真・闇の会夢幻格闘化計画{Dream Duel Project}続・聖夜の天使達

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第十二話「神々の黄昏・後篇〜大円団」

「という訳でだ。ところで、どうしようか……この木偶の坊のお面?」

 豪が見た先には神化体、即ちルシェルドの顔面部分があった。

 未だに邪悪なオーラを放っており、
 放っておけばまた災厄が齎{もたら}されるのは
 火を見るより明らかだった。

「放っておいても悪用されるだけだし……」

「今日はクリスマスだ。一丁必殺技披露会といくか。」

 手に指を鳴らしながら提案する豪。

「いいねぇ。」

 嬉しそうな顔付きで同意する狼牙。


≪必殺技披露会≫
フレー!!フレー!!R・O・U・G・A!!

 二階堂光弘と加倉井潤の大応援が
 狼牙軍団を鼓舞する。

「何せ、オイラ達はここで出なきゃ
 出番ほとんどナッシングだからな!」

「同意……キャラクリくれ……。」

「それがダメならエピローグをくれ!!」

エピログねぇ!

スキルもねぇ!

「「キャラクリチェックは何物だ!!?」」

『ろうがぐんだんはこうげきりょくが50アップした』


ウルフ……ファング!!
終焉りだ!!

 斬真兄弟によるウルフファングと豪烈拳の筋肉ドッキング技!!

『かいしんのいちげき!ルシェルドに
 500ポイントのダメージをあたえた』


ま〜ちゃんごーごーなのだ〜!!

 クレオ・アリパのタトラタータがヒットしてけつかる!!

『ルシェルドに102ポイントのダメージをあたえた』


いっくよ〜!!

 堂本瑞貴の貧乳ファイヤーパンチ泳法が炸裂!!

『ルシェルドに108ポイントのダメージをあたえた』


ターゲットスコープオープン……全弾発射せよ!!

 桐原武士のレオパノレドソが火を吹く。

『ルシェルドに123ポイントのダメージをあたえた』


お覚悟!

 無銘あいくちのケジメの一刺しが貫かれる!

『ルシェルドに103ポイントのダメージをあたえた』


こうなりゃ……自棄{ヤケ}だぁ〜〜〜ッッ!!

 葵我門が、何と!人間砲弾で特攻する。

『ルシェルドに89ポイントのダメージをあたえた』


おら!食えショーコ!
どんどん食べな!
ふぐっもがが!
いくよサキ!
せーの
うりゃ!

 宮里軍団の起死麻虎{きしあさこ}が喰らわされる。

『ルシェルドに280ポイントのダメージをあたえた』


死ねやゴルァ!!

 崎村竜二のアイアン・ドンキホーテが疾走する。

『ルシェルドに116ポイントのダメージをあたえた』


ハジける!!

 成瀬ユキのボーボボーン!がハジける。

『ルシェルドに50ポイントのダメージをハジけた
 ルシェルドはハジけている』


拍手で迎えるが良い!

 河野美潮の超絶悶々錐揉みシュートが繰り出される。

『ルシェルドに109ポイントのダメージをあたえた』


行くぞアイレーン!!
了解!!
「「主よ……裁きを下し給え!!!!」」

 バイラルとアイレーンのサウスクロスフェニックスが斬り込まれた。

『ルシェルドに250ポイントのダメージをあたえた』


頼むよ弓道!
お姉ちゃん!
う〜ん…
おりゃぁ!

 中西流の秘儀、霞門超大砲{かもんちょうたいほう}が発射される。

『ルシェルドに230ポイントのダメージをあたえた』


遅れるなよ!
誰が!
そい!
へっ!ふっはっ!
とどめ!

 毛利尊賢&尊拳の高等の小覇王が教え込まれる!!

『ルシェルドに200ポイントのダメージをあたえた
 ろうがぐんだんのかしこさが100アップした』


二人のこの手が!!

 マリーシアの力がエクレールの愛剣に込められる。

幸せ掴めと轟き叫ぶ時!!

 そして、エクレールが愛剣でルシェルドに斬りかかる。

「「闇は葬られる!!」」

UVOAAaaaaaaaaaaaaaaaaa……!!!!

 エクレールの一撃を受け、ルシェルドは為す術無く
 闇に葬り去られた。

「むぅ……あれが……世に聞く永遠の愛{エテルネル・アムール}!」

「何だそりゃ?」

 真顔で訳の分からん事を呟く豪。
 そんな豪にハァ、な顔の狼牙。

「俺がたった今命名した。」

なんじゃそら!!

 狼牙の突っ込みの拳。
 だが、豪はそれを軽やかに、
 そして優雅にかわす。

「ふっ……同じものを毎回毎回喰らうとでも思ったか。」

 突っ込みの拳をかわした豪は
 前髪を掻き揚げる仕草をする。

「……」

「とりあえず、捕えられている女の子達を
 助ける方が先決なんじゃねぇの?」

 思い出した様に兵太が提案をする。

「おお、そうだったぜ!」

 狼牙達は、囚われの少女達を助け出した。

「ところで、アンタの祖父ってどんな人だったんだい?」

 シャイラがDrラグナロクの口から出た、
 匡一郎の祖父重明{しげあき}について唐突に聞く。
 まあ、唐突に。

「ん……そうだな……。」

「母に聞いた話だが、祖父重明{しげあき}はあの後、あの忌わしき大戦後、
 敗戦で取り残された日本兵と共に敵国に囚われたんだ。」

「想像を絶する悪条件下での強制労働により、
 多くの者が死んでいったと云われている。」

「まあ、祖父の収監された収容所だけは、祖父の医師としての
 活動のおかげで1人も死者を出さなかったらしいが。」

「だが、祖父は日本に帰る機会が幾度も
 有りながらも、この地に骨を埋めた。」

「何で?」

 兵太の当然といっちゃあ当然の質問。

「収容所は辺鄙な場所に有るからな。目ぼしい薬品が中々こなかったそうだ。
 祖父は日本人捕虜だけでなく、収容所の看守達の為にも
 この地に留まり続けたんだ……。」

「母はそんな重明{しげあき}を誇りに思う、と
 俺に聞かせてくれたものだ……。」

 そう言う匡一郎の横顔は、
 どこまでも祖父・重明{しげあき}を
 誇りに思う気持ちに満ち溢れていた。



<−パーティー会場−>
(Original Song01 永遠の愛{エテルネル アムール}〜unpluged〜)

 会場では既にコンサートが始まっており、
 それを見にきた観客の熱気で会場が包まれている。

 マリーシアが戻ってきた時、
 聖歌隊のメンバーが勢ぞろいしていた。

 既にコンサートが終わっているはずなのに、
 観客はコンサートを待ちわびている様だった。

 何故なら、ジャンの計らいでマリーシアが来るまで
 コンサートの時間をずらす事に決まったからである。

「アイヤ〜、もう待ちくたびれたのことアルよ。」

 暇を持て余していたリンファが欠伸をしながら言う。

「マリーシアがいなきゃ、やっぱ締まらないンだな。」

 マリーシアの存在意義について熱く語るタニヤ。

「『一人はみんなの為に、みんなは一人の為に』
 さっきも言っただろ?」

 マリーシアにそう諭すレニ。 

「早くみんなで歌うがや。」

 早く歌いたくてウズウズしている
 落ち着きの無いアイシャ

「槍が降ろうと、鉄砲が降ろうと、舞台とお客さんが
 いればミー達は幸せザンス。」

 リュミエールが気取った言い方をする。

「さ、舞台へ上がるぜよ。みんな待っとるきに。」

 セルフィがマリーシアに
 舞台に上がる様に促す。
   
「みんな……有り難うございます……
 有り難うございます……!」

「では…今年、オペラ界で一番輝いた歌手に送られる
 『デイム』の称号を贈られる聖歌隊の歌……」

「作詞・エクレール、作曲・マリーシア
 『永遠{とこし}えの愛{エテルネル・アムール}』……」

 聖歌隊が観客に語り掛ける。

「大切な家族と仲間に……」

「優しい友達と、守ってくれた……優しい人に……」

「色んな大切な人達に……」

 そして、マリーシアが一際透き通る声で……

「それから……世界で一番大切で愛しい貴女{あなた}へ……」

「いままで過ごした思い出と……魂{こころ}の全てを
 この歌に込めて……。」

……聖歌隊……唄います……!



<−舞台裏−>
「マリーシア……。」

 会場裏の、埃が溜まった舞台裏。
 終わりを告げつつあるクリスマスパーティーを眺めつつ、
 人気の無いそこに剣道とエクレールはいた。

「マリーシア……綺麗ですわね。」

 マリーシアの歌が流れ出す。
 綺麗で、優しく、そして、限り無く暖かい歌が……。

「そうだね……綺麗で……優しくて……
 いい……歌だよ。」

「護れましたわよね……私達……。」

「うん……。」

 光溢れる聖なる夜。何時の間にか外には白雪が降っていた……。



<−NAGASAKI−孤児院>
(25 Warm glow)
 パーティーも終わり、午前三時くらいの深夜の孤児院。
 サンタクロースの格好をしたマリーシアとエクレールが
 煙突の上にいる。
 
 ちなみに、トナカイはねこ番長がやっている。

「にゃんで猫がトナカイの真似をする必要があるニャ……」

 とボヤいていたらしいが。

「ねぇ、マリーシア……。」

「何ですか?」

「前の時にマリーシア……言ってくれたよね。」

「自分自身でやりたい事は何かって……。」

「ボク、あの時からずっと考えたンだ。」

「考えて、考えて、ボク……
 聖歌隊に入る事に決めたンだ!」

 月夜を見ながら、エクレールが夢を語る。
 その目は、夢に向かって突き進む少女の目だった。
 
「エクレール……。」

「そろそろ……時間だよ。良い子のみンなに
 プレゼントを配らなきゃ。」

 エクレールがプレゼントの詰まった袋を担ぎ、
 マリーシアに向かって微笑む。

「ええ。そうですね。」



<−NAGASAKI−孤児院>
 午前四時あたりの 深夜の孤児院。
 ……全てのプレゼントを配り終えた三人。
 ちなみに、三人目は外にいるねこ番長である。

「前の『聖夜の天使達』ではうっかり三人って書いたから
 きっとそのフォローにゃ。」

 とねこ番長はボヤいていたらしいが。

「ふぅ、やっと配り終えましたね。」

 一仕事終え、一息つくマリーシアとエクレール。

「うン。」

「マリーシア……。」

 少し照れくさそうにマリーシアに語りかけるエクレール。
 頬は少々赤くなっている。

「何ですか?」

「ありがとう……。」

「キミやみンながいたから……
 ボクは…ボクは変われたンだ……。」

「ううん。私達は切っ掛けを与えただけ……。
 変われたのは……あなた自身の力です。」

 エクレールに対し、満面の微笑みで応えるマリーシア。

「有り難う……マリーシア……。」


 一時間後、壁に座り込んでうたた寝をしている
 マリーシアとエクレールを発見する扇奈。

「こんなところで寝ていると風邪を引きますよ。」

 そして、優しい微笑を浮かべ、二人に毛布を被せる。


 今は……優しい月の下でお休みなさい……。
 聖なる夜の……天使達。

(Original Song02 永遠の愛{エテルネル アムール})
≪スタッフロール≫


≪エピローグ≫
 バイラルとアイレーンは一人娘のジャンヌをもうけ、
 女房関白で亭主は尻に敷かれているものの、
 それなりに幸せな夫婦生活を送っている。
 エクレールとは、時々手紙をやりとりしているらしい。

 ジャネットは、神風戦士ダルクとして活動を続ける傍ら、
 ダルク不動産の経営に勤しみ、
 暇を見てはエクレールに剣の稽古をつけている。

 崎村竜二は、チーム「アイアン・ドンキホーテ」を率い、
 各地のモトクロスレースに乱入しまくっているという。
 ただし、やはりアンパンが無ければいけないらしい。

 加倉井潤は、ヒヨコの鑑定士の資格を取り、
 その手の業界に入ったという。
 時々ヒヨコが減っている謎の現象が有るが……。

 二階堂光弘は、何故か魔窟堂野武彦に弟子入りし、
 オタク道を極めんと日々研鑚を積んでいる。
 取り敢えずの悩みは、時々隣の沙羅沙の部屋から洩れる
 沙羅沙とまりもの喘ぎ声が悩ましくて寝られない、
 という事くらいらしい。
 
 エクレールは聖歌隊に入り、マリーシア達と一緒に
 恵まれない良い子のみんなの為に各地を回っている。
 行く先々で黒山の人だかりが出来、
 エクレールの育った孤児院は、
 NAGASAKIのちょっとした名所となる程の盛況振りだそうである。
 取り敢えずの悩みは、孤児院前に押し寄せてくる
 「エクレールファンクラブ(ほぼ全員が女性)」への
 対応らしい。
 ちなみに、エクレールとマリーシアの仲が
 恋人関係にある、というのは半ば公然の秘密だという。


後書き
取りあえず、ホーリーフレイム編を
補完しようというコンセプトで作りました。
所々で昔のアリスゲーのネタを散りばめてもいます。

後、このSSを書く原動力となったのは、
ズバリ『エクレールへの愛{アムール}』です。
少々暴走しすぎて、SSが変な方向に
走ったりしているきらいが有りますが……。
是非、エクレールを仲間にしてコンシューマー化……もとい、
コンシューマー化かリメイクでエクレールを仲間にしたいものです。

いずれは第六話に出た「ミス聖城コンテスト」も
書いてみたいと思います。



苦情などの感想はここへどうぞ。
また私の妄想に満ちたサイトは
http://homepage3.nifty.com/shin-yaminokai/
となっております。
よろしかったら是非遊びに来て下さいませ。


本陣へ撤退
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