真・闇の会夢幻格闘化計画{Dream Duel Project}続・聖夜の天使達

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第 六話「クリスマスパーティー準備祭」

<−NAGASAKI−>
(08 Make me funky)
今年も聖城学園のクリスマスパーティーの季節となった。
今年は、世界的に有名な豪徳寺コンツェルンや四条財閥、
天津神財閥やダルク不動産が後援するという運びとなり、
会場はNAGASAKIのミッション系インターナショナル高校
「聖アンナ女学院」で決まり、世界中から注目される事となった。



<−アトラクション−お化け屋敷>
 催し物の一つ、お化け屋敷。クリスマスパーティーに
 こんなのが、と思うかもしれないが、
 戦うセンパイ、斬真豪の一存により強引に配置される。

「それは〜、あそこで〜、あ〜、それはそこですぅ〜。」

 番長皿屋敷のオキヌの格好をしたマミー・シルアビル[世が
 準備の式に余念が無い。

「美亜子〜、皿の用意出来ました?」

「大丈夫よ。割れた皿も1枚用意してあるから。」

 猫御嬢{むすめ}の格好の美亜子が割れた皿を手に持ち、
 マミーの質問に答える。



<−ミス聖城コンテスト会場−>
 いつも企画が持ち上がるものの、なぜか最終段階で
 オジャンになる企画「ミス聖城コンテスト」が、
 斬真豪の強引な後押しで今年から成立する事となる。

 無論、企画の責任者は豪自身である。

「フッフッフ……あの幻のミス聖城コンテストが
 遂に開催されるか……!!」

 不敵な笑いを浮かべ、純白の歯を光らせる豪。
 その笑いは、心底この企画を待ち望んでいた男の笑いである。

「本当に大丈夫なんだろうな、兄貴?」

 本当に大丈夫かよ、という面持ちで問う狼牙。

「どわぁ〜いじょ〜ぶ!!むわぁ〜かせて!!」

 根拠の無い自信でそう言い切る。

「このラインナップを見るが良い!」

・「男装美少女 成瀬ユキ」
・「DMG{デビルマジシャンガール}月読きなこ」
・「熱血バレーボーリングっ娘 森沢毬音」
・「スクール(水着)ウォーリアー 堂本瑞貴」
・「スケ番エリ 宮里絵里花」
・「剣道一直線 中西剣道」
・「汚れ無き弓筋 中西弓道」
・「文系メガネッ娘 針山紙魚子」
・「神秘の王女 マミー・シルアビル[世」
・「ちっちゃい体に大きなパワー 湯奈沢慶」
・「ワガママスモールレディー クレオ・アリパ」
・「あいくち握れば天下一品 無銘あいくち」
・「後世に伝える武道の魂 七式青」
・「未完の大器 旋風寺ゆうな」
・「可憐なる恋するエルフ ソネット」

 豪の出した参加者名簿には、以上の名前が記されていた。

「この十五人がエントリーされている。」

「ちなみに、ヒロイン陣や他の仕事で忙しい女の子は
 エントリーされていない。」

「そして、審査員は……
 骨崩の達人・真暁大作、超{スーパー}オタク人・魔窟堂野武彦、
 元猿藤悟郎こと阿寒湖まりも、百合の校舎の支配者・四条沙羅沙、
 エロ超老人・豪徳寺長十郎。」

「司会はシュリ・セイハジュウ・ナガサキ嬢と
 ブロード・キャス子嬢に来て頂いた。」

「真暁大作って……えらくマイナーな奴を持ってきたじゃねぇか……。」

「まあそう言うな。」



<−射撃部練習場−>
(18 comical)
 部長のグリーン(童貞)がいつの間にか新入りの
 五十嵐紅美にこき使われている。
 グリーン本人にとっては悲劇だが、
 周りから見ると漫才、もしくは喜劇にしか見えない。

「ほれ、さっさと用意せんかい!」

「んな事言ったってよ、まだやる事が山ほど有るんだYO!!」

「なんやとゴルァ!!」



<−体育館・演劇部−>



<−射撃部練習場−>
「ちょっと待たんかい!!」

 場面が代わった事に待ったをかける紅美。

「このドアホ!もう少しもたせんかい!!」

「そうだそうだ!」

 出番が少ない事に抗議する二人だったが、
 非情にも場面は次へと移る。

「殆ど……出番がありやせんがね…。」

 柴崎小五郎が……少し残念そうに肩を落として呟く。



<−体育館・演劇部−>
(08 Make me funky)
 今年、急遽発足した新興部の演劇部。
 顧問のフランシーヌ山吹と亜門砕斗と
 ねこ番長を除いて全員使えない素人部員なので、
 元スカルサーペントと元ホーリーフレイムの面々と
 神風戦士ダルクに助っ人に来てもらう事となった。


『活劇 魔法戦士・大番長』
 エクレール・アイレーン・マリーシアは中学生の女の子。
 社会見学で来たグラン・メサイアで突然強烈な光に包まれ、
 気がついた所は見たこともない異世界だった。
 その世界はホーリーフレイムといい、
 世界の『中心』となる存在のダルク姫が
 神主の空也に連れ去られた為に、
 魔族達の徘徊する荒れ果てた地となっていた。
 なんと、エクレール達はホーリーフレイムを救うべく、
 ダルク姫によって、伝説の機神
 「炎の猿皇」「海の爆撃姫」「風の爆砕姫」を蘇らせる事の出来る
 伝説の魔法戦士として召還されたのであった。
 精神力の強さがそのまま自分の力となる魔法の息づいた世界で、
 道師である加賀尾に導かれたエクレール達3人は、
 ホーリーフレイムを救うべくダルク姫奪還の戦いに身を投じる。

@キャスト@
 獅子の魔法戦士〜エクレール
 龍神の魔法戦士〜アイレーン
 鳳凰の魔法戦士〜マリーシア
 姫〜神風戦士ダルク
 神主〜蛇王院空也
 味方・道師〜加賀尾高臣
 味方・鍛冶師〜河野美潮
 味方・風来の剣士〜ウナムル
 敵・副官〜ねこ番長
 敵・魔導師〜フランシーヌ山吹
 敵・幻術師〜シャイラ・スタンジュール
 敵・召喚師〜亜門砕斗
 敵・闘剣師〜バイラル


「アタシが中学生役ねぇ……。」

「つい二ヶ月前に出産したばかりなんだけどね。」

 自分の年を考えて、アイレーンが皮肉気に苦笑する。

「そんな事は有りませんわよ。
 中学生でも充分通用すると思いますわ。」

 エクレールの気休めの慰め。

「はぁ……何で姫と神主が私と砕斗クンじゃないのかねぇ……。」

 魔導師が召喚師とくっつかない役割であり、
 更に神主に片思い、という設定と知って、
 少年趣向のフランシーヌが溜息を吐{つ}く。

「よりによって……こんなゴッツイのとは……トホホ。」

 横目に空也を見て、更に落ち込む。

「こんなので悪かったな。」

 その言葉に空也が軽く毒づく。

「空也の事を悪く言ったら、承知しないわよ!!」

 空也を悪く言われた事に腹を立て、
 フランシーヌに抗議するシャイラ。

「ねぇ、砕斗クン、こんなヤツラほっといて
 二人でイチャイチャしない?」

 そして、口でそう言いながら
 怪しげな手付きで砕斗の身体を弄{まさぐ}る。

「や、やめろよ、こんなところで!」

 だが、砕斗は年端もいかない少年であるがゆえ、
 フランシーヌの誘惑は少し刺激がきつ過ぎるらしく、
 拒否の姿勢を見せる。

「「「「いー加減にしなさいっ!!」」」」

 バイラルと加賀尾とウナムルと美潮の突っ込みが入る。 
 ノリは王阪に本拠を持つ喜劇会社・腰元親喜劇のノリに近い。

チッ!

 砕斗との(一方的な)目くるめく一時を邪魔され、
 フランシーヌには心底残念そうな顔で舌打ちをする。



<−運動場・バンド部のライブ場−>
(07confront the enemy)
 闇崎アキトが新入部員を強化合宿でビシビシ鍛えている。

「いいかテメェらぁ!!この合宿の主な目的はテメェらを
 立派な部員に鍛え上げる事に在る!!」

「その為に最も必要なのは各人の体力増強だ!!」

「今日から毎日NAGASAKI郊外5`を一周する事!!」

「御忍{オス}!!」

 部員全員の気合いの入った返事。
 だが、この返事では、ではバンド部というよりも
 むしろ応援部といった様な感じがするが。

「ちょほいとまちなは。」

 謎の声。アキトがその声に目を向けると、
 飛谷摩利夫がギターを弾いていた。

「シャバの空気が恋しくってな、地獄の淵から蘇ってきたぜ。」

「摩利夫……何やってんだ?」

「楽しそうな事やってるからよ、俺も混ぜてもらおうと思ってな。」

「ふ……よかろう。」

 二人はすぐに意気投合し、固い握手をかわす。



<−飲食店・プチカレーウルフ−>
(18 comical)
 NAGASAKIに出店されてあるプチカレーウルフ。
 何やら崎村竜二と助っ人のエクレールが口論をしている。

「やっぱアンパンが最高だよな。」

「いいえ、やっぱりエクレアですわ。」

 どうやら、アンパンとエクレアはどちらが美味か、
 という議論らしい。 

「何だと!!カレーウルフの目玉はアンパンに決まってるだろーが!!」

「いいえ!カレーウルフの目玉はエクレアですわ!!」

 口論は益々激化し、遂には水掛け論になる。

「アンパンだっつーの!!」

「エクレアですわ!!」

アンパン!!

エクレア!!

アンパン!!!!」

エクレア!!!!

 エクレールと竜二の水掛け論は泥仕合化してて、
 全然噛みあわない。

 それを見かねて、二階堂光弘が仲裁に入る

「二人共、ちょっと落ち着いて……」

光弘はスッ込んでろ!!
光弘クンは黙ってて!!

は……ハイ……。

 どうやら、光弘の仲裁は全く効果がなさそうである。
 むしろ、火に油を注ぐ結果となる。

ええぃ、騒がしいぞ!!

(30 Big Bang Age)
 電柱の上から大音響が聞こえる。
 どうやら、神風戦士ダルクが電柱の上から
 話しているらしい。

 いつでも、どこでも、疾風の様に現れるらしい。

「ジャ……じゃなかった、ダルクさん……!?」

 腕を組んで踏ん反り返る格好で、更に続ける。

「どれどれ、私が裁定をしてくれようぞ!!」

 言うや否や、電柱から飛び降り、
 アンパンとエクレアを手に取り、
 互いを確かめ合うかの如く、交互に試食する。

「ふむ、アンパンには舌を蕩{とろ}けさせる
 魅力的な甘味が有る。」

「そしてエクレアには舌を優しく包む
 豊潤なる柔らかさが有る。」

 そして……

「故に、この二つを競い、比べる事は
 砲丸投げと短距離走の記録を競うが如きゆえ、
 甲乙付け難しとする!!」

 と一聞意味不明の結論を出す。

「なんじゃそら!!決着を付けるんなら、
 白黒はっきりつけるのが筋ってもんじゃねえのかYO!!」

「そうですわ!!」

 意味不明の玉虫色の判定に猛然と抗議する二人。 

未熟者!!

 その抗議する二人に一喝を加え、更にこう付け加える。

「ならばエクレアのクリームをアンにすればよいではないか。」

「「え?」」

「互いに学び合い、研{と}きあい、触れ合い、美点を認め合い、
 そして高め合う。それでこそ人也!!」

 といい、おもむろにアンエクレアの製作に入る。

 ……そして出来上がったアンエクレア。
 試食してみる。

「もぐもぐ……ん……中々美味ですわね。
 甘味と柔らかさが……何ていいますか……こう……
 溶け合っているっていいますか……」

「いやいや、このまったりとしてしつこくない味が
 口の中で渾然一体となって奥深い風味を作っているのも
 悪くは無ぇぜ。」

 まるでどこぞの料理評論家の様な感想を述べる二人。

「理解った様だな……。ではさらばだ!!」

 そう言い残すと、疾風の様に去っていく。

(27 All the time)
 クリスマスパーティーに向けての準備が着々と進み、
 取り敢えず今日のカレーウルフは閉店となる。

「ふぅ……取り敢えずはこのくらいにしておきましょうか?」

「ああ。そうだな。」

 外はもう夕陽がかっており、後数十分もすれば
 街が夜の闇に包まれるという事は、容易に想像出来た。

「エクレール……その、助っ人ありがとな。」

 朝から働きっ放しの光弘が、
 同じく朝から働きっ放しのエクレールに礼を言う。

「いいえ、大した事有りませんわ。」

「あ〜ぁ、すっかり夜になっちまったよ。
 こりゃ帰ったら母ちゃんに怒られるなぁ……。」

 夕闇を見て、脱力した様に呟く光弘。

「母君……ですか?」

「ああ。そうだよ。オイラんちの母ちゃん、
 昔から厳しすぎてさぁ。特に門限に関しては
 一分でも遅れるとそりゃもう……。」

 ちょっと愚痴っぽく告白する。

(21 dash to trush 〜unpluged〜)
「ふぅん……ちょっと羨ましいですわ……。」

「え?」

 エクレールの予想外の言葉に、
 ちょっと意外な感じの表情を浮かべる光弘。

「羨ましいって……何で?」

「私には……どんなに、
 怒られたくたって……殴られたくたって……」

「怒られる事も……殴られる事も……
 出来ませんから……。」

 寂しげにそう呟くエクレールの言葉から、
 光弘はその背後に在る事情を察する。

「しょ、正直すまない。」

「いいえ。もう慣れっこですから……。」

「そうか……。」

 こうして、クリスマスパーティーの準備は着々と
 進められていった……。


本陣へ撤退
本陣へ撤退
撤退
撤退