真・闇の会夢幻格闘化計画{Dream Duel Project}大番長狼牙軍団


エクレールSTORY後編

登場人物 エクレール⇒エ 沙羅沙⇒沙 成瀬ユキ〜ユ イデア〜イ
         ジューダス・レネゲイド〜ジュ 藤原雲水〜雲 幹部〜幹 
          科学者〜科


【8戦後】
<エクレールの部屋−>

ユ「ねぇエクレール、何を考えているのか……
  ボク達に話してくれない?」

沙「エクレール、約束してくれたわよね。どんな事が有っても、
  最後まで三人一緒に戦おうって……。」

エ「沙羅沙……ユキ……。」

エ「実は……。」

 イデアと最初に遭ったのは、実は魔界孔の
 凶事の直後である事を話すエクレール。

エ「イデアはボクの心の一部なンだ……。」

エ「前の戦いの時のやり切れない心が
  オルレアンを通じて生み出した……ボクの心の影……。」

ユ「エクレールの心の……。」

沙「影?」

エ「黙っててごめン……。」

エ「ボクも最初はただの夢だと思ってたンだ。でも……。」

エ「再び魔界孔が現れてイデアが現れて……。」

沙「エクレール……。」

沙「イデアの事、ずっと悩んでたんでしょ。でも……。」

沙「それを打ち明けると、あたい達を巻き込むかもしれないって……
  そう思っていたのね……。

エ「違うよ!そンな……」

ユ「ボクも…沙羅沙と同じ気持ちだ……。」

エ「沙羅沙…ユキ…。」

エ「ボクは……」

エ「ボクは、別に世界を救いたいとか、正義の為だとか、
  そンな大それた事をしたいンじゃ無いンだ……。」

エ「この日本と云う国で出逢えた大好きな人達が……
  ボクの周りにいる大切な人達が、
  幸せでいてくれればいい……。」

エ「その為に戦うって……自分自身の心に決めたンだ!」

ユ「そうだね。」

沙&ユ「あたい達も最後まで付き合うわ。」
     「ボク達も最後まで付き合うよ。」

エ「うン……有り難う……沙羅沙……ユキ……。」

【10戦後】
<−中尊寺金色堂−>
 寺に似合わない精密機械に囲まれた部屋に、
 数人の科学者と幹部、そして雲水がいる。

幹「で、どうだ?対象の確認は?」

科「順調にこちらに向かってきております。ただ……。」

雲「ただ……?」

科「予想外の障害が出てきまして……。」

幹「何だと!!?一体如何いう事だ!?」

科「防衛省残党指揮下の五十嵐小隊です。」

雲「まあまあ。そんなのは如何だって構わんさ。」

幹「しかし……。」

雲「私が欲しいのは、暗黒のアダムと暗黒のパンドラだ。
  多少の犠牲は私の知った事では無い。」

科・幹「………!!」

雲「来たか……。遅かったぞ、イデア。」

イ「邪魔が入ったから片付けてきた。」

雲「さあ、出番だ……イデア。」

イ「クス……判ってるよ。」 


<エクレールの部屋−>
 突如、エクレールの影がニヤリと笑い、
 イデアに変わって影の中から出てくる。

エ「イデア!!?」

イ「エクレール、強くなったね。あたしはエクレールだよ。
  あたしはエクレールに起こった事は何でも判るンだ。」

イ「エクレールが好きな奴はみンな嫌い!」

イ「エクレールが好きな人がいなくなれば
  エクレールは一人ぼっち……。」

イ「あたしとだけ遊んでくれる!」

イ「救世主になれるのが……」

イ「もし救世主になれるのがエクレールだったらどうするの?」

イ「…あたし、エクレールの為にやってるのに!」

イ「エクレールが救世主になったら、
  好きな人と一緒にいられなくなるから……!」

イ「だから、エクレールの為にエクレールの好きなやつをみんな殺すンだ!」

エ「?……如何いう事なンだ?」

イ「絶対殺す!」

イ「雲水が教えてくれたンだよ。」

イ「大好きなエクレールの為にどうすればいいかって……。」

イ「好きな奴が死ぬからエクレールは悲しむンだ。」

イ「だから、もう二度とエクレールが悲しまない様に、
  好きな奴が出来ない様にみーンな殺せばいいって!!!!

エ「違うンだイデア!!ボクはみンなに死ンで欲しくなンかない!」

エ「ボクはみんなを護りたい!」

エ「大好きな人達と『生きて幸せになりたい!』」

〔小ボス2・戦闘〕

イ「……。」

イ「何で…何で?」

イ「何で拒否するのよぉぉぉぉぉ!!!!」

 自らの敗北がほぼ確定しても尚、立ち向かおうとするイデア。
 そのイデアを抱きしめるエクレール。

エ「イデア……。」

イ「エクレール…?」

エ「ボクの心……」

エ「ボクがあの時に残していった心の影……。」

イ「ずっと一人だったンだ……。
  どこ探しても……。」

イ「どこを探してもエクレールがいなくて……。」

イ「一人でいたら、雲水が現れて……。」

イ「私と一緒にいればエクレールに逢えるって……。」

エ「ごめンね…一人で寂しかったンだよね……。」

 イデアを強く抱きしめる。

エ「イデア…ボクの心がわかる?」

イ「うん……エクレールの心が……解る。」

エ「ボクは好きな人とは一緒になりたい……。

エ「生きて幸せになりたい。だから……」

エ「だから、自分も好きになりたい。

エ「愛したり、苦しンだり、悲しンだりする心も含めて、
  自分を好きになろうと思うンだ。」

イ「あたしの事も……好きになってくれる?」

エ「うン……!」

エ「お帰りなさい……もう一人のボク……。」

イ「うン……。ただいま、エクレール……。」

 溶け合う様に、エクレールに入り込んで消えるイデア。

<−中尊寺金色堂−>

エ「ここが……ヒエロスグリュペインの本拠地……?」

?「ようこそ。我らがヒエロスグリュペインの牙城へ。」

エ「藤原……雲水!」

雲「我が願いに必要な暗黒のアダムと暗黒のパンドラは
  我が眼前に揃った。」

雲「そう……自分の影、即ち暗黒のパンドラことイデアを
  取り込んだお前がね。」

エ「何故……何故そんな事を?」

雲「それはな……

テロップ
ジューダス・レネゲイド……。
かつて、彼はイスカリオテのユダと呼ばれていた。
彼は、師であるとある救世主の弟子・12使徒の一人だったが、
救世主に懇願され、救世主を殺してしまう。
酷く後悔した彼は特体生としての能力を使用、救世主を甦らせるが、
同時に救世主としての責務を背負い、
以後、老いる事も死ぬ事さえも出来無くなる。
そして、救世主としての定めにより、
恋人であるマミー・シルアビル[世の前から姿を消す事となる。
さ迷えるユダヤ人の伝説……。以後、彼はアポロニウス・左慈元放・
ヴラド=ツェペシ・サンジェルマン・エルンスト=プレッシュ
(ヒトラーの魔術の師)三剣流星と、時代ごとに違う名前で呼ばれるが、
そのいずれもが不死の人として知られている。


救世主(メサイア)とは?
このガイアという惑星で最大の心の強さの持ち主のみがなれる存在。
この存在は、ガイアという惑星の中では念ずるだけで何でも出来る
全知全能の存在である。
しかし、自分では決して老いる事も死ぬ事も出来ず、
魔界門の封印に『のみ』存在しており、
自分の為には何もする事が出来ない存在でもある。
好きな人と一緒にいたい、一緒に幸せになりたい……
そんな願いすらも叶える事が出来ずに魔界門の封印だけを
ずっと支えている悲劇の存在……。
そして、救世主と戦って殺した者こそが次の救世主となる。
この時、救世主は死ぬ前に一つだけ自分の願いを叶える事が出来る。
そして、彼の目的は「死ぬ事」と、死ぬ事により、
救世主がいなくとも、世界の皆の心の強さによって
魔界門の封印を持続させる事が出来る世界に
する、という願いを叶える事、である。

雲「ジューダス・レネゲイドは、お前達に殺される事で
  この願いをかなえようとしている。だが…………」

雲「だが、私は死なせたくないのだ……。」

雲「敬愛する我が盟友を……ジューダス・レネゲイドをな。」

雲「だから私は究極の智慧を求めた。」

雲「ジューダス・レネゲイドが死なずとも、
  彼の願いを叶える方法を見つける為に……。」

沙「……。」

雲「互いの願いの為だ。遠慮は要らん……くるがいい。」

〔中ボス・戦闘〕

雲「ふ……まさか、お前達にやられるとはな……。」

雲「まぁいい……。」

雲「この先に……ヒエロスグリュペインの総帥が……
  ジューダス・レネゲイドがいる……。」

雲「行くがいい。そして……」

雲「総帥の願いを叶えてくれ……。」

エ「願い?」

雲「そうだ……総帥の願い……をな。」

雲「フ……そろそろ……頃合いだな……。」

ユ「頃合い?

雲「逃げるのではない。少々……休暇を取るだけさ……。」

そう言うや否や、事切れる雲水。

エ「……。」


<−総帥へと続く道−>

沙「とうとう……総帥のところに来たわね。」

エ「うン……。」

エ「ありがとう……。」

エ「沙羅沙が……」

エ「沙羅沙とユキいたからボクは変われたンだ……。」

沙「ううん。あたい達は切っ掛けを与えただけ……。
  変われたのはあなた自身の力よ。」

エ「沙羅沙、ユキ……。」

ユ「何?」

エ「前のボクは……」

エ「使命の為なら
  簡単に命を捨てる覚悟も出来た。」

エ「でも、今は……。」

エ「ボク……まだ死にたくない!」

エ「大切な人達と離れ離れになりたくない!」

 ユキとエクレールを抱きしめる沙羅沙。

沙「大丈夫よ。」

沙「大丈夫よ、。 あたい達は、負けない。
  ……そして死んだりはしない。

沙「狼牙軍団のみんな…… そして、ユキ、エクレール……
   あたい達が必ず、守ってみせる。」

ユ「まだ、大事な人達と離れ離れになりたくないからね。」

エ「うン!……行こう!沙羅沙、ユキ!」


<−どこかの丘の上−>
エ「ここは……?」

?「君の求める場所には辿り着けたかい?」

エ「あなたは!?」

?「私の名前はジューダス・レネゲイド。
  かつては……イスカリオテのと呼ばれていた。
  ヒエロスグリュペインの総帥さ。」

エ「総帥?あなたが……。」

イヴ「そうだ。」

テロップ
ジューダス・レネゲイド……。
かつて、彼はイスカリオテのユダと呼ばれていた。
彼は、師であるとある救世主の弟子・12使徒の一人だったが、
救世主に懇願され、救世主を殺してしまう。
酷く後悔した彼は特体生としての能力を使用、救世主を甦らせるが、
同時に救世主としての責務を背負い、
以後、老いる事も死ぬ事さえも出来無くなる。
そして、救世主としての定めにより、
恋人であるマミー・シルアビル[世の前から姿を消す事となる。
さ迷えるユダヤ人の伝説……。以後、彼はアポロニウス・左慈元放・
ヴラド=ツェペシ・サンジェルマン・エルンスト=プレッシュ
(ヒトラーの魔術の師)三剣流星と、時代ごとに違う名前で呼ばれるが、
そのいずれもが不死の人として知られている。


救世主(メサイア)とは?
このガイアという惑星で最大の心の強さの持ち主のみがなれる存在。
この存在は、ガイアという惑星の中では念ずるだけで何でも出来る
全知全能の存在である。
しかし、自分では決して老いる事も死ぬ事も出来ず、
魔界門の封印に『のみ』存在しており、
自分の為には何もする事が出来ない存在でもある。
好きな人と一緒にいたい、一緒に幸せになりたい……
そんな願いすらも叶える事が出来ずに魔界門の封印だけを
ずっと支えている悲劇の存在……。
そして、救世主と戦って殺した者こそが次の救世主となる。
この時、救世主は死ぬ前に一つだけ自分の願いを叶える事が出来る。
そして、彼の目的は「死ぬ事」と、死ぬ事により、
救世主がいなくとも、世界の皆の心の強さによって
魔界門の封印を持続させる事が出来る世界に
する、という願いを叶える事、である。


 雲水が話した事を、事細やかに話すエクレール。

ジュ「雲水が……そうか……。」

ジュ「君達の知っての通り、救世主は自ら死ぬ事は出来ない。」

ジュ「救世主の概念という悲劇は……もう終焉りにしなければならないのだ。」

エ「でも……何故、代々の救世主は救世主の概念の消滅を望まなかったんですか?」

ジュ「その疑問はもっともだ……。」

ジュ「救世主という概念を無くす様に願う事も救世主には出来た。
   だが……」

ジュ「代々の救世主が救世主の概念の消滅を願わなかったのは……
   ヒトを信じ切る事が出来なかったからだ。」

ジュ「私は確かめたい…救世主が存在しなくとも、
  ヒトは魔界門を封ずる事が出来るのかを……。」

ジュ「さあ、来たまえ。……ヒトの可能性を見せてくれ!」

〔ラスボス・戦闘〕

ジュ「さすがだな……。」

ジュ「代々の救世主は……このガイアを……
   そしてガイアに息づく全ての者を愛していた。」

ジュ「だが、その愛する者達を信じていなかった……。」

ジュ「我々は、救世主として愛する者達を守ろうとはしたが、
   己の重荷を分かち合い、共に立ち向かおうとはしなかった。
   だが……」

ジュ「だが、君達は違う。」

ジュ「自分を犠牲にせず、愛する者を只護るのでなく、
   愛する者達と喜びも苦しみも共に分かち合い、
   共に明日へと歩んでいける。」

ジュ「君達は愛する者を信じている。」

ジュ「そうだろう、エクレール?」

エ「ええ……。」

エ「人は一人では生きていません……。」

エ「救世主は一人……何でも出来るかもしれないけど……
  『たった一人きり』ですわ。」

エ「だからあなたはマミー王女を好きになったんだと思います。」

エ「私も沙羅沙やユキ、他のみんながいたから頑張れた……。」

エ「一人じゃないから……。」

エ「もう二度と誰も犠牲にしたくない……
  大好きな人達と……みんなと生きて幸せになりたい……。」

エ「これが私達の答えですわ。」

ジュ「そうか……。」

ジュ「ならば旅立つがよい。
   このガイアの行く末は君達の手の内に在る。」

ジューダス・レネゲイドの体が輝き出し、
光の中に溶ける様に消え始める。

ジュ「空に宿る主よ……一度だけ……一度だけ願いを叶えて……。」

天に召される様に、ジューダス・レネゲイドの体が消え去っていく。

そして、元の世界に戻っていくエクレール達……。

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ED(with四条沙羅沙、成瀬ユキ)へ


本陣へ撤退
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