストニ(シェル・クレイル)
体力 経験 信頼 距離 気力 攻撃 命中 回避 治安 収益 給料
27 89 普通 27 144 72 100 55 20
スキル 属性 対属性
薬学 白魔 魔族
薬学〜1ターン毎に狼牙軍団のキャラ全員の体力が10開封する

後書き
今回は熊元城の戦いを書いてみました。
次もバンバンバトルっていきますえ。
次からは敵の四天王とかも出してきて
本格的な戦闘を描写していきたいと思います。

当SSにはwin以前のアリスゲーのキャラも
バンバン出す予定ですので、
当SSを切っ掛けに旧アリスゲーを
プレイして頂ければさいわいと思います。
(旧アリスゲーは配布フリー宣言しているのも多くあります)


苦情などの感想はここへどうぞ。
また私の妄想に満ちたサイトは
http://shin-yaminokai.jp/
となっております。
よろしかったら是非遊びに来て下さいませ。


本陣へ撤退
本陣へ撤退
撤退
撤退